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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

岡崎慎司を、なぜ代えた!? 課題だらけのレスターは、チャンピオンシップ7位相手に敗戦寸前のドロー!

「彼は、まずは勝ち点40を求めている。もちろん、幸せな状況ではない」。ヴィチャイ・スリヴァッダナプラバオーナーと話したラニエリ監督は、今季のレスターの目標はプレミアリーグ残留だと明言しました。現在の勝ち点は21、残り16試合。後半戦に入ってからは、勝利どころかゴールもないチームにとって、試合数を上回る勝ち点を得るのは簡単なことではありません。中盤にカンテの代役となるエンディディを補強したものの、ルイス・エルナンデスとシュラップが出ていってしまったレスターは、最終ラインを強化しなければミッション達成は危ういのではないでしょうか。残り4分にようやく追いついて再試合に持ち込んだダービー・カウンティとのFAカップ4回戦を観て、あらためてそう感じました。

プレミアリーグ全20クラブのうち、リーグ戦でアウェイ勝利がないのはバーンリーとレスターのみ。前者はホームで8勝1分3敗と圧倒的な内弁慶ぶりを発揮しているのに対して、レスターは本拠地キングパワーでも5勝3分3敗とさほどいいわけではありません。アウェイ勝利はチャンピオンズリーグのクラブ・ブルッヘ戦とFAカップ3回戦の対エヴァートンだけというレスターは、敵地で早い時間に先制しながら、あっけなくひっくり返されてしまいました。8分、オルブライトンのCKがゴール前にこぼれ、ベアードに当たったボールがゴールに向かいますが、ダレン・ベントがキックミスを犯してしまい、0-1。アウェイサポーターは、「Who are ya!」の大合唱。昨季プレミアリーグ王者は、アンディ・キングとチルウェルを除く全員が優勝時のレギュラーメンバーです。チャンピオンシップ7位には、完勝するのだと思いました。ここまでは、ですが…。

21分のCKは、シュマイケルがパンチでボックスの外にクリア。サイドが薄かったレスターは簡単にクロスを入れられてしまい、ダレン・ベントが見事なヘッドで汚名返上です。さらに40分、シンプソンのクリアをトラップしたクリス・ブライソンにアンディ・キングがついていかず、ドリブルへの対応が遅れたウェズ・モーガンがコースに入る前に、きれいな左足シュートが右隅に刺さります。こんなシーンを観ると、「エンゴロ・カンテがいれば…」とつぶやいてしまいますが、昨季プレミアリーグ王者の守備の綻びは、中盤センターに負けす劣らずサイドも大きいのではないかと思います。

昨シーズンのリーグ戦36失点を既に越えてしまったラニエリ監督のチームは、以前は許さなかったフリーのクロスを簡単に上げさせてしまいます。シンプソンの不調、サイドのMFとSBの連携の悪さ、セントラルMFのカバーリングなど複合的な要因がありそうですが、縦のボールには滅法強かったウェズ・モーガンとフートのCBコンビは、横からのボールに苦戦。競り合いに負けて決められるシーンが目立っており、この日もダレン・ベントにやられてしまいました。

ジェイミー・ヴァーディとのコンビでゴールを狙う岡崎慎司は26分にカウンターを仕掛け、ドリブルでキーオを翻弄してミドルを放つも、GKカーソンのファインセーブに阻まれます。2-1とされた後半頭からは、フクスに代わったデマライ・グレイも加わり猛攻がスタート。49分には、右からのオルブライトンのクロスをニアに潜り込んだ岡崎慎司がヘディングシュート。コースは悪くなかったものの、ボールはピアスに当たって勢いを失ってしまいました。このCKのクリアを右に展開したレスターは、オルブライトンの高速クロスをGKカーソンにセーブされると、こぼれ球をフリーのデマライ・グレイが右足でシュート。入ったかに思われた一撃はGKの足にきれいにはさまり、22番は天を仰ぎます。さらに50分、岡崎慎司が右からドリブルで仕掛けると、グラウンダーを受けたヴァーディがさらに左に流し、デマライ・グレイの2発めは今度はポスト!リバウンドをフォローした岡崎慎司は、最初のシュートをDFに当てた後のボールも支配し、フリーで右足を振り抜きますが、左右にコースがなかったためにカーソンの正面に飛んでしまい、同点はなりませんでした。

64分、ラニエリ監督はアフリカから帰ってきたマフレズを投入しますが、動きはよかった岡崎を代えた判断には疑問が残ります。プレミアリーグで3ゴールに留まっているマフレズは、中央に入ってくるアグレッシブなドリブルは影を潜め、試合展開は明らかに交代策の失敗を示していました。86分にCKを決めたウェズ・モーガンに、ラニエリ監督は感謝しなければなりません。マフレズを入れるなら、アンディ・キングかシンプソンを下げるべきだったと思います。昨季は岡崎を毎試合起用していたので、体力を考慮して途中交代する意図はわかりましたが、今はその必要はないでしょう。2-2で何とか再試合としたものの、最終ラインの横からのボールに対する弱さ、ヴァーディ&マフレズの不振、杓子定規な采配が気になった一戦でした。レスターは、前途多難です。

本日のFAカップ4回戦には、リヴァプール、マンチェスター・シティ、チェルシー、アーセナルが登場します。よくばり派のプレミアリーグファンにとっては、ひとつ明日にまわしてくれといいたくなる日程ですが、圧勝しそうなチェルシーよりクリスタル・パレスとアウェイで戦うマン・シティ優先でしょうか。週末の2日間は、FAカップ一色でお届けしてまいります。

【FAカップ4回戦日程・結果】(水色はプレミアリーグ所属クラブ)
1月27日(金)
ダービー・カウンティ 2-2 レスター

1月28日(土)
リヴァプール VS ウルブス
トッテナム VS ウィコム
オックスフォード VS ニューカッスル
リンカーン VS ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン
チェルシー VS ブレントフォード
ロッチデール VS ハダースフィールド
バーンリー VS ブリストル
ブラックバーン VS ブラックプール
クリスタル・パレス VS マンチェスター・シティ
ミドルズブラ VS アクリントン・スタンリー
サウサンプトン VS アーセナル

1月29日(日)
ミルウォール VS ワトフォード
フラム VS ハル・シティ
サットン VS リーズ
マンチェスター・ユナイテッド VS ウィガン

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