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絶品ポグバ、大当たりフェライニ!マンチェスター・ユナイテッドが完勝でEFLカップ決勝にリーチ!

体調不良のズラタンに代わり、ラシュフォードがトップに入っています。プレミアリーグ6位のマンチェスター・ユナイテッドと最下位ハル・シティが激突するEFLカップ準決勝。オールド・トラフォードでファーストレグを戦うモウリーニョ監督は、セーフティリードを築いて月末の2戦めを楽な試合にしたいところです。ルーニー、マタ、ムヒタリアンは4-2-3-1の2列めでしょうか。セントラルにはポグバとエレーラ。フィル・ジョーンズとスモーリングがCBで、左にダルミアン、右はバレンシアです。プレミアリーグで最少の17ゴールしか挙げていない貧攻ハル・シティは、スノドグラスとライアン・メイソンさえ抑え込めば問題は起こらないでしょう。キックオフ直後から、マンチェスター・ユナイテッドが飛ばしています。

開始2分、ムヒタリアンのパスで左サイドを抜けたダルミアンがグラウンダーを入れると、マタのボレーが左隅を襲いますが、GKヤクボヴィッチがビッグセーブ。7分にもムヒタリアンが左をドリブルで切り裂き、ラシュフォードがボレーで合わせますが、ゴール前でブロックされたボールにルーニーは触れません。サイドからひたすらグラウンダーというサー・アレックス・ファーガソン風味のシンプルなアタックに、ハル・シティはしっかり対応できていません。15分、ポグバと接触したハルのヘンリクセンは、脱臼でリタイアするようです。「NEWモウリーニョ」の異名を持つポルトガル人監督マルコ・シルヴァは、本家を前にどんな采配でアクシデントを切り抜けるのか。代わって入るのはアベル・エルナンデスです。

19分、ルーニーがダルミアンを走らせ、ニアに寄ったマタがドリブルでえぐった左からの崩しは、フリーでラストパスを受けたムヒタリアンが痛恨のシュートミス。ダイレクトパスを駆使してサイドを崩すまでは快調なホームチームは、フィニッシュに精度を欠いています。24分、エレーラとバレンシアで右サイドを攻略し、マタの落としを左足で狙ったムヒタリアンは、高く浮いた弾道を見て天を仰ぎます。26分、ダルミアンのロングクロスをルーニーがヘッドで流すと、バレンシアのボレーは力が入り過ぎてクロスバーを大きく越えていきます。ポグバとラシュフォードが立て続けに打ったミドルも決まらず。33分のエレーラの左足も、枠を捉えられません。

36分にCKの流れから放ったスノドグラスのシュートは、デ・ヘアが正面でキャッチ。マン・ユナイテッドの守備陣はセットプレーには要注意です。45分、ムヒタリアンが鋭いドリブルで中央を突破し、左を並走していたラシュフォードがノーマークでシュート態勢に入りますが、間に合ったロバートソンが足に当てて危機を脱しました。前半は0-0。ポゼッションは70%を超えているものの、フィニッシュが枠にいかず、「キャリックがいない4-2-3-1」で苦戦してきた典型的なパターンにはまっています。勝負のパスがことごとく通らないウェイン・ルーニーは、次の45分でプレイを修正することができるでしょうか。

後半開始早々にポグバが縦に通したスルーパスは、ムヒタリアンのタッチが大きくヤクボヴィッチの懐に収まります。51分、ラインの裏を狙ったポグバのロングフィードはルーニーにぴったりでしたが、右からクロスに放ったシュートはポストの外に切れてしまいました。今季プレミアリーグでわずか1ゴールのキャプテンに、全盛期の正確さはありません。しかし56分、ホームチームがようやく先制。チャンスメイクはやはりポグバでした。右サイドのバレンシアをフリーにしたパスは完璧。ハイクロスに競り勝ったムヒタリアンがヘッドで右のポスト際に折り返すと、飛び込んだのはファン・マタです。1-0となり、ハル・シティは必死で反撃を試みるものの、マン・ユナイテッドは落ち着いて対応し、シュートを打たせません。

