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4部リーグ15位とプレミアリーグ最強王者が対決!FAカップらしい一戦を堪能しました。

ニューポート・カウンティについて、その歴史や現在の選手について語れる方がどれだけいるでしょうか。プレミアリーグジャンキーな私も、さすがにリーグ2(4部相当)のクラブまで手がまわりません。1912年に創設された彼らのトピックスを挙げるとすれば、ウェールズのクラブで争われるウェリッシュカップを1980年に制していること、1980年代にリヴァプールで活躍したジョン・オルドリッジの出身クラブであることぐらいです。2012-13シーズンにカンファレンスナショナルで3位に食い込んでリーグ2昇格を果たした小さなクラブは、2015-16シーズンから2季連続で降格ラインすれすれの22位に沈み、昨季は11位にジャンプアップ。2018-19シーズンは12勝7分12敗で15位です。FAカップでは、1回戦でメトロポリタン・ポリス(7部相当!)に順当勝ちし、2回戦はカンファレンスナショナル所属のレクサムとのウェールズ対決を再試合で制しました。

年明けに開催された3回戦は、プレミアリーグ所属のレスター相手に大健闘。82分にゲザルのゴールで1-1と追いつかれた直後にアモンドが決勝ゴールをゲットし、ジャイアントキリングを達成しました。4回戦は、チャンピオンシップ所属の格上ミドルズブラと当たり、1-1の後のリプレイで2-0完勝。マンチェスター・シティを本拠地ロドニー・パレードに迎えた5回戦は、ここまでがんばったチームに対する極上のごほうびです。プレミアリーグ最強王者と4部15位が当たる試合に、勝ち負けを争う緊張感はありませんが、いかにもFAカップらしい雰囲気を愉しむことはできそうです。4300人しか収容できないスタジアムに集うサポーターになった気分で、彼らを応援してみようと決めました。

チャンピオンズリーグのシャルケ04戦を控えたペップは、メンバーを落としてきました。といっても、ダニーロ、ジンチェンコ、フィル・フォーデン、マフレズ、ガブリエウ・ジェズスは、プレミアリーグ先発が15試合以下ではありながらも、4部15位から見れば雲の上にいるトップクラスです。8分にきれいな切り返しからボックス右を崩したマフレズは、角度のないところからシュートを放ちましたが、プレミアリーグのゲームだったら決めてくれる味方を探していたでしょう。10分に中央からドリブルで上がったフェルナンジーニョも、普段なら打たないロングシュート。王者は格下を呑んでかかり、小規模クラブはスター揃いのチームをリスペクトしています。

14分、ニューポートのロングスロー。ゴール前で競り合ったボールが左に流れ、フリーのバーキンソンがヘッドでプッシュした瞬間、思わず立ち上がってしまいましたが、エデルソンが右に弾き出すビッグセーブ。マフレズがミドルレンジから打ちまくるマン・シティは、いつもより持てるのが仇となり、ボックス左から上がったサネも強引に狙って枠を外しています。前半が終わった瞬間、黄色いシャツのDFたちに拍手を送ってしまいました。ハーフタイムは何と0-0。ジャイアントキリングの予感が漂ってきたというにはまだ早い時間ですが、チェルシーが25分で4点獲られたチーム相手にイーブンは最高の途中経過です。

50分まで耐えたニューポートは、左サイドから仕掛けたガブリエウ・ジェズスとサネにやられてしまいました。ボックス左から放ったサネのシュートはやはり強引でしたが、GKジョー・デイが弾き切れずに顔面にヒットし、ライン付近でバウンドしたボールは逆サイドのネットに吸い込まれてしまいました。なおも当たり前のように攻めるマン・シティ。鼻血を止める処置をしたジョー・デイは大忙しです。57分、ガブリエウ・ジェズスとのワンツーでゴール前に出たのはダニーロ。ニアを狙ったシュートにGKが触り、ポストにヒットしたボールはDFがクリアします。0-1で粘っていたチームは、残り15分で追加点を奪われてしまいました。右から持ち込んだフィル・フォーデンが、軽やかなステップでバトラーをかわして左足でフィニッシュ。ジョー・デイは手に当てるのが精一杯で、外に弾き出すことはできませんでした。

