偏愛的プレミアリーグ見聞録

明暗分かれるチャンピオンズリーグは、前年王者のマンチェスター・シティが4連勝で早々に勝ち抜けを決め、3勝1敗のアーセナルもランスにホームで勝てば首位通過決定。順調に勝利を重ねている昨季プレミアリーグ2強に対して、ドルトムントに連敗のニューカッスルは1勝1分2敗、コペンハーゲンに逆転されたマンチェスター・ユナイテッドは1勝3敗と大ピンチです。

昨夜はヨーロッパリーグとヨーロッパカンファレンスリーグ。開幕から3連勝のリヴァプールだけが敗れ、ウェストハム、ブライトン、アストン・ヴィラが全勝という結果は予想できませんでした。プレミアリーグのルートン戦でまさかのドローに終わったリヴァプールは、トゥールーズに勝てばノックアウト進出決定だったのですが…。

ルイス・ディアス、ガクポ、ベン・ドークを前線に並べたクロップ監督は、遠藤航、エリオット、ツィミカス、クアンサー、ジョー・ゴメス、ケレハーを先発で起用しています。開始4分の左からのFKをガクポがニアに入れると、ジョー・ゴメスのバックヘッドはクロスバーにヒット。サブの選手が主体ながら、ポゼッションを取って攻めています。

対するトゥールーズは、ラインを下げて速攻狙い。序盤から再三、ツィミカスのサイドを突破しようとしています。13分のFKから、エリオットが放った強烈なミドルは、中央に絞っていたデスラーがブロック。右のベン・ドークが果敢にチャレンジした17分のアタックは、ジョー・ゴメスのクロスのこぼれ球に反応したマック・アリスターが、ボレーを打ち上げました。

28分に右から上がったシュミットのアーリークロスがゴール前に上がると、左から中に入ったスアソのボレーはうまく当たらず、左ポストの外。35分の先制ゴールは、敵陣でツィミカスから奪ったドヌムがゴール前に持ち込み、左足を振り抜いたシンプルなアタックでした。38分に右からカットインしたエリオットのシュートは、ニコライセンがヘッドでクリアしています。

前半が1-0で終わると、ホームサポーターは大歓声。クロップ監督はハーフタイムでベン・ドーク、遠藤航、ツィミカスを下げ、サラー、アーノルド、ショボスライを入れています。ツィミカスを外したのは左サイドの止血処理、遠藤はビルドアップでもらえる位置に動けず、ラフなチャージでイエローをもらったからでしょう。

後半開始からしばらくは、トゥールーズが攻勢。50分にケレハーとの1対1からネットを揺らしたダリンガは、マティプへのファールでノーゴールとされました。2点めは58分、左サイドのルイス・ディアスを3人でつぶした後、シエロが迷わずアーリークロス。足元に収めたダリンガのシュートコースをマティプは切れず、左隅に打った完璧な一撃がポストの内側に決まりました。

2-0とされたレッズはすかさず反撃。サラーは中央にポジションを変えています。ようやく1点を返したのは、ガクポをダルウィン・ヌニェスに代えた直後の74分。アーノルドのサイドチェンジをジョー・ゴメスがヘッドで右ポスト際に送ると、ニコライセンと重なったカセレス・ジュニアが腕で枠に押し込んでしまいました。

レッズの逆転もあるかと思われた76分、右のドヌムのサイドチェンジをダリンガが左足で折り返すと、アーノルドに触れてコースが変わったボールをケレハーが左に弾きました。右からこぼれ球に詰めたのは、途中出場のマグリ。右足インサイドの丁寧なフィニッシュがニアポストぎりぎりに決まりました。

残り12分で2点差は、厳しいギャップです。88分のショボスライの強烈なミドルはレステがセーブ。マック・アリスターからパスをもらったジョッタが、ドリブルで左にまわり込んで左足で叩き込んだのは、89分になってからでした。7分の追加タイムの猛攻及ばず。レッズの勝ち抜け決定は、次節に持ち越しとなりました。

ポゼッション72%と中盤を支配しながら、左サイドからの侵入を抑えきれず3失点。ロバートソンが復帰する年明けまで、左の守備はやっかいな課題となる可能性があります。ジョー・ゴメスを定着させるか、CBか中盤から誰かをまわすか。今、思えば、ジェームズ・ミルナーは得難い存在でした。週末のブレントフォード戦は、最終ラインの並びに注目したいと思います。