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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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猛攻レッズをクルトワがストップ!チェルシー納得のドロー~キャピタルワンカップ準決勝速報

ジェラードを罵倒するチャントをやめてほしい。彼に値するリスペクトをしてほしい。彼はリヴァプールとプレミアリーグにとって歴史的な選手であり、私も常に賞賛してきた選手だ」「(モウリーニョ第一次政権の頃)ランパード、マケレレ、ジェラードがオープンにトライアングルを組む中盤を夢見ていた。10番タイプの選手はなしでね」。アンフィールドでファーストレグに臨むモウリーニョ監督が、いつも以上に饒舌だったキャピタルワンカップ準決勝。プレミアリーグを去ることが決まったレジェンド最後のシーズンは、敵将にとっても感慨深いものなのでしょう。チェルシーが、オスカルではなくミケルという「アウェイ仕様」にした以外は、両者ともベストメンバー。リヴァプールには、スティーブン・ジェラードが戻ってきています。

静かに立ち上がったゲームは、10分過ぎからリヴァプールが主導権を握ります。12分にはヘンダーソン、アルベルト・モレノが立て続けに左サイドを突破。15分のアルベルト・モレノのクロスは中に合わず。16分にはジェラードのロングシュートがゴール右を襲い、指のケガから復帰したGKクルトワがジャンプ一番でこれを弾きます。しかし、先制したのは最初のチャンスをモノにしたチェルシー。17分、左から突破を図ったアザールをエムレ・ジャンが倒してPK。アザールのインサイドが右に飛んだミニョレの逆を突き、チェルシーが貴重なアウェイゴールを奪います。

レッズ、反攻。マルコヴィッチのボレーはケーヒルがブロック。26分のCKは、フリーで合わせたシュクルテルのヘッドが枠の外。29分には、失点の原因となったCBエムレ・ジャンがゴール前に突進するも、スターリングとの息が合わず。相変わらず攻勢のホームチームは、フィニッシュとその手前のプレイで精度が低く、チェルシーの最終ラインに抑えられます。リヴァプールが押し込む時間が圧倒的に長いゲームは、裏腹の0-1。ペナルティエリア外に敷かれたチェルシーの防波堤を崩せなかったレッズには、サイドから崩すなどのバリエーションが必要です。

後半も、追いつきたいリヴァプールのポゼッションで、チェルシーはカウンター狙い。ジェラードは、ヘンダーソン、ルーカスが並んだ中盤の前に入り、コウチーニョやスターリングを使いながらシュートチャンスを窺います。右のマルコヴィッチとエムレ・ジャンの再三の仕掛けは、アザールとフェリペ・ルイスが冷静に対応。リヴァプールは前半同様に時間を進めさせられてしまうのか…と思いながら観ていると、59分、思わぬところから同点ゴールが生まれます。ここまで、スターリングにスピードを活かすスペースを与えないというミッションを完遂していた「マティッチの壁」が、初めて敵のエースを自由にしてしまいました。追いすがる21番を振り切ったスターリングは、ケーヒルが寄せてくる手前で左足を振り抜き、クロスの一撃がゴール右隅に刺さります

大歓声のアンフィールド。1-1となると、チェルシーが前に出るようになり、前線にスペースができたリヴァプールにシュートシーンが増え始めます。66分、左からのグラウンダーを丁寧に狙ったジェラードの左足はポスト直撃。直後のコウチーニョのミドルはクルトワ必死のセーブ。70分、ロジャース監督はジェラードを下げ、アダム・ララナを投入します。

このゲーム最大のハイライトは、79分。前線でDFを背負いながら縦パスを腹で落としたスターリングにララナが反応。走り込んだ勢いを乗せてダイレクトで放った左足ボレーは、ゴール左隅に逃げていく難しいボールでしたが、クルトワ、この日最高のビッグセーブ!この一発をプレミアリーグ屈指のGKが防いだことで、チェルシーのセカンドレグのミッションは「点を獲らなければならない」とはならず、「点を獲られなければいい」のままに留まりました。初めての交代を89分まで引っ張ったモウリーニョ監督。ウィリアンに代えてアスピリクエタは、「1-1で畳めばOK」のメッセージでしょう。91分、左サイドをえぐってDFと駆け引きしたスターリング最後のクロスをクルトワがワンハンドキャッチで抑えると、間もなくタイムアップの笛。アンフィールドでドローという結果は、モウリーニョ監督に軍配が上がったといっていいでしょう。

両監督とも交代を1回しか行わなかった、緊張感の高い激戦。リヴァプール、惜しかった!再三きわどいシュートを放っていたホームチームは、対応をひとつたりとも間違えなかったクルトワの前にあと一歩、及びませんでした。ジエゴ・コスタがまったくシュートを打たせてもらえなかった展開に、モウリーニョ監督は2-1までは覚悟していたのではないでしょうか。こういうゲームを1-1でまとめるのが、プレミアリーグ首位を走るチェルシーの強さです。セカンドレグは、リヴァプールは先制必須。チェルシーが後ろにスペースを空けざるをえない状況に持ち込みたいですね。いや、おもしろかった。決戦は27日、舞台はもちろんスタンフォード・ブリッジです。

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“猛攻レッズをクルトワがストップ!チェルシー納得のドロー~キャピタルワンカップ準決勝速報” への4件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    キャピタルワンカップでは、アウェイゴールは、2ndlegの延長戦から適用されるみたいですよ。

  2. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    私の表現が、「90分ゼロに抑えればアウェイゴール2倍ルール適用」と読み取れたので、ご指摘いただいたのだと思います。ありがとうございます。120分のつもりで書いておりました。昨季、マンチェスター・ユナイテッドがそのルールでサンダーランドにやられまして、苦い記憶が強烈に残っております。

  3. Macki より:

    悔しいドローでしたが、いいゲームでした。クルトワには脱帽ですね。セカンドレグ難しいゲームでしょうが勝利期待します。

  4. makoto より:

    Mackiさん>
    いいゲームでしたね。両指揮官が交代カードを使えなかった気持ちがわかるような気になりました。

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