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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

現地記者が必死にチャレンジ!「マンチェスター・シティが優勝できない理由をひねり出してみる」

リヴァプールがアーセナルに敗れ、2位のマンチェスター・シティが「隠れ1位」になっています。クラブワールドカップ出場で、プレミアリーグのブレントフォード戦を飛ばした昨季チャンピオンは、1試合消化が多いレッズに2ポイント差。エヴァートンとチェルシーをホームで下し、2月20日に行われる延期試合に勝てば、ライバルの上に立つことになります。

レッズと1ポイント差の首位…近年のプレミアリーグの「あるある」です。2018-19シーズンは後半戦18勝1敗でクロップのチームをかわし、2021-22シーズンもラスト12戦を無敗で切り抜け、いずれも最少のポイント差で勝ち切っています。昨シーズンは、2月末からの12連勝でアーセナルをまくっており、マッチレースに持ち込んだ際の勝負強さは他の追随を許しません。

早くも4連覇の予感が漂うなかで、「アスレティック」の記者たちが抵抗を試みています。「Manchester City look unstoppable – but here’s why they might not win the Premier League」と題した記事は、止まらないように見える王者が優勝を逃す理由を記者たちに考えてもらう企画です。最初に登場したマーク・キャリー記者とトム・ハリス記者のコンビは、「守備における奇妙な癖」を指摘しています。

今季のマン・シティは、試合のなかで最初に打たれたシュートで12失点を喫しています。月曜日のブレントフォード戦も、21分にジョークのようなシンプルなアタックからリードを許しました。GKフレッケンが最前線にロングフィードを送ると、イヴァン・トニーがナタン・アケを体で押さえてボールはラインの裏へ。抜け出したモペイがエデルソンとの1対1から脇を抜きました。

今季プレミアリーグの1試合あたりの被シュート数は8.0で、堅守アーセナルをかわして最少。しかしシュート1本あたりのxG(ゴール期待値)0.12は、リーグ最悪の数字です。ゲームをコントロールし、相手のシュートを最小に抑えているものの、時折カウンターからビッグチャンスを創られてエデルソンはお手上げ…。癖が治らなければ2位陥落もありという主張です。

フィル・バッキンガム記者の主張は、「リヴァプールの選手層の厚みは凄い」。サラーが不在でもジョッタ、ダルウィン・ヌニェス、ルイス・ディアス、ガクポを自在に配せるフロントスリーは、トータル36ゴール。遠藤航、ショボスライ、マック・アリスター、フラーフェンベルフを引き入れた中盤も機能し、ブラッドリーとクアンサーは最終ラインのプラスアルファです。

ジェームズ・ピアース記者もレッズ推し。3月10日のアンフィールドは、クロップが宿敵に勝つラストチャンスで、異様に盛り上がるはずという見立てです。聖地におけるペップの戦績は1勝2分5敗。唯一の勝利は無観客だった2020-21シーズンで、「you’ll never walk alone」が鳴り響くアンフィールドでは未だ勝利がありません。

1試合あたり2.2ゴールの首位チームを切り札とした2人に対して、ジョーダン・キャンベル記者はアルテタを担いでいます。「アーセナルは、もはやシティを恐れていない」。コミュニティシールドとエミレーツで連勝したライバルが、エティハドでも勝つといっています。「今季は、ホールディングが直接対決に出場することはない」というひとことは、妙に説得力があります。

これに加勢するアール・ド・ロシュ記者は、「アルテタの完璧な守備」を理由としています。クリーンシート8回、与えたxG17.8回、90分あたりのxG0.9回はすべてリーグ最少。ゴールにつながるエラー5回は2番めに多く、ボックス内でのミス撲滅が課題ですが、「冨安健洋の復帰で基盤を強化できる」といっています。

最後のひとりとなったカール・アンカ記者は、「Opta のスーパーコンピューターは、グアルディオラのチームの優勝確率を 66.2% としている」といいながらも、結論は「プレミアリーグの4連覇は前例がなく、とても難しい」。根拠を示していないのは、「ファーガソンもできなかった」以外に理由が見当たらないからでしょう。

彼らに乗っかって、優勝できない理由をひねり出すとすれば、「チームのピンチを何度も救ったギュンドアンがいない」「22試合で25失点は、3位だったペップ初年度と並ぶワーストペース」「クロップに勝たせてあげたいという雰囲気」といったあたりでしょうか。楽しみながらレポートをまとめた記者たち以上に、ふわっとしたオチで恐縮です。


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