イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「不名誉」「混乱」「難しい試合」…プレミアリーグ上位クラブ指揮官の、FAカップ敗戦の弁

「サブメンバーの現チームにおける経験値不足」「アブダビ強行遠征の影響」「中盤を中心とした主力リタイア」「大胆すぎる9人のターンオーバー」…チェルシー、マンチェスター・シティ、サウサンプトン、トッテナムの敗因あるいはツッコミどころ探しをすれば、最初に目に付くのはそれぞれこんなところではないでしょうか。FAカップ4回戦。プレミアリーグTOP3と6位のトッテナムがすべてホームで負けるという、ジャイアントキリング連発の「ブラック・サタデー」に、各クラブの監督が残した敗戦の弁をチェックしてみました。

普段のプレミアリーグならマティッチが抑えてくれているエリアで相手を自由にしてしまい、終盤に2発喰らって逆転負けを喫したチェルシー。試合後、対戦相手だったリーグ1(3部相当)のブラッドフォードの選手一人ひとりを祝福して歩いたモウリーニョ監督が、いちばん感情的な言葉を残しています。

「昨日の会見で、もしこのゲームに負けたら不名誉だといったが、その言葉を繰り返す。不名誉だ」「これこそがサッカーの華であり、FAカップの美しいところでもある。他の国では起こらない、FAカップならではの出来事だ。私はチームを恥じている。選手も私と同様に恥じるべきだ」「この大会の歴史をみれば、どのチームにもこういうことが起こり得るとわかっていたが、私にとっては初めてだ。下位のリーグに所属するクラブに負けるのは、受け入れがたい」

イヴァノヴィッチ、テリー、マティッチの不在は、チームが攻勢にあるときは問題とはならなかったものの、ひとたび受けに回ると綻びが目立ち、最後まで立て直すことができませんでした。私は、プレミアリーグを独走していた秋のチェルシーを観て、今季はチャンピオンズリーグも狙えるのではないかと期待していたのですが、ここに来て固定メンバーで戦ってきたマイナスが出ているように思います。今後、チャンピオンズリーグの再開でハードスケジュールとなり、主力に負傷者が出ると、主力依存度が高いチームだけに崩れてしまう可能性もなきにしもあらず。モウリーニョ監督は、サブのメンバーのフィット感や劣勢時の落ち着きを、どうやってもたらしていくのでしょうか。今回の痛い失敗がこの先のチーム運営に活かされれば、さほど高くない授業料だったと思えるのではないでしょうか。

「理由はサッカーだ。アブダビではなく」。ミドルスブラ相手に0-2と沈黙したマンチェスター・シティのペジェグリーニ監督は、ハンブルガーSVとの親善試合後、金曜日にマンチェスターに戻ってくるという強行軍のアブダビ遠征の影響を否定し、あくまでも自分たちの戦い方に課題があったとコメント。その言葉は、いつものように分析的でした。

「われわれには決定機が6~7回あった。相手がゴールするまでは、いいプレイをしていた。ミドルスブラに先制点を決められて、私たちは混乱し、カウンターにやられてしまった。彼らのほうがいいプレイをしており、次のラウンドに進むに値した」「私たちは、この2試合ホームでゴールを決めておらず、最近5試合のホームゲームうち、4試合で2点を失っている。攻撃も守備もパフォーマンスを戻さないといけない。問題は、1ヵ月もストライカー不在の時期があったため、プレースタイルを変えなければならなかったこと」

このところ、リードしているゲームで追いつかれるシーンが増えており、心身ともにコンディションは決していいとはいえないマンチェスター・シティ。ミドルスブラ戦後半の息切れ、混乱ぶりを観て、アブダビの影響は多少なりともあったのではないかと思いました。次戦のプレミアリーグはチェルシーとのシックスポインターですが、敗戦のショックが尾を引くとすれば、10月にも調子を崩しているマンチェスター・シティのほうでしょう。ペジェグリーニ監督としては、首位との勝ち点差を8に広げられ、セインツにお尻をつつかれる状態に陥ることだけは、何としても回避したいところです。

シュナイデルラン、ワニャマ、マネ、アルデルヴァイレルトといった主力が軒並み負傷離脱で、クリスタル・パレスに2-3の逆転負け喫したサウサンプトン。FAカップを初めて戦うプレミアリーグ1年生のクーマン監督は、キープレイヤーの不在には触れずに、失うものがない一発勝負になると目の色を変えてくる下位クラブとの試合の難しさを語っていました。

「戦う前からわかっていたが、やはり難しいゲームだった。クリスタル・パレスは、(アラン・パーデュー)新監督の下でよくやっている。われわれが最初の45分で犯したミスをうまく突いてきた。これからは来週開催されるプレミアリーグに切り替えないといけない」「みんなは一様に、ビッグクラブがFAカップを去って残念だというだろう。とはいえ、どの試合も勝利するのは難しいものだ。これはレベルの話ではなく、どのチームもFAカップで勝つために必死だからだ」

ミッドウィークに開催されたキャピタルワンカップ準決勝から、先発を9人入れ替えたトッテナムのポチェッティーノ監督。秋にヨーロッパリーグを戦っていた頃から、GK以外総とっかえでプレミアリーグに臨むことも珍しくなかった指揮官は、終了間際のGKフォルムのミスで1-2と敗れたレスター戦について、「ターンオーバーは負けた理由ではない」とコメントしています。

「シーズンの最初からローテーションはかけているので、それが理由だとは思わない。われわれはいいプレイをしたが、1点リードしている間に決着をつけなければならなかった。結局、レスターに生き返るチャンスを与えてしまった。FAカップ敗退はとても残念だ」

不甲斐ない敗戦に腹が立っていても、矢継ぎ早に降ってくる質問に何か答えなければならないのが、監督という職業のつらいところですね。ペジェグリーニ監督は、プレミアリーグのチェルシー戦、チャンピオンズリーグのバルサ戦といった難しいゲームで完敗したりすれば、春を待たずに今季の無冠がほぼ決まる可能性があります。今週末のモウリーニョ監督との勝負は、どうなることやら。今から楽しみです。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“「不名誉」「混乱」「難しい試合」…プレミアリーグ上位クラブ指揮官の、FAカップ敗戦の弁” への1件のコメント

  1. 励みになります!

コメントを残す