イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

活かせなかった2つの決定機…フランク・ランパードの最大のミッションは、2戦ノーゴールで終了。

プレミアリーグ31節のブライトン戦を2-1の逆転負けで落とした後、ロッカールームで起きた事件が報じられました。不甲斐ない結果に激怒したトッド・ベーリーオーナーが、共同オーナーのエンバリ、ウィスの両氏を伴って乗り込んできたとのこと。ランパードが話した後、スピーチを始めたオーナーは、選手たちに「恥さらし」といい放ち、1時間も説教を続けたと伝えられています。

「ガーディアン」「テレグラフ」など現地メディアは、「CLを控えた選手たちのやる気を引き出そうとした」とレポートしていますが、指揮官の頭越しに選手を名指しで非難してはいけません。「過去12ヵ月の間に高額の契約を結んだ」としか報じられていませんが、仲間がいる前で厳しい言葉を浴びせられた選手は、意気消沈してトレーニングで不満をこぼしていたそうです。

さらに月曜日には、「BBC」のアレックス・ハウエル記者が「チェルシーはユリアン・ナーゲルスマンと会談を行った」と伝えています。せめてレアル・マドリードとの決戦が終わった後にまわせなかったのか。直近の公式戦6試合で勝利なし、ランパード就任以来3連敗のチームは、士気を高められずに欧州王者とのゲームを迎えました。

サンティアゴ・ベルナベウでは2-0完敗。何としても先制したいチームは、11分に最初のチャンスを迎えます。左のCBに入っていたトレヴォ・チャロバーが逆サイドのリース・ジェームズにロングフィードを通すと、カイ・ハヴェルツが競ったこぼれ球がカンテの前へ。フリーだった7番は左足のボレーをミートできず、ボールは右ポストの外に切れていきました。

20分には、ボックス右でカルバハルのパスを受けたロドリゴの右足シュートがニアポストを直撃。23分に左から上がったチアゴ・シウヴァがゴール前に浮かしたボールは、クルトワが余裕をもってキャッチしています。32分、カルバハルの浮き球がボックス右に入ったモドリッチへ。縦に持って放った一撃は、ケパが右に飛んでセーブしました。

40分に右から蹴ったククレジャのCKは、中央にいたカイ・ハヴェルツへ。背中に当たったボールに反応したコナー・ギャラガーは、ファーに逸らしてしまいました。決定機をつかんだのは45分。コヴァチッチ、カイ・ハヴェルツ、リース・ジェームズと右につながり、WBの素晴らしいクロスがファーに流れると、トラップしたククレジャはフリーでした。

ダイレクトで枠に収めていれば、決まったかもしれません。トラップしたレフティがニアを狙うと、飛び出したクルトワがコースを読んで両手で弾き出し、DFたちに称えられています。前半は0-0。直近5試合で、DFに当たってコースが変わったコナー・ギャラガーのミドルしか決めていないチームにとって、45分で2ゴールは難しいミッションです。

後半が始まって55分、FKからの二次攻撃でリース・ジェームズからパスをもらったエンソ・フェルナンデスは、地を這うようなミドルを左に外しました。絶望的な失点は58分。右にいたロドリゴに出たボールを追ったトレヴォ・チャロバーが、無理めなスライディングをかわされたのが命取りでした。

ボックス右を完全に崩したロドリゴのグラウンダーが左に流れると、逆サイドで拾ったヴィニシウスもフリー。リターンをもらったロドリゴが左足で押し込みました。14番が1発で飛び込まず、相手の侵入を遅らせていれば、守備陣の混乱はなかったでしょう。60分のコナー・ギャラガーのミドルはクルトワの正面。65分のエンソ・フェルナンデスの左足も、守護神がセーブしました。

勝負が決したのは80分。リュディガーの浮き球で左から上がったヴィニシウスがニアに折り返すと、バルデルデがあっさりコナーギャラガ―を抜いてケパの前に躍り出ます。GKを引き付けて出したラストパスが、フリーで待っていたロドリゴへ。先制ゴールをゲットしたアタッカーの仕事は、無人のゴールに転がすだけでした。

フランク・ランパードの最大のミッションは、アウェイもホームもノーゴールの完敗で終わりました。バディアシルを起用できないため、トレヴォ・チャロバーに左をまかせたのは窮余の策でしたが、調子のよさを優先した人選は適切だったと思います。戦えていた前半に、カンテかククレジャが決めていれば、王者を焦らせることができたのではないでしょうか。

就任以来4連敗、エヴァートン時代から通算すると14試合連続で勝利なし。クラブは無冠が確定し、プレミアリーグでは7位に10ポイント差の11位という絶望的なポジションにいます。苦しい状況に追い込まれた指揮官に残された仕事は、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、マンチェスター・シティ、ニューカッスルに勝って、サポーターをうなずかせることだけです。

オーナーに非難された選手は、ブライトン戦でシュートを打てず、この日も途中出場でチャンスを得られなかった彼でしょうか。いや、詮索はやめましょう。今、できるのは、来季につながるパフォーマンスを披露することです。監督が誰であったとしても、オーナーがどんな人物だったとしても。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す