59分、ルーニーをマルシアルは必然の交代。クラブ歴代最多の250ゴールは、次戦以降に持ち越しとなりました。71分にはムヒタリアンが下がってリンガードが登場。73分にポグバが蹴った強烈な直接FKは、急激に曲がってポストを叩き、追加点はなりません。マタに代えてフェライニを投入したのは、高さでもう1点という狙いか、クリーンシートで終わらせようとしたのか。スノドグラスのプレースキックだけが怖い状況で、ファールが減らないMFの起用には不安が募ります。ところが86分、モウリーニョ監督の采配が大当たり。左サイドでマルシアルが粘り、ダルミアンに落とすと、ファーに上げたクロスはフェライニの頭を捉え、ふわりと浮かしたシュートがGKの頭越しに枠に吸い込まれます。乗っているチームは、かくもうまくいくものなのか。88分、バレンシアのグラウンダーを叩いたマルシアルの決定的な一撃は、ヤクボヴィッチのビッグセーブに阻まれますが、2-0なら決まりでしょう。マンチェスター・ユナイテッドが、2月のEFLカップファイナル進出に大きく近づきました。

キャリックがいないときの戦い方という課題は残りましたが、ポグバとマタで何とかしてくれました。プレミアリーグ6連勝を含む公式戦9連勝、11月頭にELのフェネルバフチェ戦で敗れて以来、15戦負け知らずです。今日の夜、セインツとのEFLカップ準決勝をアウェイで戦うリヴァプールよりも1日多く休んで臨める日曜日のノースウェストダービーには、キャリックとズラタンが戻ってきてくれるでしょう。今のマンチェスター・ユナイテッドなら、一方的に押しこまれた10月のアンフィールドとは違う試合を見せられるのではないでしょうか。プレミアリーグの上位争いであり、2月のカップ戦ファイナルの前哨戦にもなるかもしれない一戦が、俄然楽しみになってきました。ポグバ、マタ、フェライニ…素晴らしい!

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“絶品ポグバ、大当たりフェライニ!マンチェスター・ユナイテッドが完勝でEFLカップ決勝にリーチ!” への4件のフィードバック

  1. MUFC より:

    強いですね。この調子でリバプールを迎え撃てるのは良いことですが彼等は中堅以上に強いので引き分けでも御の字。安定した強さをみせだしたモウリーニョユナイテッド。戦術的になにか変わったと思いますか?

  2. makoto より:

    MUFCさん>
    「ダイレクトパスやスルーパスを多用してSB・ウイングをフリーにする」「中央のMF3枚の距離を近くにキープして崩しにかかる」練習を相当やっているのではないかと思いました。バレンシアは元より、ダルミアンとマルシアルの動きが力強くなってますね。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    モウリーニョ好きとしては少し不思議な感じです。もちろん要素を取り出せばイブラとポグバを核と決めて彼らのチームとなるようにしつつ、その分高い要求をし続ける。フィジカルと高さのあるフェライニを守備堅めに必ず使い同時にその高さで追加点も狙うみたいなモウリーニョらしさは見受けられます。
    しかしモウリーニョにしては今季は怪我人が多かったり(チェルシーのメディカルが有能というのはあるにしろインテルやマドリーでも少なかった印象なので)、それまでにない多人数を抱えているのでかなり面子が変わるターンオーバーをしていたり、2バックやキャリックCBという采配をしたりとユナイテッドをモウリーニョ化したというより、モウリーニョがユナイテッドの色?に染まってきたような印象が少しあります。
    なので何のソースもない邪推ですがファーガソンと頻繁にワイン飲みながら相談とかしてるのかなあとか思いました。

  4. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    今までのスタイルを封印して、自身を攻撃的にモデルチェンジしている印象があります。成功したら、素晴らしいなと思います。

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