2024.04.10 チャンピオンズリーグ2023-24チャンピオンズリーグ
決定機を逃した直後に自陣でミス…いつもの冷静さを欠いたアーセナル、悔やまれる2-2ドロー!
ドルトムントにホームで0-2で敗れた後、ハイデンハイムに2-0から逆転負け。ブンデスリーガで連敗し、12年ぶりにトロフィーを失おうとしているバイエルンはマズラウィを欠き、コマンとゲレイロはベンチスタートです。チャンピオンズリーグ準々決勝ファーストレグ。ノースロンドンでドイツ王者を迎え撃つアーセナルにとっては、絶好のチャンスです。
アルテタ監督の11人は、ベストメンバーといっていいでしょう。GKラヤ、DFベン・ホワイト、サリバ、ガブリエウ、キヴィオル、MFジョルジーニョ、デクラン・ライス、ウーデゴーア、FWサカ、カイ・ハヴェルツ、マルティネッリ。2024年のプレミアリーグで10勝1分と好調のチームは、ポルト戦から435分間、無失点を続けています。
最前線にハリー・ケイン、左右にレロイ・サネとニャブリ、CBにはエリック・ダイアー。プレミアリーグファンがよく知る顔ぶれを揃えたバイエルンは、立ち上がりから攻勢です。ハリー・ケインとエリック・ダイアーにボールが入るたびに、グーナーのブーイング。慎重に立ち上がったアーセナルの最初のチャンスは、7分のショートカウンターでした。
サカが敵陣で奪い、カイ・ハヴェルツ、ウーデゴーア、マルティネッリと中央でつなぐと、11番の左足シュートは右にアウト。両手を広げてスタンドを煽るマルティネッリは、再三左から仕掛けています。ウーデゴーアの浮き球が、サカに足元に落ちたのは12分。右サイドでの競り合いから、ベン・ホワイトのパスを受けたサカは、中央に斬り込んで左足を振り抜きました。
左のサイドネットにボールが飛び込んだ瞬間、グーナーが絶叫。先制したアーセナルは、16分にも決定機をつかみます。ウーデゴーアのロングフィードのクリアを拾ったカイ・ハヴェルツが、右から上がったベン・ホワイトにラストパス。ノイアーと1対1になったSBは、シュートを正面に打ってしまい、2点めは決まりませんでした。
アーセナルの快勝ペースかと思われた18分、左サイドでのミスがきっかけとなり、アウェイチームが同点に追いつきます。ラヤとの連携がうまくいかず、何とかボールをキープしたガブリエウがキヴィオルへの縦パスをミス。サネのパスで、デクラン・ライスの裏に入ったレオン・ゴレツカが、サリバとガブリエウの間にスルーパスを通しました。
中央に入って右足でプッシュしたのはニャブリ。ベン・ホワイトのチャージは及びませんでした。堅守のアーセナルらしくない軽率なプレイからの失点。22分のFKの流れから、マルティネッリがクロスを入れると、キヴィオルのヘッドはノイアーの正面です。27分のCKでニアのサリバが競り勝ち、混戦になりますが、ガナーズの選手たちは触れずノイアーが懐に収めています。
30分、右サイドでキヴィオルを抜いたサネが、ハーフライン手前から一気にゴール前へ。ジョルジーニョは追いつけず、ガブリエウは1発で滑ってかわされ、サリバの足がかすかに触れた瞬間、ウインガーはバランスを失い転倒しました。ジャッジはPK、スポットに立つハリー・ケインにブーイング。スパーズから移籍したエースは、ラヤの逆を取って右に流し込みました。
35分のカウンターでもサネに裏を取られますが、ウーデゴーアとベン・ホワイトが戻って何とかストップ。ホームタウンでグーナーに囲まれながら、なぜマン・シティ戦のように冷静になれないのか。42分のサカの素晴らしいCKも、先に触れず。ポゼッション62%、シュート数9対2と優勢だったアーセナルは、ビハインドを背負って後半のキックオフを迎えています。
アルテタ監督は、キヴィオルを下げてジンチェンコを投入。中盤を支配して攻めつぶすのか、サネとニャブリを止められずに崩壊するのか。サイドの攻略をめざすアーセナルはクロスが味方に届かず、50分の左からのFKは、デクラン・ライスが直接狙ったボールがクロスバーを越えていきました。
ハリー・ケインが左のニャブリに展開したのは57分。中央でつなぎ役となったムシアラからレオン・ゴレツカにつながると、右足のミドルは左に逸れていきます。61分に左で奪ったジョルジーニョが、中央に出したパスを奪われたピンチは、ライマーがミドルを浮かしたため、致命的な失点には至りません。
65分の速攻は、サネのパスを受けたニャブリがボックス左から放ったシュートが枠の上。66分にマルティネッリとジョルジ―ニョが下がり、ガブリエウ・ジェズスとトロサールが前線に入っています。直後、ボックス右でキープしたジェズスが中央に流すと、デクラン・ライスのダイレクトショットはブロックされました。
