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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ビッグセーブに阻まれた冨安のボレー…決定機を活かせなかったアーセナル、今季初の敗戦!

今季プレミアリーグで未だ無敗のアーセナルは、久々のチャンピオンズリーグも好スタート。昨季エールディヴィジで2位のPSVに4-0で圧勝しました。RCランスの本拠地スタッド・ボラルト・デレリスで開催される2節も、アルテタ監督はゴールマウスにダヴィド・ラヤを起用。右サイドの冨安健洋以外は、初戦と同じ顔ぶれです。

GKラヤ、DF冨安健洋、サリバ、ガブリエウ、ジンチェンコ。MFデクラン・ライス、ウーデゴーア、カイ・ハヴェルツ、FWサカ、ジェズス、トロサール。プレミアリーグと同様に、アーセナルは厳しいプレスでパスコースを切っています。ホームチームの最初のチャンスは4分。CKのこぼれ球を叩いたダンソの左足のシュートは、右のポストの脇を抜けていきました。

序盤はランスのペース。ジンチェンコが不在のサイドを突く速いアタックは要注意です。押していたホームチームは、13分に痛いミスから失点を喫してしまいました。トマソンの不用意なバックパスをさらったのはサカ。すかさず中央のジェズスにパスを通すと、ボックス手前からのきれいなシュートが左隅に決まりました。

20分にボックス左に浮かしたのは、ジンチェンコ。落下点に走り込んだカイ・ハヴェルツの左足ボレーは、GKサンバがかろうじて左腕でセーブしました。29分にランスが仕掛けた直線的なアタックは、やはり右サイド。フランコフスキのクロスをニアで合わせたトマソンのボレーは、クロスバーを越えていきました。

25分、ボックスから出たラヤが右にロングフィードを入れると、冨安の背後で奪ったマチャドが前線のエリー・ワイに預けます。落としをフリーで受けたトマソンの一撃は、ラヤの指先を抜けて右のサイドネットへ。30分にオーバーラップした冨安を使ったサカは、足を痛めて座り込んでしまいました。代わって入ったのは、ファビオ・ヴィエイラです。

7番がいなくなってからのアーセナルは、左サイド偏重になっています。久々に冨安が絡んだ45分の右からの崩しは、クロスを入れられず。2分後、右サイドのFKからウーデゴーアがクロスを上げると、ファーで待っていたジェズスのハーフボレーは浮いてしまいました。前半は1-1。プレミアリーグで優勝を争うクラブは、3本しかシュートを打てませんでした。

ジェズスが奪った48分のショートカウンターは、カイ・ハヴェルツからのラストパスをボックス左で受けたトロサールが、切り返して右足でシュート。決まったかと身を乗り出した瞬間、ボールはDFにヒットしてGKサンバの懐に収まりました。54分、マチャドのアーリークロスに飛び込んだのはトマソン。ニアからの右足アウトのボレーは、枠にいきません。

サイドに出した後、うまくつながらないアーセナル。64分にガブリエウの縦パスをインターセプトされ、右から抜け出したトマソンの折り返しがサメドに届くも、フリーのダイレクトショットは右ポストをこすって外を抜けていきました。66分のCKに走り込んだ冨安の決定的なボレーは、サンバが足に当てるビッグセーブでしのいでいます。

ランスの勝ち越しゴールは69分。決め手はやはり、ジンチェンコのサイドを突破したフランコフスキのクロスでした。サリバとガブリエウが相手を見ずに下がったため、デクラン・ライスとCBの間のスペースに入ったエリー・ワイはフリー。右足のラストタッチは完璧で、ラヤが伸ばした右手の先を抜けていきました。

2-1となった直後、アルテタ監督は3枚代えを敢行。ジンチェンコ、カイ・ハヴェルツ、トロサールと左サイドが全員下がり、ベン・ホワイト、ネルソン、スミス・ロウです。リードしたランスは自陣に引いており、ガナーズの最終ラインが出しどころを模索する時間が続いています。指揮官の最後のカードは80分、ウーデゴーアに代えてエンケティアです。

85分、カットされたボールをボックス右手前で奪い返したスミス・ロウは、無回転シュートをサンバにセーブされました。89分にスミス・ロウのパスをボックス右で受けたエンケティアは、迷わず中のネルソンにグラウンダー。右足でプッシュしたボールは、グラディにブロックされ、4分の追加タイムに突入しました。

再三のCKは味方に届かず、チャンスなきままタイムアップ。アーセナルは追いつけず、今季公式戦で初の敗戦です。敗因を挙げてみましょう。強引すぎたラヤのキック、機能しなかった左サイド、サンバのビッグセーブ連発、ジンチェンコの背後の守り方、逆転のシーンで9番を見なかったサリバ…。最大の理由は「決定力」、あるいは「左サイドを改善できなかった」でしょうか。

トロサールはデュエル3勝6敗、カイ・ハヴェルツは3勝10敗。70分の左サイド刷新は、アイデア自体はいいとしても、遅かったように思います。冨安のボレーが30cm、左にいっていれば。あるいはトロサールが…。決定的なシュートのこぼれ球がことごとく相手に渡った後半は、何度も「たら・れば」を呑み込む時間でもありました。

敗れたとはいえアウェイで、セヴィージャとPSVを上回る2位なら慌てることはありません。気を取り直して、週末のマン・シティ戦に向かいましょう。なかなか相手を崩せないチームを見ながら、こう思いました。アルテタ率いるガナーズは、主力を欠くと厳しくなるチームであることは変わっていない。絶好調のサカ、ジェズス、マルティネッリが揃ったゲームを早く観たい、と。


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