補強禁止、クラブ売却、指揮官解任…ゴシップ続出のチェルシーが抱える5つの難問。
サポーターやメディアに不評なのは、柔軟性のない戦術&選手起用と、試合に敗れた際のネガティブなコメントです。プレミアリーグで先発起用が10試合以上の選手はモラタを入れて13人と、ビッグ6では最少。マン・シティと同数ではありますが、あちらはデブライネ、バンジャマン・メンディ、デルフの負傷に対応した結果です。アンカーにジョルジーニョを据え、カンテを右のインサイドに固定した中盤はしばしば論争のテーマとなっており、逆転勝利が5節のカーディフ戦しかないのは、劣勢に立たされたときのオプションがないからでしょう。
冬に連れてきたイグアインは、プレミアリーグ7戦3発。決めた試合が最下位ハダースフィールドと19位フラムだけでは、サポーターは納得しないでしょう。モラタ、ジルー、イグアインとタイプの違うストライカーを預かったサッリ監督は、誰もフィットさせることができなかったということになります。イグアインがこのままイタリアに戻ることになれば、来季の最前線は経営ボード主導で獲得…いや、FIFAから喰らった補強禁止のペナルティを引き延ばせなければ、サッリあるいは新監督はモラタとジルーを活かすしかありません。
サポーター、経営ボード、メディアから厳しい評価を受けている指揮官が、選手からNGを突き付けられればジ・エンド。「これほどサポーターに嫌われた監督は、ラファエル・ベニテス以来」とまで書かれた指揮官が、今から大胆なスタメンチェンジを敢行するのはリスキーです。サッリ監督にできるのは、ブレずに自分のスタイルを貫くことと、試合後の他人事のようなコメントを減らすことぐらいでしょう。
ハッピーエンドがあるとすれば、「プレミアリーグ4位かEL優勝で来季のCL出場権獲得」「クラブの慰留により主力が残留」「補強禁止が延長となり、気を取り直したアブラモヴィッチオーナーが大型補強を推進」。最悪のストーリーは、「2年連続のEL出場決定」「アザール、ウィリアンなど主力が離脱」「補強禁止によりレンタル中の若手やモラタの呼び戻しで新シーズンへ」「アブラモヴィッチオーナーがやる気を失い、補強もスタジアム改修もままならない状況のままでクラブを売却」といったところでしょうか。現オーナー体制の継続、サッリ続投、アカデミー出身のタレント主体のチーム作りに舵を切ることの是非は、意見が分かれるところではありますが…。
オーナー問題、スタジアム改修プラン凍結問題、監督問題、補強禁止問題、CL出場権と5つの懸案を抱えるチェルシーは、どんな形で新シーズンを迎えることになるのでしょうか。彼らが抱える原石たちに可能性を感じている私としては、カラム・ハドソン=オドイ、タミー・アブラハム、メイソン・マウント、イーサン・アンパドゥ、ルベン・ロフタス=チーク、アンドレアス・クリステンセン、オラ・アイナが躍動する青いチームを見てみたい気分ではありますが、果たして…!? イギリスで最も裕福な資産家といわれるイオネス会長のジム・ラドクリフ氏がクラブ買収となれば、ユースで頭角を現した英国系の選手の扱いは変わるかもしれません。
休み明けからのプレミアリーグは、カーディフ、ブライトン、ウェストハム。その直後にはELベスト8のスラヴィア・プラハ。問題を減らすためには、この4試合はすべて必勝です。
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更新ありがとうございます。おっしゃる通り、単調なボール回しでうっかり先制されると逆転できる期待が持てず、監督も随分やつれてしまったように見えます。混迷しているブレグジットにビザ問題、たしかにオーナーの露出も最近は滅法減りましたね。新スタジアム構想はどこへやら、、、今季残りと来季は耐えるしかなさそうです。