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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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1年半で総勢12人!チェルシーがまたもブライトンからリクルーティング責任者を引き抜き!

gardening leave」という言葉をご存じでしょうか。契約期間が残っているのに他のクラブへの移籍が決まりそうな監督、選手、スタッフが、契約満了もしくは正式な退団決定までチームの活動から外れて休暇を取ることです。日本の感覚で近いのは「有給消化」でしょう。「最終出社は2月10日で、残っていた有給を使い切って2月末付の退職」というのはよくある話です。

日本の有給消化は労働者の権利ですが、イギリスにおけるガーデニングリーブの趣旨は異なります。「辞めると決まったら、機密情報や技術、ネットワークを持ち出されるリスクがあるので、出社はまかりならぬ。庭いじりでもしててくれ」。発祥は守秘義務を伴う情報が多い公務員で、後に金融業界やF1のチームなどに広まったといわれています。

今回の記事をガーデニングリーブの話から始めたのは、プレミアリーグのクラブに所属する2人のスペシャリストが職務から離れて休暇に入ったと報じられたからです。ひとりは、マンチェスター・ユナイテッドが正式にオファーを提示したといわれるニューカッスルのダン・アシュワースSD。もうひとりは、ブライトンでリクルーティングの責任者を務めるサム・ジュエルです。

「サム・ジュエルがチェルシーの新しいポジションを受け入れました。サムは今、ガーデニングリーヴを始めています。長きにわたるクラブへの貢献に感謝します。サムの職務については、TD補佐のマイク・ケイヴとスカウティング&インテリジェンス・マネージャーのジョージ・ホームズが即時に引き継いでいます」(ブライトン公式サイトより)

またしても、チェルシー…。トッド・ベイリーとベハダ・エグバリは、サセックスのクラブを買い取るかのように、有能な人材を抜きまくっています。2022年の夏のトランスファーマーケットで、マルク・ククレジャとザック・スタージを獲得。9月になると、トーマス・トゥヘルの後釜としてグレアム・ポッターを招聘しました。

ポッターとともにブライトンから加わったのは、アシスタントコーチののビリー・リード、ファーストチームでコーチを務めていたビョルン・ハンベリとブルーノ、GKコーチのベン・ロバーツ、リクルーティング責任者補佐でデータアナリストのカイル・マコーレー。さらに11月には、マコーレーのボスだったポール・ウィンスタンリーを引き抜いています。

ブライトンで素晴らしい原石を次々に発掘していたウィンスタンリーの新たな役割は、グローバルタレント&トランスファー部門のディレクター。サウスコースト連続強奪事件は総勢9人で打ち止めかと思いきや、メインディッシュはまだだったようで、昨夏のマーケットでモイセス・カイセドとロベルト・サンチェスに1億4000万ポンドを投じました。

今回のサム・ジョエルは12人め。マック・アリスター、ククレジャ、ロベルト・サンチェス、カイセド、三笘薫、ブオナノッテ、エンシーソらをブライトンに呼び寄せたリクルーティングとスカウティングのディレクターたちを、1年半で根こそぎぶっこ抜くとは…。もしかしてコレは、次の夏も新戦力をがっつり獲りにいくという宣言でしょうか?

メインディッシュが終わったところで、そろそろデザート。今のブライトンから獲るとすると、エヴァン・ファーガソン、アディングラ、ジョアン・ペドロ、ブオナノッテ、ヒンシェルウッドといった若手でしょうか。まさかの三笘薫?いや、ちょっと待った。ブライトンから高値で買うなら、ブライトンからリクルーティングのスタッフを連れてきた意味がないですよね…!

事件の動機が、高額の選手をかき集めて勝つという方針の見直しであれば、夏のチェルシーの新戦力は1000万ポンド以下の原石中心になるはずです。ここまでやってもブライトンが素晴らしい補強を続けたら、13人め、14人めを持っていかれるのでしょうか。ピッチの外は平和であってほしい穏健派のプレミアリーグファンとしては、連続強奪事件の一刻も早い解決を望みます。


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