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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

攻めているのに決めてない…プレミアリーグのスタッツから「サッリボール」の弱みを分析!

1位マンチェスター・シティ、2位チェルシー、3位リヴァプール、4位トッテナム、5位アーセナル。今季プレミアリーグのクラブ別スタッツを見ると、多くの項目がこの並びになっています。パス本数、ボールタッチ数、ポゼッション率、パス成功率。これらは連関する数字ゆえ、特段驚くことではないのですが、シュート本数も 1位マンチェスター・シティ、2位チェルシー、3位リヴァプールと聞くと、意外と思われる方もいるのではないでしょうか。

プレミアリーグマニアならご存じの通り、マン・シティが79ゴール、リヴァプールが70ゴールでワンツーなのですが、チェルシーのゴール数はビッグ6で最少の50。5位スパーズに7つも引き離されており、得点力の低さが6位停滞の理由のひとつになっています。いわゆる「サッリボール」はパスはまわるものの、フィニッシュが少ないというイメージを持っていた方もいるでしょう。実はチェルシーは、シュートは打っているのです。ではなぜ、彼らはゴールが少ないのか。スタッツを深掘りすると、チェルシーの弱みが浮き彫りになってきます。

最初にチェックしたい数字は、オンターゲットです。シュート数ではマン・シティが525本、リヴァプールが476本、チェルシー467本(4位は416本でレスター!)という順なのですが、枠内の数字を抽出すると、青いシャツは4位に下がります。マン・シティ206、リヴァプール189の次は、マンチェスター・ユナイテッドが188。チェルシーは156本と、3位から30も引き離されています。ポグバが46本でプレミアリーグ2位、ラシュフォードとルカクも30本以上を枠内に収めている赤い悪魔に対して、ブルーズはアザール32本、ペドロが22本。シュートの精度については、「Hit Woodwork=バーやポストに当てた本数」でも興味深い数字が出ています。チェルシーは19本でマン・シティとレッズの16を上回り、堂々のトップ。シュートの精度、とりわけストライカーのオンターゲットの少なさが、「攻めているのに決めていない」状況を生んでいるのは間違いありません。

さらに細かい数字を追っていきましょう。ゴールがどのような状況から決まったか、カテゴリー別に上位を見ていくと、オープンプレイは1位がマン・シティで62、2位アーセナルが41、3位リヴァプールが40。シュートが368本しかなく12位に沈んでいるアーセナルは、オーバメヤン&ラカゼットの決定力が高く、縦に速いアタックでゴールを量産しています。カウンターは本家レスターが8発で1位なのですが、レッズとスパーズが5発で3位につけており、チェルシーはここでもビッグ6で最少の1発。セットピースを見ると、レッズが17発でダントツ、13のトッテナムがブライトンと並んで2位、アーセナルとマンチェスター・ユナイテッドは12で4位。マン・シティは8発と少ないのですが、チェルシーはさらに下をいく7発です。ビッグ6のなかで、直接FKを決めた選手がいない唯一のチーム。速攻と飛び道具がないのも、彼らのウィークポイントとなっています。

1試合あたりのスルーパスは1位、ロングボールは最下位。よくいえばコンセプチュアル、悪くいえば対策しやすいサッリボールは、アグレッシブなプレスとジョルジーニョに対する徹底チェックを仕掛けられると、しばしばしびれます。「カウンターはない」「長いボールを蹴ってこない」と見切ったライバルたちが執拗にパスコースを潰してきた後半戦は、クリーンシートの完敗が4つ。ワンプレーで世界を変える強力なストライカーがいれば、劣勢を跳ね返す試合を増やせたのだと思われますが、裏に抜けようとするモラタにパスは出ず、ジルーに楔は入らず、イグアインはオンターゲット8本のみとフィニッシュに難がありました。

オーバメヤン、ラカゼット、ハリー・ケイン、ソン・フンミン、アグエロ、スターリング、ルカク、ラシュフォード、サラー、マネ…決定力が高い選手を2人ずつ抱えるライバルたちに対して、ゴールもアシストもアザール頼みのチームに苦しい戦いが増えた理由は明確です。サッリ監督のチームには、マン・シティのチェンジオブペースも、リヴァプールのショートカウンターも、長短のボールを織り交ぜるアルデルヴァイレルトやエリクセンの臨機応変さも、ポグバの意外性も足りませんでした。それでも4位に3ポイント差につけているわけで、何かがひとつ加われば、美しいポゼッションサッカーはより輝くと思われるのですが…。

セットピースやカウンター、ハイクロスからのヘッダーなど、武器のバリエーションを増やすという宿題は来季に持ち越しでしょうか。次のシーズンにつながる手応えとCL出場権を獲得するのか、シックスポインターで完敗を繰り返すのか。今まではひたすら頑固だったサッリ監督の采配に注目しましょう。

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