イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ヴェンゲルではなく、ペップでもなくファーガソン!? 強さと脆さが同居するアルテタに抱くモヤモヤ感。

インターナショナルブレイクに入る直前に、4位アーセナルはトッテナムに3ポイント、マンチェスター・ユナイテッドに4ポイントの差をつけていました。1試合消化が少なかったアーセナルは、TOP4争奪戦の大本命。年明けのプレミアリーグ9試合は6勝1分2敗ですが、敗れた相手はマン・シティとリヴァプールです。下位のチームから着実に勝ち点をゲットしていたガナーズは、コンテとラングニックの追撃をかわすのではないかと思われていました。

転落のトリガーとなったのは、キーラン・ティアニーの膝の負傷です。質の高いクロスをフィードしていたレフトバックはシーズンアウトとなり、クリスタル・パレス戦の先発はヌーノ・タヴァレス。プレミアリーグの後半戦で1分しかプレイしていなかった22歳は、2つの失点に関与してしまい、ハーフタイムで退いています。3-0完敗という結果もさることながら、最も激痛だったのは、トーマス・パーティーの負傷リタイアでした。

ブライトン戦は、20本のシュートを放ちながら1-2で連敗。2つの失点は、後方から上がってきたトロサールとネイサン・コリンズをフリーにしてしまったために喫したものでした。セインツ戦もベドナレクに先制ゴールを許し、23本のシュートが決まらず1-0。サカ、スミス・ロウ、ジャカの決定的なショットをセーブしたフォースターをほめるべきですが、コロナ感染のラカゼットの代役だったエンケティアのシュート1本という数字が気になるゲームでもありました。

かくして、プレミアリーグ3連敗。こうなると、メディアの論調はネガティブに傾きます。TVパーソナリティのピアス・モーガンさんは、「パトリック・ヴィエラに代えるべき」と主張。「フットボール・ロンドンのトム・カントン記者は、「TOP4をめざせるチャンスだったのに、1月に補強しなかったのは大失敗」「今のラカゼットを先発させるチームは、プレミアリーグにいくつあるのか?」とストライカーの脆弱さを指摘しています。

トーマス・パーティーのケガが最大の痛手だと思いますが、2022年に入ってからオープンプレーのゴールがゼロの最前線も大誤算です。オーバメヤンを放出し、バログンをローン移籍させると聞いたとき、マルティネッリやニコラ・ペペの偽9番をオプションとするのだと思いました。しかしアルテタ監督の構想には、彼らを9番として起用するという選択肢はないようです。

グエンドゥジ、エジル、ウィリアム・サリバ、メートランド=ナイルズ、オーバメヤン…。チームの規律に従わない選手や、コミットメントが低い選手をスカッドに加えない厳格さは、短期的にはマイナスに作用することが多かったのだと思います。オーバメヤンを気持ちよく働かせることはできなかったのか…。トレーニングに遅刻したストライカーに非があると重々承知しながらも、彼がゴールラッシュを決めていればという思いを消すのは簡単ではありません。

そのスタイルは、情に厚かったヴェンゲルの後継者ではなく、自在かつ流動的なペップ派でもなく、ポール・インスやヤープ・スタム、ロイ・キーンに出口を示したサー・アレックス・ファーガソンと近い匂いがします。3年連続でプレミアリーグ8位に甘んじたとしても、ガナーズはアルテタを続投させるでしょう。サー・アレックスは、最初の5年はFAカップ制覇のみ。プレミアリーグの頂点に立つまで7年を要しましたが、クラブとグーナーは彼を信じ続けられるでしょうか。

既にTOP4が見えていた1月にアクセルを踏まず、ソリッドすぎるスカッドで戦おうとした彼らの判断に、疑問を拭い去れずにいます。昨夏のマーケットで、リーダーシップがある若手ばかりを獲得したアルテタとエドゥは、「花開くのは2年後」と思い定めているのかもしれませんが…。


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