偏愛的プレミアリーグ見聞録

EFLカップ3回戦は2日め。本日は、マンチェスターの2クラブ、トッテナム、ウェストハム、サンダーランドなどプレミアリーグ勢は10クラブが登場。セインツVSクリスタル・パレス、ストークVSハル・シティといったプレミアリーグ勢同士の好カードもあります。どれをライブで観ようか迷ったのですが、マンチェスター・シティがアウェイのリバティ・スタジアムでスワンズと当たるとなれば、ノーサンプトンと戦うマンチェスター・ユナイテッドは後回しになってしまいます。タセンデ、アレイシ・ガルシア・セラーノ、フェルナンド、レロイ・サネなどフレッシュなメンバーを起用したマン・シティの最大の目玉は、ヴァンサン・コンパニの復活です。ペップがジョン・ストーンズを休ませずにキャプテンと並べたのは、早期にCBのコンビネーションの質を上げたかったからでしょう。この試合は、スウォンジーが健闘しました。プレミアリーグ首位チーム相手に、最初の45分を互角に戦ったのは彼らだけです。

両者とも、立ち上がりからサイドの主導権を取りたがっています。11分、マン・シティの見事な速攻。コンパニ、右のヘスス・ナバス、縦に走ったサバレタとつながった所要時間は2秒。クロスを叩いたアレイシ・ガルシアのボレーは右に逸れ、得意の形は実を結びません。直後、スウォンジーに決定的なチャンス。カバジェロのミスキックを直接蹴り込んだボルハ・バストンのボレーはコースが甘く、かろうじてGKが触ってCKに逃れます。前半のマンチェスター・シティが迎えた最大のチャンスは、35分でした。敵陣でコンパニが奪ったボールがヘスス・ナバスに渡り、クロスを右から入れたのはアレイシ・ガルシア。イヘアナチョに向かった速いグラウンダーを手前で「合わせた」のは、CBのファン・デル・ホーンでした。シュートにしか見えなかった致命的なキックをGKノルフェルトが素晴らしい反応でキャッチしてくれなかったら、前半で勝負がついていたかもしれません。マン・シティの高いラインの裏を突くスワンズのサイド攻撃は迫力があり、ルートリッジのクロスが再三コンパニに引っかからなければ、先制はホームチームだったでしょう。

後半に入って間もない49分、スワンズはカウンターにやられてしまいました。タセンデの柔らかいパスを左隅に決めたのは、右にまわってきていたクリシーでした。この一撃は、ニール・テイラーに当たっていなければGKは処理できたかもしれません。マン・シティは楽になり、スワンズは攻めなくてはいけなくなりました。67分、期待の新戦力ホルヘ・バストンの右足シュートは大きく右にアウト。この直後に、アウェイチームが決定的な2点めを奪います。最初のグラウンダーをカットされたヘスス・ナバスがこぼれ球を奪って2度めのトライ。走り込んだアレイシ・ガルシアの左足シュートは、見事に左のサイドネットに吸い込まれました。効果的な形が創れなかったスワンズは、87分にシグルズソンの直接FKが壁に当たると、こぼれ球をニール・テイラーが左足で狙いますが、飛び出したカバジェロがブロック。バロウのグラウンダーを巧みに左隅に流し込んだシグルズソンのゴールは、93分では遅すぎました。いつもよりリードするのが遅かったペップ・シティは、それでも順当にEFLカップ4回戦進出です。

ノーサンプトンと戦ったマンチェスター・ユナイテッドは、最前線に入ったルーニーが彼らしいプレイを取り戻し、プレミアリーグでは出番なしだったマイケル・キャリックがさすがのプレイメークを見せてくれました。17分の先制ゴールは、ルーニーが蹴った間接FKが壁にぶつかったリバウンドを、ダイレクトで左隅におさめたキャリックの素晴らしいコントロール。フォス＝メンサーのヘディングシュートのリバウンドを押し込んだルーニーのヘッドがオフサイドとなった後、ノーサンプトンに攻められたマン・ユナイテッドはブリントがホスキンスを引っかけてしまい、PKで1-1に追いつかれます。3連敗中のアウェイチームが追いつかれる展開に、ジャイアントキリングの気配が漂っています。

後半もアウェイチームのペースで進んでいたものの、不穏な空気がようやく消えたのは68分。ヒーローは、10分前にもミドルをポストに当てていたアンデル・エレーラでした。カウンターが決まらず、スローダウンしたところに走り込んだ21番は、ラシュフォードの落としを受けて地を這うような鋭い一撃をゴール左に突き刺しました。75分には、エレーラが高く蹴りあげたボールをGKスミスが処理を誤り、さらったラシュフォードが無人のゴールに流し込み1-3。3連敗中だったマンチェスター・ユナイテッドは、さすがにここでは負けませんでした。キャリックとシュナイデルランのセントラルMFコンビとフォス＝メンサーを使えたのは収穫でしたが、デパイが目に見える結果を出せずにいるのが心配です。

トッテナムはジリンガムに5-0圧勝でした。ジャカやヘンダーソンに負けじと31分に見事なミドルを決めたエリクセンは、後半開始早々の48分にもラメラのパスで最前線に飛び出しGKの股間を抜いてこの日2ゴールです。3点めはトリッピアーが倒されたPKを決めた51分のフィンセント・ヤンセン。65分にはオノマーがここしかないというコースを通して右隅に決めると、その3分後にヤンセンの素晴らしいポストプレーから左のラメラがクロスにフィニッシュ。最大の収穫は、負傷したハリー・ケイン以上にアグレッシブにゴールに向かっていたフィンセント・ヤンセンの活躍でしょう。エールディヴィジ得点王は、エース不在のチャンスを活かして、プレミアリーグでも欧州でも結果を残してくれるのではないでしょうか。週末のボロ戦に向けて、弾みがつく勝利だったと思います。

サンダーランドはパディ・マクネアの2発でQPRを逆転。吉田麻也がフル出場だったセインツはクリスタル・パレスを2-0で完封し、プレミアリーグでの不振から脱却の兆しが見えてきました。心配なのは、ブリタニアでハル・シティに1-2と敗れてしまい、トンネルの出口が見えないストークと、アクリントン相手にパイェの直接FKしか決められなかったウェストハムです。押していたストークはアルナウトヴィッチの一発に留まり、前半終了間際にライアン・メイソンにロングフィードをダイレクトで叩くスーパーボレーを決められると、終了間際の91分には自陣でボールを奪われ、最後はヘンリクセンにダイレクトシュートを許す最悪の展開。「サッカーでは、開始からの5分と終了間際の5分に気をつけましょう」と教えるためのテキストの最新版を作ってしまいました。前半はアクリントンに攻められ、決定的なシーンでのシュートミスが多かったハマーズは、1-0で何とか勝ったものの、ランジーニの奮闘以外にこれといった収穫はなさそうです。

悲喜こもごものEFLカップは、4回戦のドローが発表されましたが、何と！オールド・トラフォードで再びマンチェスターダービー、アンフィールドではリヴァプールVSトッテナムです。いやいや、早すぎますが、おもしろい！以下に、昨夜の結果と次戦のドローを整理しました。10月最終週、プレミアリーグのトップクラブが激突する最初のヤマ場がやってきます！

【EFLカップ3回戦　第2日結果】

【EFLカップ4回戦組み合わせ】