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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

指揮官交代では立て直せない…評論家、記者、ベテランCBが語る「チェルシーがすぐにやるべきこと」

「監督は、30人から11人しか選べない。大変なことだね。全員がプレイできるわけではないので、常に誰かが動揺することになる。チームのサイズに合わないドレッシングルームを広げなければならなかった」

「クラブにとって、難しい状況だ。曖昧になっていることが、たくさんある。素晴らしい選手がいるのはいいことだけど、常に誰かが苛立ったり落ち込んだりしている。一度立ち止まって、計画を練り直す必要がある。そうしないと、来季も同じ過ちを犯してしまうかもしれない」

「監督の交代について語りすぎだと思う。われわれは監督を指差すばかりだけど、自分たちも何が間違っていたのかを見つめ直し、改善しなければならない。彼らを指差せば、その3本の指は自分に返ってくる」

チアゴ・シウヴァの言葉を聞くと、チェルシーの内部では大変なことが起こっていたんだなと、あらためて思います。2023年に入ってから、公式戦4勝6分11敗。1月から2月にかけて1勝しかできず、サポーターが穏やかな日々を過ごせたのは、苦しかったグレアム・ポッターがわずかに輝きを見せた3月だけでした。

ポッター解任のタイミングは、最悪だったといわざるをえません。試行錯誤が続いた苦しい季節を経て、リーズ、ドルトムント、レスターに3連勝。3つとも3-4-2-1で戦っており、ゴールの期待値は確実に高まっていました。プレミアリーグ28節のエヴァートン戦はドローでしたが、89分まで2-1でリードしており、悪い内容ではありませんでした。

続く29節、アストン・ヴィラに0-2。この敗戦を、なぜ重くみたのか。ウナイ・エメリの就任以来、プレミアリーグ13試合で8勝2分4敗と絶好調だったチームを、シュート数27対5と圧倒。失点はクリアミスとミドルシュートで、最終ラインを崩されたわけではなく、上位のクラブでもときどきやらかす負け方に見えました。

チャンピオンズリーグに希望を抱きすぎた経営ボードが、レアル・マドリードに怯え、直前の敗戦でパニックに陥ったのか。あるいは、バイエルンのナーゲルスマン解任が化学変化を起こしたのか。インターナショナルブレイクの直後、リヴァプール戦の直前という不可解なタイミングでのちゃぶ台返しは、後を継ぐ監督の負担を増大させただけでした。

急遽呼ばれたランパード監督が求められていたのは、クラブのレジェンドならではの強いリーダーシップで、カオスに陥っていたチームを落ち着かせることでした。彼の最大の失敗は、ウルヴス戦でフォーメーションを変えたことだったのではないかと思います。

レッズ戦をドローで終え、直近の6試合は3勝2分1敗。まずまず戦えるようになっていたチームのやり方は変えず、一体感、規律、自信を植え付けることに徹していれば、4連敗という最悪の結果は回避できたのではないでしょうか。

ジョー・コール、オーウェン、ドログバなどプレミアリーグのOBたちは、総勢30人というダブついたスカッドを何とかしなければならないといっています。「テレグラフ」のマット・ロウ記者は、オーバメヤン、ルカク、ツィエクなど11人を売り、ジョアン・フェリックスとザカリアは送り返したほうがいいと主張しています。

評論家、記者、ベテランCBは同じことをいっています。彼らの言葉は、経営ボードに届くでしょうか。失敗が多すぎた今季のプレミアリーグを、可能な限り上位で終えることもさることながら、次の夏にいかに立て直すかで、その先の数年の歩き方が変わります。最も重要な打ち手は、「イングランドのフットボールをよく知る敏腕ディレクターに全権を委任すること」でしょう。


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