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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ラスト1分、同点ゴールは南野拓実!勝利を決めるPKのキッカーを託された日本代表FWは…!?

2-3、リヴァプールは敗戦寸前。6分と表示された追加タイムは、残り2分を切っていました。右からセンターに放り込んだのはミルナー。エンディディがかぶってしまい、後ろにいたアタッカーが完璧な胸トラップから右足ボレーを放つと、ボールは右隅に吸い込まれました。決めたのは、タクミ・ミナミノ!PK戦に持ち込んだレッズは、殊勲の日本人ストライカーに2度めのドラマの主役を託したのですが…。

土壇場で追いつかれたレスターが先攻。4人めのルーク・トーマスがケレハーに止められ、4-4で最後のキッカーが登場しました。ミルナー、フィルミーノ、チェンバレン、ナビ・ケイタときたら、当然ジョッタだと思ったのですが…クロップ監督が「タキ、行ってこい!」と檄を飛ばしたのでしょうか。

最後のキックを決めて、文句なしのマン・オブ・ザ・マッチになるはずだった南野拓実は、ローズボールのファイナルで天を仰いだロベルト・バッジョのように、大きく打ち上げてしまいました。助けてくれたのはケレハー。バートランドのショットはコースが甘く、GKが左に反応してストップすると、今度こそジョッタが左のサイドネットに収めました。

「もしかして、負けようとしてます?」とツッコミを入れたくなるようなメンバーでした。最終ラインにはブラッドリー、ジョー・ゴメス、クメティオ、ツィミカスが並んでいます。ヘンダーソン、モートン、チェンバレンという中盤を見ると、希望が感じられるのですが、前線はネコ・ウィリアムズ、フィルミーノ、南野拓実。プレミアリーグでは絶対にありえない顔ぶれです。

アフリカネーションズカップにサラー、マネ、ナビ・ケイタを持っていかれるチームにとっては、1月の2試合追加は大きな負担です。国内カップを軽視してきたクロップ監督は、半ば諦めているように見えました。序盤から攻勢のレスターは、9分にショートカウンターを仕掛け、ジェームズ・マディソンのパスを受けたヴァーディーが右からクロスに打って先制。13分にも速攻が炸裂し、左サイドを突破したパトソン・ダカのグラウンダーをエースが右隅に流し込みました。

いきなり2点のビハインドを背負ったレッズが、ゴールを決めたのは19分。ツィミカスのクロスの折り返しを中央でキープしたフィルミーノは、無理に打とうとせずに後ろのチェンバレンに任せました。右足のシュートがシュマイケルの右手の先を抜け、1点差としたものの、33分にはジェームズ・マディソンに強烈なミドルを叩き込まれてしまいました。

37分、ジョー・ゴメスのトラップをさらったヴァーディーが、一気にケレハーと1対1。ハットトリックを決めていれば、勝負も決まるビッグチャンスでしたが、右足の一撃は左のポストに弾かれてしまいました。クロップ監督に「勝ちにいくんかい!」と叫んでしまったのは、後半のメンバーを見たときです。クメティオ、モートン、ブラッドリーが下がり、ジョッタ、コナテ、ミルナー。59分にはヘンダーソンに代わってナビ・ケイタと、攻める意志を明確にしています。

レッズが再度、1点差に詰め寄ったのは68分。コナテの縦パスをジョッタがトラップミスして、奪われたボールをフィルミーノが取り返し、右足アウトで中央の南野に預けます。左足のダイレクトパスは絶妙で、ジョッタの前にはシュマイケルのみ。左足のシュートが右隅に突き刺さり、ベスト4進出の希望をつなぎました。そして…。

両チームを通じてMVPを選ぶなら、2発ゲットのヴァーディーですが、勝利の立役者は文句なしで南野でしょう。1ゴール1アシスト、チャンスクリエイト1回、キーパス3本。リーグカップ3試合連続ゴールは、2000-01シーズンのシュミツェル以来、21年ぶりです。この年、トロフィーを持ち帰ったレッズが10年ぶりの国内カップ制覇に辿り着いたら、南野拓実の名前はクラブの歴史にしっかり刻まれるはずです。

レッズと同様に若手を抜擢したチェルシーは、オウンゴールとPKでブレントフォードに0-2勝利。ホームでウェストハムに押されたトッテナムは、ベルフワインとルーカス・モウラが決めて2-1で逃げ切りました。準決勝の組み合わせは、アーセナルVSリヴァプール、チェルシーVSトッテナム。プレミアリーグシフトとなりそうな冨安健洋より、カラバオカップのスペシャリストと化している南野拓実に肩入れしたいのですが…!(南野拓実 写真著作者/Werner100359)


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