85分にサネとの1対1を守護神がセーブすると、ニューポートサポーターに歓喜の瞬間が訪れます。88分、自陣からのロングボール1発。途中出場のラポルテがうまくクリアできず、オタメンディと競ったアモンドが足に当てると、中途半端に前に出ていたエデルソンは頭上を越えるボールを見送るしかありませんでした。1-2、これで試合はわからなくなった…とテンションが上がったのは1分のみ。89分にドリブルで上がったフォーデンが左足を振り抜いてニアに突き刺し、勝負を決めると、94分にはジョン・ストーンズのパスをボックス左で受けたマフレズが左足でクロスに叩き込みました。アモンドのゴールがなければ、0-2で終わっていたのではないでしょうか。ホームチームの意地の一撃は、クルージングモードだった王者のスイッチを押してしまう結果となりました。

スタンドのサポーターは、「1-4だぜ!」と笑顔を見せています。誇らしいのは最後に決めた1点か、4点に抑えたほうか。その答えは、ニューポートの公式サイトにUPされたマッチレポートに書いてありました。ドラマチックな筆致で綴られた記事に、こんな一節があったのです。

You have to remember, this is a Manchester City side who this season alone have put seven past Rotherham, six past Chelsea, nine past Burton Albion and five past Cardiff City. (思い出さなければならない。これぞマンチェスター・シティで、このシーズンだけでもロザラムが7点、チェルシーは6点、バートン・アルビオンは9点、カーディフは5失点を喫しているのだ)」

確かに!1-4は素晴らしい結果です。ウェールズの小さなクラブにとって、なかなか対戦できないプレミアリーグ王者に対する大健闘は、この先10年20年と輝き続ける素晴らしい思い出となるのでしょう。ロドニー・パレードのサポーターに感情移入しながら観ていると、胸が熱くなるナイスゲームに感じられました。レポートのこんな言葉に、フットボールは、あるいはFAカップは勝利ばかりが価値ではないのだと思い知らされます。

You did everyone proud County. You were magnificent, humble and gave us all memories that will last for the rest of their lives. Thank you.(みんながカウンティを誇らしく感じるようにしてくれた。堂々と戦い、謙虚でもあり、これからの人生に残り続ける思い出を与えてくれた。ありがとう!)」

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“4部リーグ15位とプレミアリーグ最強王者が対決!FAカップらしい一戦を堪能しました。” への6件のフィードバック

  1. イレブン より:

    いい話ですね、心温まるレポートありがとうございました!
    小さな街のクラブのFAカップ、地元の人たちの末代まで語られる良い思い出になったようですね。

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です
    おらが街のフットボールチームへの愛が溢れた内容だと思います。これもこの国のフットボール文化の素晴らしいところだと思います。

  3. グッチ より:

    更新お疲れ様です。これこそがFAカップの醍醐味ですね!普段は中々接点のない下部リーグのチームやアマチュアのチームが大金星を挙げるのは判官贔屓もしたくなります。現地サポーターの期待に応えレスターを破り大健闘したイレブンはタイトルは無くとも地元の英雄となるでしょう。

  4. ペップの街 より:

    更新有難うございます。
    昨年ウィガンに不覚を取ったペップのチームはジャイアントキリングのチームを十分リスペクトして、戦力ダウンとならない程度のローテーションで臨みました。
    ピッチコンディションにも悩まされましたが、まずは無難な勝利でした。
    4冠の可能性がある以上は超過密スケジュールにも挑まなくてはなりませんが、選手層が厚すぎてジェジュスやマフレズ、サネもが出場機会に十分に恵まれない状況であり、連戦はむしろ彼らをうまくローテすることでコンディション維持になると思いたいです。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    マンチェスターダービーの日程がずれる事が確定しましたね

  6. ペップの街 より:

    FAカップ、CL、勝ち上がればますますタイトな試合日程になり、プレミアリーグのフィクスチュアもその都度延期、前倒し。でも4冠がもし達成出来たら奇跡だし、一生の思い出になるでしょう。
    それと、Makotoさん、及び皆さんのニューポートへの心温まる賛辞、とても良かったです。ホームタウンティームに声援を送る少年の姿が微笑ましく、印象的でした。確かに彼は大人になってもこのゲームと、ホームチームが挙げた1点を忘れないでしょうね。

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