残り20分を切っても1-2。ジンチェンコの前線へのフィードは、効果的とはいえません。右サイドで短いパスがつながった76分、ボックス右でサカのパスを収めたジェズスが巧みなタッチでチェックをかわし、脇にいたトロサールにラストパス。右足の一撃がノイアーの右手をかいくぐってネットを揺らした瞬間、グーナーの絶叫が炸裂しました。
2-2となると、展開は一変。テンションが上がったスタンドは、自陣に引いたチームを見つめています。85分、カイ・ハヴェルツに代わってトーマス。89分に左から仕掛けたムシアラがニアにグラウンダーを通すと、右足アウトで合わせたコマンのフィニッシュはポストを叩きました。パスもトラップもミスが続くアーセナルは、打てる形を創れません。
トーマスの縦のスルーパスで、サカが右から抜け出したのは95分。ノイアーと交錯して転倒した7番は、自ら足を引っかけにいったと見做されたのでしょう。ホームで2-2は満足できる結果ではありませんが、悲観しなくてもいいでしょう。ポゼッション59%対41%、シュート数13対8、オンターゲット4対2。アウェイの雰囲気に呑まれなければ、互角に戦えるはずです。
ターニングポイントは、ベン・ホワイトのシュートからニャブリが決めるまでの2分間。2-0にするチャンスを逃したホームチームは、自らのミスで1-1にしてしまいました。自陣ボックス付近のパスコースとスペースを丁寧に消し、左右のウイングが速攻を仕掛けるバイエルンの戦い方は、ジョルジーニョを活かしづらく、マルティネッリとカイ・ハヴェルツはデュエルで劣勢でした。
アリアンツ・アレナのセカンドレグで求められるのは、いつものプレイを貫くこと。ミスが目立ったガブリエウとベン・ホワイトには、巻き返しを期待しましょう。サイドアタックとミドルシュートがやっかいなチームを封じる布陣として、左SBに冨安健洋、中盤はトーマス、デクラン・ライス、ウーデゴーアがいいのではないかと思います。
ところで、アストン・ヴィラ戦が日曜日の16時30分キックオフというのは、古い情報でしょうか。チャンピオンズリーグを控えたチームは、土曜日にまわしてもらえればと切に願います。残留争いを続けるケルンと戦うバイエルンは、中3日のホーム連戦ですが…。(レアンドロ・トロサール 写真著作者/Supporterhéninois)
アルテタ監督の11人は、ベストメンバーといっていいでしょう。GKラヤ、DFベン・ホワイト、サリバ、ガブリエウ、キヴィオル、MFジョルジーニョ、デクラン・ライス、ウーデゴーア、FWサカ、カイ・ハヴェルツ、マルティネッリ。2024年のプレミアリーグで10勝1分と好調のチームは、ポルト戦から435分間、無失点を続けています。
最前線にハリー・ケイン、左右にレロイ・サネとニャブリ、CBにはエリック・ダイアー。プレミアリーグファンがよく知る顔ぶれを揃えたバイエルンは、立ち上がりから攻勢です。ハリー・ケインとエリック・ダイアーにボールが入るたびに、グーナーのブーイング。慎重に立ち上がったアーセナルの最初のチャンスは、7分のショートカウンターでした。
サカが敵陣で奪い、カイ・ハヴェルツ、ウーデゴーア、マルティネッリと中央でつなぐと、11番の左足シュートは右にアウト。両手を広げてスタンドを煽るマルティネッリは、再三左から仕掛けています。ウーデゴーアの浮き球が、サカに足元に落ちたのは12分。右サイドでの競り合いから、ベン・ホワイトのパスを受けたサカは、中央に斬り込んで左足を振り抜きました。
左のサイドネットにボールが飛び込んだ瞬間、グーナーが絶叫。先制したアーセナルは、16分にも決定機をつかみます。ウーデゴーアのロングフィードのクリアを拾ったカイ・ハヴェルツが、右から上がったベン・ホワイトにラストパス。ノイアーと1対1になったSBは、シュートを正面に打ってしまい、2点めは決まりませんでした。
アーセナルの快勝ペースかと思われた18分、左サイドでのミスがきっかけとなり、アウェイチームが同点に追いつきます。ラヤとの連携がうまくいかず、何とかボールをキープしたガブリエウがキヴィオルへの縦パスをミス。サネのパスで、デクラン・ライスの裏に入ったレオン・ゴレツカが、サリバとガブリエウの間にスルーパスを通しました。
