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指揮官解任では変わらない?現地記者が語る「ポチェッティーノのチェルシーが停滞し続ける理由」

It’s time to change. If you wait any longer it will be too late」。これ以上待つと手遅れになると発信したのは、ベル・シウヴァ。チェルシーの最終ラインを束ねるチアゴ・シウヴァのパートナーです。3万の「いいね!」と、あなたがマネージャーをやるべきという声を集めたポストは、現地メディアの話題となっています。

投稿されたのは2月5日。ウルヴスに2-4で敗れた試合が終わろうとしていた時間です。リヴァプール戦に続く4失点の完敗。ボクシングデー以降の7試合を5勝1分1敗と、巻き返しの気配を漂わせていたチェルシーは、またもやプレッシャーに苛まれています。しかし、マウリシオ・ポチェッティーノ監督を解任すれば、状況は好転するのでしょうか?

「チェルシーのベストプレーといえるリヴァプール、アーセナル、マンチェスター・シティとのホームのドローは、すべてシーズン序盤の3ヵ月にもたらされたものだ。対してニューカッスル、マンチェスター・ユナイテッド、ミドルズブラ、リヴァプールとの最悪のアウェイと、ホームのウルブス戦はすべて直近の3ヵ月。これらは改善ではなく、悪化を示している」

新たな指揮官の就任から半年の戦いについて、端的に表現した「アスレティック」のサイモン・ジョンソン記者は、ポッターが指揮を執っていた1年前と同じ31ポイントであることを伝えつつ、「ポチェッティーノは、プレシーズンすべてをチームと連携をとって過ごし、ヨーロッパがないため試合数が減るという恩恵を受けている」と指摘しています。

「選手が15~16人も入れ替わっているのに、どうやって比較するんだ?」。指揮官は、前年を持ち出されるのを嫌がっていますが、夏のマーケットで4億ポンドを投じた効果が見当たらなければ、当然突っ込まれるでしょう。それでも、チェルシーの不振の理由を探るメディアの多くはは、ポチェッティーノ解任はないと見ているようです。

主な理由は、「違約金の支払いによってPSR違反のリスクが高まる」「大量の負傷者が考慮されている」。確かに、キャプテンのリース・ジェームズと副キャプテンのチルウェルをはじめ、フォファナ、ラヴィア、ククレジャらを欠いたことは、不安定な守備を改善できなかった要因のひとつではあるでしょう。

とはいえ、負傷者が多いだけで勝てなくなるなら、リヴァプールはもっと下にいるはずです。現地のジャーナリストやメディアの記者は、現有戦力にも停滞の種があると指摘しています。「デイリー・メール」のサミ・モクベル記者は、ジョン・テリー、ランパード、ペトル・チェフといった精神的支柱となる存在の不足と、選手たちのマインドを問題として挙げています。

「コブハムのヘッドクォーターでは、チームのモラルが著しく低いといわれている。トップチームに近い関係者は、選手たちはトレーニングが終わるとさっさと帰ってしまう雰囲気があり、さらなるワークのために残る者はほとんどいないと語っている。チームが分析した情報を受け取る能力に懸念がある選手や、批判的なフィードバックを受け入れるのが困難な選手もいるようだ」

戦術理解については、前出のサイモン・ジョンソン記者も、「ドレッシングルームに近いソースには、人間関係を守るために匿名で『アスレチック』紙に語る者もいる。ある人物は、戦術的要素に関するコーチングは限られており、選手たちは基本的に即興でプレイしていると語っていた。そんなことはないという声もあるが…」とレポートしています。

「デイリー・メール」によると、マリーナ・グラノフスカヤという有能なディレクターが全体を統括していたアブラモヴィッチ時代とは違い、現在は複数のリクルーティング担当者が異なる観点で選手を引き入れているとのこと。ニューフェイスの戦術理解度はまちまちで、これまでの明確なプレーパターンから複雑な世界に飛び込み、戸惑っている若手もいるようです。

これらの話がどこまで事実かはわかりませんが、少なくともいえるのは、「チームのコンセプトと必要な人材の要件を明確にしなければ、誰が監督でも苦しみ続ける可能性がある」ということでしょう。次の夏には、失敗だった補強はいさぎよく認め、新たな選手とスイッチする必要もありそうです。

逆転勝利がカラバオカップのウィンブルドン戦、後半開始早々にひっくり返したバーンリー戦、9人VS11人のトッテナム戦しかないのは、指揮官のジャッジの遅れか、手駒不足か、あるいは選手たちの経験値やモチベーションの欠如か。いずれにしても、軌道に乗るまでには時間がかかりそうです。ここは指揮官のスパーズでの実績を信じて、任せるのが良策なのではないでしょうか。


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