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若手で埋めるしかなかったマン・シティ…容赦なく攻めたチェルシーが5ゴールで順当勝ち!

アダラビオヨ、ベルサント・セリーナ、アレイクス・ガルシア、マヌエル・ガルシア、ファウバラ。マンチェスター・シティファンでも、全員わかる人はどれだけいるでしょうか。FAカップ5回戦、チェルシーVSマン・シティという注目のカードは、プレミアリーグとチャンピオンズリーグにプライオリティを置くアウェイチームが若手主体のメンバーで挑まざるをえないゲームとなりました。イヴァノヴィッチとケーヒルというCBコンビながら、セスク、ペドロ、ミケル、ウィリアン、アザール、ジエゴ・コスタが揃うチェルシーの攻撃陣はベストメンバー。こうなると興味は「チェルシーがどう勝つのか」です。黄色いアウェイ用のユニフォームに身を包んだ若いチームで、ひとり気を吐いているのはケレチ・イヘアナチョ。17分にセスクの縦パスでジエゴ・コスタがカバジェロと1対1となりかけるシーンはあったものの、これをしのいだマン・シティの守備陣は、サバレタ、コラロフ、デミチェリス、アダラビオヨの顔ぶれでよくやっています。

22分、中央からセスクが珍しく左足で狙ったシュートは、カバジェロがキャッチ。走力では負けていないマンチェスター・シティは、最初の30分を0-0で耐えました。ラーマン・ババの浮き球にペドロが反応し、最終ラインの裏を取ったチャンスはオフサイドのジャッジ。33分にカウンターからイヘアナチョが放ったミドルシュートは、低い弾道ながら枠の上に抜けていきます。35分、プレミアリーグ12位が順当に先制点を奪いました。セスクの縦パスに反応し、ペナルティエリア内にフリーで入ったアザールが左足でラストパスを浮かすと、中でノーマークだったジエゴ・コスタがヘッドでプッシュ。これでマンチェスター・シティは厳しい状況に追い込まれたと思いきや、2分後にあっさり1-1です。

マヌエル・ガルシアがラインの裏に通したボールをフリーのイヘアナチョが折り返し、アスピリクエタがカットしたボールをファウバラが足を出して押し込んだゴールは、ヘッドか足かの違いはあれど、相手のゴールをそのままトレースしたような見事なアタックでした。39分、チェルシーに決定機。先制ゴールとよく似た形でしたが、今度は左サイドから突破したのはセスク、中へのボールは速いグラウンダーです。ぺドロのシュートがGKの手が届くコースにいってしまったのは確かですが、ここは至近距離からの一撃を大きく弾いたカバジェロのセーブをほめるべきでしょう。前半は1-1。何しろスタンフォード・ブリッジです。「チェルシーが思いのほか苦戦」という表現が妥当ではないでしょうか。

後半、ヒディンク監督はアザールを右にスイッチ。その効果は、開始わずか3分に勝ち越しゴールという形で現われました。自陣深くからのカウンター。ドリブルで上がったウィリアンが昨季プレミアリーグMVPに預けると、素晴らしいスルーパスでウィリアンがフリー。カバジェロの位置をみて左隅に流し込んだウィリアンは冷静でした。勝負が決定的となったのは、52分の3点めです。左からのクロスのクリアが短くなったところをボレーで叩き込んだのは、セットプレーの流れで前線に残っていたガリー・ケーヒル。カバジェロは左手に当てるのが精一杯でした。

54分、ペジェグリーニ監督が切ったカードは、ベルサント・セリーナをバーカー。スターリングを出さない指揮官は、若手に経験を積ませるだけでこの試合を終わらせるようです。スピードがなく、今季プレミアリーグで幾度となく失点の理由となったデミチェリスはアザールを止められません。67分のFKからの4点めは、CBのファールもさることながら、経験不足の選手たちが作った壁に欠陥がありました。キッカーはアザール、右隅にまっすぐゴールイン。プレミアリーグではノーゴールの10番に久しぶりの満面の笑みです。ヒディンク監督は70分、ジエゴ・コスタとペドロを下げ、トラオレとオスカルを投入。デミチェリスはトラオレも止められず、75分にPKを献上してしまいます。オスカルのキックはカバジェロが右に飛んでセーブしたものの、大勢に影響はありません。

83分、右からアザールが突破し、丁寧なグラウンダーのラストパスに左隅を狙ったトラオレのシュートはポストに当たってノーゴール。勝負が決していることは、全員がわかっています。89分、幕切れのゴールはオスカルのクロスにヘッドで合わせたトラオレ。浮き上がったボールは、カバジェロがクリアしなければなりませんでした。5-1、チェルシー圧勝。大量の負傷者に苦しむマンチェスター・シティは唯一4冠の可能性があったチームでしたが、まずはFAカップを手離しました。素晴らしかったチェルシーの勝利に水を差すつもりはありませんが、昨季プレミアリーグの優勝クラブと2位の激突という好カードは、チャンピオンズリーグを水曜日に控えたマン・シティに配慮して土曜日開催にはできなかったのでしょうか。プレミアリーグファンとして、両者ともメンバーが揃った試合を観たかったという無念は拭い去れません。

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“若手で埋めるしかなかったマン・シティ…容赦なく攻めたチェルシーが5ゴールで順当勝ち!” への3件のフィードバック

  1. シティ より:

    5-1という結果ですが、シティファンとして非常に意味ある試合でした。正直言って前半を1-1で折り返せるなんて思いもしませんでしたし、想像以上に若手が頑張ってくれました。イヘアナチョは勿論、プレシーズンから良かったM・ガルシア、今夏移籍してきたファウパラ、A・ガルシアは才能の片鱗を見せてくれたと思います。サバレタ以外のトップチームのメンバーがダメダメだったのはアレでしたが、数年後が楽しみになる試合でした。

  2. シティズン より:

    予想以上の若手を使ってました
    さすがに差がありましたが面白かったです
    これだけターンオーバーをしたからには
    CLで良い結果を期待したいです

    —–
    現状のスカッドではFA杯に注ぐ余力は残ってなかったのでペジェが思い切ったTOをしてくれたのは何よりで
    CLキエフ戦が楽しみです
    イヘアナチョは若手の中でもやはり別格
    ガルシアコンビは来季以降ペップの目に留まるといいんですが
    デミチェリスは今季で引退でいいのでは…
    アルゼンチンに帰っても試合に出れると思えないんですよね

  3. makoto より:

    シティさん シティさぽさん シティズンさん>
    CLとキャピタルワンカップが控えているなかで今回はやむなし、むしろ若手を試したことはポジティブ、という見方でみなさん揃ってらっしゃるようですね。攻撃陣は楽しみな選手が多いなとあらためて思いました。昨日のメンバーのなかで、イヘアナチョの次にきてほしいのはマヌエル・ガルシアです。

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