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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ジルー先制、モラタ&アスピリクエタのホットライン復活!チェルシーは完勝でFAカップ決勝へ!

昨日、マンチェスター・ユナイテッドがファイナル進出を決めたFAカップ。もうひとつの準決勝を制するのは、プレミアリーグ5位のチェルシーか、18位のサウサンプトンか。コンテ監督は最前線にジルーを起用し、ウィリアン、アザールと連携させようとしています。中盤はカンテとセスク、WBはヴィクター・モーゼスとエメルソン。GKカバジェロの前には、リュディガー、ケーヒル、アスピリクエタの3枚です。吉田麻也とフートのCBコンビは、冬にチェルシーに加わったストライカーの高さにやられてはいけません。

キックオフから押していたチェルシーは、5分にアザールが左足でミドルを放つも枠の上。1分後、セインツのカウンター。右サイドからの長いボールが最前線のチャーリー・オースティンに通りますが、右足のシュートはニアに外れてしまいます。直後、ウィリアンが右45度から狙った左足のシュートは、GKマッカーシーの頭上を越えてクロスバーにヒット。チェルシーのアタックをセインツが耐える展開となりそうです。12分、アザールが右から2人を抜き去り、セスクのリターンをニアで受けて右足を振り抜くと、足元に入った吉田麻也がブロック。14分のウィリアンの直接FKは、うまく落とせずにクロスバーを越えていきます。

18分、中央をドリブルで斬切り裂いたウィリアンは、ラストパスがジルーに合いません。縦へのパスが通らないチェルシーは攻めあぐんでいます。24分、左から上がったセインツMFレミナのシュートは、枠にいかず。アザールが左サイドをドリブルで崩し、ニアに速いボールを入れたチャンスは、フートがジルーにプレッシャーをかけてボレーを外させました。カウンター狙いに徹するセインツ。セスクとカンテまでは自由に持てるものの、その先を抑えられているチェルシー。39分にセスクが中央に浮かしたボールは、ボレーを狙うジルーに吉田麻也が寄せ、ストライカーは枠内に打てません。カップ戦のノックアウトラウンドらしい神経戦は、ウェンブリーに詰めかけたサポーターが盛り上がるシーンがないまま、ハーフタイムに突入しました。

開始28秒、チェルシーの初めての枠内シュートは、オリヴィエ・ジルーの3人抜きの先制ゴールでした。セスクの浮き球を巧みにトラップしたアザールが、足を滑らせながらも脇にいたジルーにラストパス。レミナ、吉田麻也、セドリク・ソアレスを次々とかわしたジルーは、ベドナレクのチェックが来る前にトーキックでゴールに押し込みました。攻めなければならなくなったセインツ。マーク・ヒューズ監督のベンチには、タディッチ、ウォード=プラウズ、レドモンド、カリージョ、ガッビアディーニが控えています。54分、左から入ったロングフィードをチャーリー・オースティンがスルーすると、シェーン・ロングがカバジェロの前に飛び出しますが、最初のタッチが長すぎてシュートを打てませんでした。

マーク・ヒューズ監督が動いたのは63分。ホイビュルクとシェーン・ロングに代えて、タディッチとレドモンドを投入します。CKを連続してゲットし、ハイボールを上げ続けたセインツは、シュートを枠に飛ばせず。72分、タディッチが競ったこぼれ球を拾ったレドモンドが、中央に持ち込み強烈なシュートを放ちますが、カバジェロがビッグセーブ。ヴィクター・モーゼスのパスを受けて左足を振り抜いたアザールも、マッカーシーの見事なセービングに阻まれます。76分、コンテ監督はウィリアンとセスクを下げて、ペドロとバカヨコを起用。アザールが右から持ち込み、高速グラウンダーを入れると、バカヨコの前で吉田麻也がブロックしました。

セインツはガッビアディーニに望みを託し、ジルーはモラタにチェンジ。プレミアリーグ11ゴールのストライカーは、ダメ押しゴールを期待されています。チェルシーの9番は、最初のプレイで結果を出しました。プレミアリーグで6発決まっているアスピリクエタとのホットライン。右からのクロスは完璧で、叩きつけたヘディングにマッカーシーは反応できませんでした。84分、バートランドのクロスにファーから飛び込んだチャーリー・オースティンのボレーはファーポストにヒット。アザールの折り返しをフリーで叩いたモラタのボレーは、フートが戻ってゴールライン直前で掻き出しました。セインツの健闘はここまで。昨季プレミアリーグ王者が2-0で勝利し、マンチェスター・ユナイテッドとのファイナルに駒を進めました。

71分のカバジェロのファンブルがゴールと認められていれば、別な結果もあったかもしれませんが、後半はアザールに翻弄され続けたセインツがチェルシーを上回ることはなかったでしょう。前半は成功していた5バックは、1点をリードされると「攻撃力が足りないフォーメーション」でしかなく、ラスト15分の4-4-2に期待したのは2点めが決まるまでの2分のみ。モラタの一撃で勝負は決し、マーク・ヒューズ采配は空振りに終わってしまいました。昨季プレミアリーグ王者とヨーロッパリーグ覇者が激突するファイナルは、どんな試合になるでしょうか。両者の持ち味が発揮されるとすれば、1点を争う神経戦でしょう。アザールは止まるのか、ポグバは実力を証明するのか、デ・ヘアVSクルトワは…国内最後の試合となるウェンブリーでの決戦が、今から楽しみです。

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