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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

勝負を決めた2つのボール奪取!ダービーを制したチェルシー、3年連続でFAカップ決勝進出!

リヴァプールがマンチェスター・シティを3-2で下し、ファイナル進出。FAカップ準決勝の2試合めは、チェルシーVSクリスタル・パレスのロンドンダービーです。ブルーズはイーグルスに対して、公式戦10連勝中。今季のプレミアリーグでも、スタンフォード・ブリッジの開幕戦で3-0、セルハースト・パークで0-1と2戦ともクリーンシートのダブルを記録しています。

ウェンブリーがリニューアルされた2007年以来、チェルシーはプレミアリーグ最多の27試合を戦っています(聖地を間借りしていたトッテナムとの3試合を除く)。その前から、ウェンブリー開催のFAカップ準決勝には強く、10戦9勝。2年連続でFAカップ準優勝のブルーズの勝利を裏付けるような数字ばかりが並んでいますが、クリスタル・パレスは直近のプレミアリーグで3勝2分1敗と調子を上げているチームです。

プレミアリーグ29節のマンチェスター・シティ戦でゴールを許さず、アーセナルを3-0で叩いたヴィエラのチームは侮れないといいたいのですが、ブルーズからレンタルのコナー・ギャラガーが欠場となれば、トーンダウンせざるをえません。ヴィエラ監督は、ジョルダン・アイェウ、オリーズ、オドソンヌ・エドゥアールをベンチに置き、守備力の高い選手を中盤に配して接戦に持ち込もうとしています。

一方、トゥヘル監督の11人は、ベストに近い顔ぶれです。メンディの前にリース・ジェームズ、クリステンセン、リュディガー、アウトサイドにアスピリクエタとマルコス・アロンソ、センターにジョルジーニョとコヴァチッチ。メイソン・マウントとヴェルナー、カイ・ハヴェルツのポジションは流動的です。

静かに立ち上がった一戦。序盤はクリスタル・パレスがスローなビルドアップから攻めるシーンが目立ちますが、徐々にチェルシーのポゼッションが増えていきます。10分に左から放ったメイソン・マウントのミドルは、GKバトランドが正面でキャッチしました。

グエイ、アンデルセン、ウォードが後方に並ぶクリスタル・パレスの守備は、前のスペースをシュルップ、クヤテ、マッカーサーが消しており、再三の中央突破はシュートに至らずつぶされています。ただし、重心が後ろにある彼らのアタックは単発で、15分に縦へのフィードを追ったマテタは、クロスをファーに上げられずメンディに押さえられました。

24分にリュディガーのロングフィードがカイ・ハヴェルツに届きますが、グエイのプレッシャーを受けたヘッドは浮いてしまい、バトランドが難なくキャッチ。その1分後、コヴァチッチが足を痛めてしまい、ロフタス=チークが中盤に入りました。30分にリュディガーのパスを受けたヴェルナーが左サイドを突破し、ファーに速いクロスを通しますが、アスピリクエタはボレーを膝に当ててしまいました。

クリスタル・パレスが痛かったのは、36分のチャンスを活かせなかったことです。左からのクロスをクリステンセンがクリアすると、クヤテの強烈な左足ボレーはメンディのビッグセーブに阻まれました。メイソン・マウントとクヤテしかオンターゲットを記録しなかった前半は0-0。ヴィエラ監督はイメージ通りで、トゥヘル監督にとっては納得がいかない出来だったのではないでしょうか。

後半が始まって49分、左から放ったメイソン・マウントのミドルシュートはクロスバーの上。52分のリュディガーのロングシュートは、左に外れました。60分のCKで競り勝ったクヤテのヘッドは、惜しくも左にアウト。ここまでは、より可能性が感じられたのはクリスタル・パレスだったのですが…。65分にタイリック・ミッチェルが自陣でアスピリクエタに奪われ、世界が変わりました。

WBがジョルジーニョに預け、すかさずボックス右のカイ・ハヴェルツに速いパス。29番の折り返しがマーカーのグエイのかかとに当たってこぼれると、フリーで走り込んだロフタス=チークのボレーが右隅に突き刺さりました。攻めなければならなくなったヴィエラ監督は、72分にシュルップとマッカーサーを下げ、ベンテケとオリーズを投入。攻撃力を上げる交代策は、同時に守備のリスクを高めることを意味します。

76分の追加点も、リュディガーが敵陣で奪ったショートカウンター。カイ・ハヴェルツが左のヴェルナーに浮かし、11番とパス交換したメイソン・マウントがトラップでアンデルセンを抜き去ると、右隅を狙った丁寧なフィニッシュがサイドネットに吸い込まれました。トゥヘル監督が直後に切ったルカク、ツィエク、チアゴ・シウヴァというカードは、勝利宣言のようです。

90分にヴェルナーのグラウンダーを右足で合わせたルカクは、右のポストに当ててしまい、フォローしたツィエクのシュートもタイリック・ミッチェルがブロック。3点めは決まらなかったものの、チェルシーが2-0完勝でファイナル進出を果たしました。

カラバオカップに続くリヴァプールとの激突。プレミアリーグでは1-1、2-2で、カラバオカップも0-0のPK戦でした。4度めの対戦は、90分で決着するのでしょうか。2019-20シーズンはアーセナル、昨季はレスターに決勝で敗れたチェルシーが、4冠をめざす強豪に対してどんな戦い方を見せるのか、今から楽しみです。


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