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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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劇的ゴールは90分、ルーカス・パケタからボーウェン!ウェストハムが58年ぶりの欧州戴冠!

勝てば欧州の覇者であり、来季のヨーロッパリーグ出場決定。敗れれば、プレミアリーグで14位に沈んだ中堅クラブです。2022-23シーズンのヨーロッパカンファレンスリーグ決勝の舞台は、プラハのエデン・アレナ。フィオレンティーナと戦うウェストハムの選手たちが、ピッチに姿を現しました。

プレーオフからセミファイナルまでで13勝1分。唯一無敗のチームは、ヴィオラに次ぐ27ゴールを決める一方で、失点は7に抑えています。チームのトップスコアラーは、6ゴールのマイケル・アントニオ。今シーズンで最も重要な一戦でも、スタメンに名を連ねています。

2列めはベンラーマ、ルーカス・パケタ、ボーウェン、2センターはソーチェクとデクラン・ライス。GKアレオラの前にツォウファル、ズマ、ナイフ・アゲール、エメルソン。ベストメンバーで決戦に臨んだウェストハムは、立ち上がりのアタックをしのいだ後、ルーカス・パケタがカウンターを仕掛けました。

左でもらってカットインしたマイケル・アントニオのミドルは、GKテラッチャーノがキャッチ。9分にマンドラゴラが左足で放ったロングシュートは、右に切れていきます。13分にボックスの入り口から打ったデクラン・ライスのシュートは左にアウト。ここまでチームを牽引してきたキャプテンは、この試合がハマーズでのラストマッチになるかもしれません

26分のCKを叩いたミレンコヴィッチのヘッドは枠にいかず。うまく攻められなかったハマーズは、前半の追加タイムにピンチを迎えます。ニコラス・ゴンザレスのクロスをクオメがヘッドで合わせると、ポストに当たったボールがヨヴィッチの前へ。2度めのヘッドをアレオラがファンブルし、ボールはラインを越えたのですが、レフェリーのジャッジはオフサイドでした。

マイケル・アントニオの最初のシュート以来、オンターゲットがなかったハマーズは、58分にようやくチャンスをつかみました。ツォウファルがボックス右に送ったロングスローを、ボーウェンが胸でトラップ。落ちたボールを処理しようとしたビラーギが手に当ててしまい、オンフィールドレビューを経て下されたジャッジはPKです。

ベンラーマが落ち着いて右に叩き込み、0-1。トロフィーに近づいたプレミアリーグのクラブは、5分後にイーブンに引き戻されました。ボックス右にロングフィードが入り、エメルソンに競り勝ったのはニコラス・ゴンザレス。頭で折り返したボールを収めたボナヴェントゥーラには、ナイフ・アゲールとデクラン・ライスが着いており、コースがあるようには見えません。

右足のワントラップボレーは、コンマ1秒遅れていたら、デクラン・ライスに触れていたでしょう。この一瞬しか成立しなかったスーパーショットは、左のポストの内側に決まりました。1-1となり、70分にラインの裏に出たマイケル・アントニオはオフサイド。72分、グラウンダーを収めたカブラルが後ろに落とすと、マンドラゴラは決定的な一撃を左に外してしまいました。

81分、左からのロングボールを頭で合わせたのはソーチェク。枠に飛んだボールは、テラッチャーノが右に弾き出しました。89分のアムラバトのミドルは、アレオラが右に反応してキャッチ。クライマックスは、この直後でした。GKのキックのクリアから、ハーフラインの手前にいたソーチェクのパスが相手に当たって脇にこぼれ、ルーカス・パケタの足元に入りました。

11番がキープした瞬間、ボーウェンがラインの裏にスプリント。完璧なタイミングで縦のスルーパスが出ると、20番の前にはテラッチャーノしかいません。左足のシュートは、GKの足に当たってゴールへ。大味なアタックが多かったチームにとって、唯一の美しい決定機でした。

9分の追加タイムを守り切ったウェストハムが、1-2でヨーロッパカンファレンスリーグを制覇!今季プレミアリーグ前半戦で2ゴールしか決められず、不振の元凶となったレフティが最も大事なシーンで結果を出してくれました。「前で奪って直線的なカウンター」を武器として、無敗で勝ち上がってきたチームは、自らの得意技で昨季EL4強敗退のリベンジを果たしました。

ハマーズサポーターのみなさん、おめでとうございます!1964-65シーズンのカップ・ウィナーズ・カップ以来、58年ぶりの欧州戴冠。14勝1分という文句なしの戦績で、クラブ史上初となる3年連続の欧州チャレンジを達成しました。61分にズマが負傷リタイアとなってからは、ヴィオラが勝つのではないかと震えていました。最後まで耐えた守備陣にも拍手を送りたいと思います。

2022-23シーズンも、残り1試合となりました。チャンピオンズリーグのファイナルは、マンチェスター・シティVSインテル。ローマがセヴィージャに敗れ、フィオレンティーナもトロフィーに届かなかったイタリア勢は、3つの準優勝という珍記録でシーズンを終えるのでしょうか。

いや、先の話よりもハマーズです。本当に、よかった。ルーカス・パケタのスルーパスを、デヴィッド・モイーズの歓喜を、デクラン・ライスがトロフィーを高々と掲げる瞬間を、10回以上繰り返し見てしまいました。人間は残酷で、勝者と敗者のコントラストが明確なバトルほど、盛り上がってしまうものです。

ブライトン、アストン・ヴィラ、ウェストハムが参加する来季も、プレミアリーグ勢の欧州戦線が楽しみです。はしゃぎすぎて、疲れました。気持ちを切り替えて、今日も1日、がんばりましょう…。


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