偏愛的プレミアリーグ見聞録

アーセナルが、チャンピオンズリーグに帰ってきました。グループステージ開幕戦は、PSVとのホームゲーム。キックオフ直後にラングが左から打ったシュートは、ダヴィド・ラヤがニアに反応してキャッチしています。アルテタ監督の11人は、現在のベストメンバーといっていいでしょう。カイ・ハヴェルツが中盤に復帰し、最前線はガブリエウ・ジェズスです。

GKラヤ、DFベン・ホワイト、サリバ、ガブリエウ、ジンチェンコ。MFデクラン・ライス、ウーデゴーア、カイ・ハヴェルツ、FWサカ、ジェズス、トロサール。右から仕掛けたサカが、ニアのウーデゴーアに預けたのは8分。強烈なミドルをGKベニテスが弾くと、詰めたサカが右足で押し込みました。

11分にもサカが右から上がり、ウーデゴーアにパス。先制ゴールと同じ展開でしたが、キャプテンの選択はオーバーラップしたベン・ホワイトへのパスでした。マンチェスター・ユナイテッド戦を思い出させる絶妙なグラウンダーに、中にいた3人は触れず。17分、ジンチェンコとのパス交換で左サイドに出たトロサールがファーに浮かすと、ジェズスはうまく打てませんでした。

20分のカウンターの起点は、ジェズスです。右でもらったサカがボックスに入って中央に転がすと、トロサールのダイレクトショットが右隅に突き刺さって2-0。24分、右からドリブルで上がったジェズスがサカに預けてボックス右へ。リターンを受けて切り返し、左足を振り抜くと、ベニテスが足でブロックしました。

さらに1分後、トロサールのパスを中央で収めたストライカーは、右隅を狙ったシュートをGKにセーブされています。ガナーズの3点めは38分。ガブリエウの素晴らしいロングフィードでトロサールが左から抜け出すと、ファーでクロスを受けたジェズスがワントラップで左のサイドネットに蹴り込みました。

ハーフタイムは3-0。デクラン・ライスはCBの前でボールを散らし、ウーデゴーアとサカは右サイドを制圧しています。カイ・ハヴェルツは豊富な運動量で攻守に絡んではいるものの、もらいたいタイミングでボールが出てこず、チャンスに絡めませんでした。後半の立ち上がりは、PSVペース。アーセナルは中央に人数を揃え、スペースを消しています。

50分にウーデゴーアの浮き球でラインの裏に出たジェズスは、切り返しをベラ＝コチャンプにカットされました。冨安健洋とネルソンがピッチに入ったのは58分。ジンチェンコとトロサールは、ノースロンドンダービーに向かいます。62分、ボックス左脇で奪い返したネルソンが、脇にいたカイ・ハヴェルツにパス。浮き球をニアで受けた9番のワンタッチは、左ポストの外です。

67分に拍手を送られたのは、プレミアリーグで出場ゼロのスミス・ロウ。ファビオ・ヴィエイラも同時に投入され、ジェズスとサカが役割を終えています。カイ・ハヴェルツが右から突破を図ったのは71分。逆サイドに展開され、スミス・ロウとネルソンがパスを交わすと、中央でもらったウーデゴーアが左に持って角度を付け、完璧なミドルを右のサイドネットに決めました。

4-0の76分、デクラン・ライスに代わってジョルジーニョ。アルテタ監督は、すべての交代を予定通りに完遂したのではないでしょうか。前線でプレイするようになったカイ・ハヴェルツに、移籍後初ゴールを期待したのですが、スミス・ロウとネルソンの積極的なチャレンジばかりが目立っていました。初戦を圧勝で終えたアーセナルは、満を持して宿敵とのダービーに臨みます。

絶好調の左右のウイングは1ゴール1アシスト、レギュラー返り咲きをめざすストライカーはシュート6本で1ゴール。バイタルエリアをうまく使ったアーセナルの会心の勝利でした。12本のシュートを打たれたものの、アタッカーをフリーにさせなかった最終ラインは安心して観ていられました。途中出場の選手たちは、コンディションを上げられたのではないかと思います。

週末は、いよいよノースロンドンダービー。マルティネッリの不在を忘れさせてくれたトロサールと、運動量とデュエルの強度でファビオ・ヴィエイラを上回るカイ・ハヴェルツは、先発のリストに名を連ねるのではないでしょうか。好調のチーム同士のシックスポインターは、激戦必至です。