中央に入って右足でプッシュしたのはニャブリ。ベン・ホワイトのチャージは及びませんでした。堅守のアーセナルらしくない軽率なプレイからの失点。22分のFKの流れから、マルティネッリがクロスを入れると、キヴィオルのヘッドはノイアーの正面です。27分のCKでニアのサリバが競り勝ち、混戦になりますが、ガナーズの選手たちは触れずノイアーが懐に収めています。
30分、右サイドでキヴィオルを抜いたサネが、ハーフライン手前から一気にゴール前へ。ジョルジーニョは追いつけず、ガブリエウは1発で滑ってかわされ、サリバの足がかすかに触れた瞬間、ウインガーはバランスを失い転倒しました。ジャッジはPK、スポットに立つハリー・ケインにブーイング。スパーズから移籍したエースは、ラヤの逆を取って右に流し込みました。
35分のカウンターでもサネに裏を取られますが、ウーデゴーアとベン・ホワイトが戻って何とかストップ。ホームタウンでグーナーに囲まれながら、なぜマン・シティ戦のように冷静になれないのか。42分のサカの素晴らしいCKも、先に触れず。ポゼッション62%、シュート数9対2と優勢だったアーセナルは、ビハインドを背負って後半のキックオフを迎えています。
アルテタ監督は、キヴィオルを下げてジンチェンコを投入。中盤を支配して攻めつぶすのか、サネとニャブリを止められずに崩壊するのか。サイドの攻略をめざすアーセナルはクロスが味方に届かず、50分の左からのFKは、デクラン・ライスが直接狙ったボールがクロスバーを越えていきました。
ハリー・ケインが左のニャブリに展開したのは57分。中央でつなぎ役となったムシアラからレオン・ゴレツカにつながると、右足のミドルは左に逸れていきます。61分に左で奪ったジョルジーニョが、中央に出したパスを奪われたピンチは、ライマーがミドルを浮かしたため、致命的な失点には至りません。
65分の速攻は、サネのパスを受けたニャブリがボックス左から放ったシュートが枠の上。66分にマルティネッリとジョルジ―ニョが下がり、ガブリエウ・ジェズスとトロサールが前線に入っています。直後、ボックス右でキープしたジェズスが中央に流すと、デクラン・ライスのダイレクトショットはブロックされました。
残り20分を切っても1-2。ジンチェンコの前線へのフィードは、効果的とはいえません。右サイドで短いパスがつながった76分、ボックス右でサカのパスを収めたジェズスが巧みなタッチでチェックをかわし、脇にいたトロサールにラストパス。右足の一撃がノイアーの右手をかいくぐってネットを揺らした瞬間、グーナーの絶叫が炸裂しました。
2-2となると、展開は一変。テンションが上がったスタンドは、自陣に引いたチームを見つめています。85分、カイ・ハヴェルツに代わってトーマス。89分に左から仕掛けたムシアラがニアにグラウンダーを通すと、右足アウトで合わせたコマンのフィニッシュはポストを叩きました。パスもトラップもミスが続くアーセナルは、打てる形を創れません。
トーマスの縦のスルーパスで、サカが右から抜け出したのは95分。ノイアーと交錯して転倒した7番は、自ら足を引っかけにいったと見做されたのでしょう。ホームで2-2は満足できる結果ではありませんが、悲観しなくてもいいでしょう。ポゼッション59%対41%、シュート数13対8、オンターゲット4対2。アウェイの雰囲気に呑まれなければ、互角に戦えるはずです。
ターニングポイントは、ベン・ホワイトのシュートからニャブリが決めるまでの2分間。2-0にするチャンスを逃したホームチームは、自らのミスで1-1にしてしまいました。自陣ボックス付近のパスコースとスペースを丁寧に消し、左右のウイングが速攻を仕掛けるバイエルンの戦い方は、ジョルジーニョを活かしづらく、マルティネッリとカイ・ハヴェルツはデュエルで劣勢でした。
アリアンツ・アレナのセカンドレグで求められるのは、いつものプレイを貫くこと。ミスが目立ったガブリエウとベン・ホワイトには、巻き返しを期待しましょう。サイドアタックとミドルシュートがやっかいなチームを封じる布陣として、左SBに冨安健洋、中盤はトーマス、デクラン・ライス、ウーデゴーアがいいのではないかと思います。
ところで、アストン・ヴィラ戦が日曜日の16時30分キックオフというのは、古い情報でしょうか。チャンピオンズリーグを控えたチームは、土曜日にまわしてもらえればと切に願います。残留争いを続けるケルンと戦うバイエルンは、中3日のホーム連戦ですが…。(レアンドロ・トロサール 写真著作者/Supporterhéninois)
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