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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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激痛だったウェズレイ・フォファナの長期離脱…チェルシーが直面する2つのリスク。

ポチェッティーノ監督にとっても、クラブにとってもウェズレイ・フォファナの負傷は激痛です。プレミアリーグ2023-24シーズンのプランに影響を及ぼすだけでなく、今後の彼のキャリアにも暗い影を落とす可能性が生じています。

22歳のフランス代表CBがレスターからチェルシーに移籍したのは、2022年の夏でした。移籍金は、2018年のファン・ダイクに迫る7000万ポンドと500万ポンドのアドオン。その2年前、サンテテイエンヌからレスターに移籍した際は3000万ポンドで、プレミアリーグで37試合に出場しただけで2倍以上に跳ね上がったという計算になります。

結果論ではなく、彼にビッグマネーを投じるのはリスキーではあったといわざるをえません。サンテテイエンヌで頭角を現した2019-20シーズンは、膝の負傷でリーグアンの出場は14試合のみ。レスターに入団して2年めの2021-22シーズンは、腓骨骨折でシーズンの大半を失い、プレミアリーグ出場は7試合に留まっています。

チェルシーに加わる前の4年で、シーズンを通じて活躍したのは1年のみ。負傷欠場がなかったシーズンはありません。これを気にして、リストから除外したクラブもあったはずです。スタンフォード・ブリッジの初年度も、チャンピオンズリーグのミラン戦で初ゴールをゲットした後、膝を痛めてリタイア。プレミアリーグ17試合、CL5試合は納得できる数字ではないでしょう。

2年めが勝負と意気込んでいた矢先に、またもケガでリタイア。今回は、過去のトラブルを上回る重傷です。前十字靭帯断裂で、即手術。最終ラインの主軸と目されていたCBは、1試合も出られずにシーズンを終えてしまうかもしれません。骨折なら癒えればOKですが、靭帯の損傷は運動能力に影響を及ぼす可能性があります。

こうなると、チェルシーは2つのリスクへの対応を迫られます。ひとつは、最終ラインの補強。今年のトランスファーマーケットは、ワールドクラスと評されるCBの候補が少なく、「ガーディアン」のジェイコブ・スタインバーグ記者は「クリスタル・パレスのマーク・グエイを買い戻す可能性がある」と報じています。

リヴァプールのターゲットといわれているシェイク・ドゥクレに、7000万ポンドという高額のタグを付けたと伝えられるクラブは、イングランド代表に選ばれた23歳のCBにも同じことをしそうです。「デイリー・メール」は、6000万ポンドを要求されるとレポート。これが事実なら、1800万ポンドで売ったブルーズは、3倍以上の費用で取り戻すことになります。

もうひとつのリスクは、少し先の話になりますが、フォファナの処遇です。完全復帰に時間がかかったり、さらなる負傷で出場機会を増やせなかったりすると、2029年までの長期契約が足枷になる可能性が高まります。ミラン、モナコ、ナポリ、ミランで5年を過ごしたバカヨコの悲劇を繰り返すのは、クラブも本人も避けたいところでしょう。

今はただ、強くなって帰ってきてほしいとしかいえません。クリバリ、フォファナ、アスピリクエタを失ったクラブは、38歳のチアゴ・シウヴァ、ハムストリングを痛めているバディアシル、放出候補だったトレヴォ・チャロバー、経験値が低いコルウィルの4人で開幕に向かっています。

カイセドに8000万ポンドを用意したクラブは、想定外の出費をどこまで許容するのでしょうか。マグワイア、ラポルテ、ホールディング、ナット・フィリップス、ダヴィンソン・サンチェス…プレミアリーグのライバルからの調達はないでしょう。オーバメヤンの売却が決まった後、彼らの動きを追いかけたいと思います。


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