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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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負傷者8人のニューカッスルは、交代策ゼロで90分までパリに0-1でリード…惜しかった!

ポープ、トリッピアー、ラッセルズ、シェア、リヴラメント、マイリー、ブルーノ・ギマランイス、ジョエリントン、アルミロン、イサク、アンソニー・ゴードン。チャンピオンズリーググループステージ5節、パリ・サンジェルマンとの決戦に臨むニューカッスルは、4-1完勝のチェルシー戦と同じ顔ぶれです。

ドルトムントに連敗し、1勝1分2敗で最下位。敵地パルク・デ・プランスで負けたら、欧州最高峰の大会に別れを告げることになります。ベンチにいる8人のうち、GKが3人、アカデミーの若手が3人。ゲームチェンジャーとして起用できるのは、ルイス・ホールとドゥメットだけです。直近の公式戦8試合を7勝1敗で駆け抜けたリーグアン王者は、序盤からサイドを制圧しています。

4分に右サイドを突破したのはウスマン・デンベレ。ファーに上がったクロスに合わせたイ・ガンインの左足ボレーは当たり損ねで、こぼれ球に先着したファビアン・ルイスは打ち上げてしまいました。17歳のマイリーが右から仕掛けた7分のアタックは、ボックス右でキープしたイサクのヒールパスがゴールラインを割っています。

9分にワンツーで右から抜けたハキミが、ポープが出られないコースにグラウンダーをフィード。ニアに走り込んだムバッペがスパイクの裏でコースを変えると、守護神が足でブロックしました。アウェイチームの決定機は12分、敵陣左サイドでハキミから奪ったアルミロンの選択は、ゴールライン際からニアに速いクロス。フリーだったイサクのタッチは浮いてしまいました。

23分の左からのFKはイ・ガンイン。ファーで待っていたデンベレの右足ボレーは、バーを越えていきます。25分、左サイドのリヴラメントがドリブルで中央に斬り込み、右のアルミロンに預けると、左隅に飛んだシュートをドンナルンマがファンブル。詰めたイサクが押し込み、ニューカスルが先制しました。

昨季プレミアリーグで最少となる33失点の堅守のチームは、ボトマン不在の最終ラインでリードを守り切れるでしょうか。ハキミの突破に悩まされていた30分過ぎに、エディ・ハウ監督がイサクを呼んで指示を与えています。左のジョエリントンが自陣で奪われたのは32分。ドリブルでカットインしたデンベレが放った左隅へのシュートは、ポープが冷静に外に弾き出しました。

44分のショートコーナーから、ボックスの外でパスを受けたファビアン・ルイスのミドルはGKの正面。追加タイム3分にムバッペがボックス左に抜け、フリーのデンベレにクロスが通るも、左足のボレーはシェアが体に当てています。前半のシュート数は14対3、しかしスコアは0-1。ニューカッスルにとってはいい展開ですが、45分を守り切るのは簡単なタスクではありません。

後半の立ち上がりは速攻の応酬。左から仕掛けるムバッペに、アウェイチームは2人で対応しています。アルミロンとアンソニー・ゴードンを走らせるロングフィードは通らず、55分を過ぎてもハーフコートマッチ。4-3でバイタルエリア周辺を埋めるニューカッスルに対して、パリは横、横が続いています。

56分、右にまわっていたイ・ガンインの縦パスをコロ・ムアニがラインの裏に流すと、デンベレがポープと1対1。右足のラストタッチは、間合いを詰めた守護神が体に当てました。59分、ドリブル突破を図ったアンソニー・ゴードンをシュクリニアルが引っかけ、ボックス左手前からFK。名手トリッピアーは壁にぶつけてしまい、CKです。

ルイス・エンリケ監督は、62分にコロ・ムアニとイガルテを下げ、ヴィチーニャとバルコラを投入。この交代策で、ムバッペはセンターにまわっています。66分、右サイドを崩したムバッペが中央に完璧なグラウンダー。バルコラが合わせて決まりかと思いきや、ポープが右に弾き出すビッグセーブでチームを救いました。

さらに67分、ムバッペがヒールで流す巧みなスルーパス。ポープと向き合ったバルコラのフィニッシュは、ニアポストの外です。残り20分を切ってもパリの猛攻が続き、アウェイチームは専守防衛。ボールを持って敵陣に侵入するシーンは、ほとんどありません。82分、リュカ・エルナンデスの高速クロスをニアで叩いたデンベレのボレーは、ポストの外を抜けていきました。

87分、ボックス右でシェアを体で弾き飛ばしたムバッペが連打。1本めをポープが弾くと、2本めはゴール前を横切って左に切れていきました。90分を過ぎても0-1。サン・シーロではドルトムントがミランに1-3で勝っており、8分の追加タイムを守り切ればニューカッスルは2位に浮上します。疲労困憊のイサクは前から追えず、クリアしたボールはすぐに戻ってきます。

パルク・デ・プランスが騒然としたのは、デンベレが右から仕掛けた95分。クロスに詰めたリヴラメントの胸で跳ねたボールが腕に当たり、パリの選手たちがレフェリーを囲んでいます。オンフィールドレビューを経て、ジャッジはPK。ムパッペが決めてイーブンになったゲームは、そのままタイムアップを迎えました。

いやー、惜しかった…!まずは交代ゼロで戦い抜いたマグパイズの選手たちを称えたいと思います。勝ち点5で3位となり、勝ち抜けの可能性を残しました。最終節のセント・ジェームズ・パークでミランに勝ち、ホームで戦うドルトムントがパリにドロー以上なら、ノックアウトラウンドに進むことができます。ドイツのクラブが消化試合を真剣に戦うという条件付きですが…。

パリがホームで勝てなかった理由のひとつは、ニック・ポープのビッグセーブ連発ですが、根本的な原因は相手の弱点を突くアイデアがなかったことでしょう。ニューカッスルは、前線からプレスをかける一方で最終ラインはさほど上がらないので、中盤との間に大きなスペースが空くシーンが目立っていました。パリがここに誰かを入れれば、決定機は増えたはずです。

しかしホームチームの前線は、全員が4バックに張り付いてしまったため、後ろから効果的な縦パスを出せず。中盤の選手がドリブルで持ち上がっている間に、スペースを埋められてしまいました。ボックスにバスを停められる前に、崩し方を工夫していれば、3ポイントをゲットできていたのではないでしょうか。

何はともあれ、パリに1勝1分と大健闘のマグパイズを最後まで応援し続けたいと思います。死のグループで互角に渡り合っているチームに、熱きサポーターたちも納得しているでしょう。12月13日のミラン戦までに、ボトマン、ロングスタッフ、ハーヴィー・バーンズは戻ってくる見通しです。3ポイントかスコアレスドローならELは確定。ぜひ快勝を!(ニック・ポープ 写真著作者/Кирилл Венедиктов)


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