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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

オーバメヤン2発、CBは堅守でリベンジ!マン・シティを撃破したアーセナルがFAカップ決勝進出!

マンチェスター勢VSロンドン勢の組み合わせとなったFAカップ準決勝。土曜日の夜、ウェンブリーに登場したのは昨季王者のマンチェスター・シティと最多優勝のアーセナルです。プレミアリーグ2位を確定させ、CLとこの大会が最優先となったペップのチームに対して、プレミアリーグ9位のガナーズは火曜日のアストン・ヴィラ戦も重要です。

…いや、アルテタ監督は、苦しかったシーズンの最後を、得意のコンペティションを制して終わらせようとしているに違いありません。GKマルティネス、3バックにムスタフィ、ダヴィド・ルイス、ティアニー。中盤センターにダニ・セバージョスとジャカ、アウトサイドはベジェリンとメートランド=ナイルズ、前線にニコラ・ペペ、ラカゼット、オーバメヤン。6月から導入した3-4-3は、明らかに本気で勝とうとしている顔ぶれです。

対するペップの11人もまた、見慣れたメンバーです。GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、エリック・ガルシア、ラポルテ、バンジャマン・メンディ。MFギュンドアン、デブライネ、ダヴィド・シルヴァ、FWマフレズ、ガブリエウ・ジェズス、スターリング。立ち上がりからマン・シティがボールを支配し、ニコラ・ペペが下がったアーセナルは5-3-2です。4分、ダニ・セバージョスが自陣で潰され、左のスターリングにパスが通ると、速いクロスはティアニーがクリア。再開後のプレミアリーグで、ビルドアップやバックパスのミスを突いたゴールが6つもあるガナーズは、前の3人でCBとSBを追い回しています。

9分、自陣のボックス右でムスタフィがスターリングに奪われ、ダニ・セバージョスが必死にカバー。とんでもないピンチでしたが、8番に当たったボールをジャカが蹴り出し、昨季プレミアリーグ王者は先制のチャンスを活かせません。ジャカ、ベジェリンが次々と前に飛び出し、マン・シティのビルドアップのミスを誘うガナーズ。16分にはダヴィド・ルイスが敵陣でインターセプトし、オーバメヤンに絶妙なスルーパスを通します。プレミアリーグ20ゴールのエースは、エデルソンと1対1になりますが、フィニッシュを正面に打ってしまいました。

ハーフライン付近を奪ったベジェリンが、右から攻め上がったのは18分。外にいたニコラ・ペペに預けると、切り返しを入れたレフティがファーポストに向かうクロスをフィードします。ぎりぎりで追いついたオーバメヤンのハーフボレーは角度がなく、触るタイミングもコースも難しいフィニッシュでしたが、ファーポストに当てて枠に収めるスーパーショット!マン・シティの反撃は、給水タイムで水を差された感があります。左サイドを何度も蹂躙しているバンジャマン・メンディは、クロスを味方に通せず。28分、ベジェリンが中央のガブリエウ・ジェズスにプレゼントした心臓が凍るミスパスは、落としを受けたデブライネのシュートにジャカが飛び込んで帳消しにしました。

30分、デブライネがビルドアップに加わり、キープしようとしたボールをジャカがプッシュ。エデルソンと1対1になったオーバメヤンは、脇にいたニコラ・ペペに打たせようとしますが、ギュンドアンが戻ってカットし、2つめの失点を回避しました。前から奪いにいき、無理と判断するとバイタルエリアにラインを敷くガナーズのフォーメーションは合理的です。40分、左からのCKを巧みに合わせたムスタフィの決定的なヘディングは、エデルソンが上に弾き出すビッグセーブ。いつになくパスの精度が低いマン・シティは、GKマルティネスを脅かすシーンなきまま、リードを許してハーフタイムを迎えました。

後半も、ポゼッションはマン・シティ。48分のCKのクリアを左で拾ったデブライネは、縦パスでスターリングに打たせますが、右足の一撃は浮いてしまいます。1分後、ダヴィド・シルヴァが左サイドに流れたデブライネを使うと、優しいグラウンダーを叩いたスターリングのボレーは右のポストぎりぎりを抜けるキックミス。前線の3人を上がらせるときはフランス語のアルテタ監督が、大声で叫ぶシーンが増えています。54分、右から上がったマフレズが切り返しでメートランド=ナイルズをかわした得意のシュートは、ニアに反応したマルティネスががっちりキャッチしました。

61分に左から直接狙ったデブライネのFKは、惜しくも左のポストの外。63分にスライディングでスターリングを止めたムスタフィは、VARがファールなしとジャッジしました。直後のCKは、スターリングの顔に当たったボールをマルティネスがキャッチ。ペップは66分にギュンドアンとマフレズを下げ、ロドリとフィル・フォーデンで勝負です。1分後のCKが左サイドに流れ、バンジャマン・メンディの折り返しが右のデブライネに届きますが、ニアに入った高速グラウンダーに飛び込んだダヴィド・シルヴァが右に外してしまいました。

ディフェンディングチャンピオンの攻勢は、給水によってクールダウン。ガナーズが追加点をゲットしたのは、ピッチに戻って間もない70分でした。CKのクリアから、左サイドに出たティアニーがニコラ・ペペに当て、落としをもらって丁寧に縦に通したラストパスはパーフェクト。オーバメヤンが独走し、エデルソンと3度めの1対1を迎えると、冷静にGKの足元を抜き、ガナーズのリードは2点に広がりました。

73分、バンジャマン・メンディのパスを受けたダヴィド・シルヴァが縦パスでスターリングを走らせると、ムスタフィを軽くかわして放ったシュートはダヴィド・ルイスがブロック。チェルシーから来たCBは、リヴァプール戦に続いて的確なポジショニングで相手のチャンスを潰し続けています。78分にフォーデンのクロスをカットしたのも23番。ニコラ・ペペをウィロックに代えたアルテタ監督は、79分にラカゼットをルーカス・トレイラにスイッチし、逃げ切ろうとしています。87分には、負傷したムスタフィと疲労困憊のダニ・セバージョスを下げ、ホールディングとコラシナツ。ハーフコートマッチを続けたマン・シティは、ラスト20分をオンターゲットゼロに抑えられました。

アーセナル、2-0完勝!ポゼッションは30対70、シュート数は5対12と劣勢ながら、オンターゲットは5対2と圧倒し、狙い通りの結果を手に入れました。ラインの裏を取り続けて2発ゲットのオーバメヤン、終始冷静に最終ラインを束ねたダヴィド・ルイス、パスセンスのよさを見せつけたティアニー、アグレッシブなチェイシングと最終ラインのフォローでクリーンシートに貢献したジャカ。キープ力を武器に2つのゴールに絡んだニコラ・ペペと、最後に足をつったメートランド=ナイルズも、勝利の立役者に加えるべきでしょう。

グーナー号泣必至の、今季のベストバウト。8月1日の決勝の相手は、マンチェスター・ユナイテッドかチェルシーか。どちらが来ても、今日の前半のフットボールを徹底できれば、トロフィーに手が届くのではないでしょうか。タイムアップの笛が鳴った後、メートランド=ナイルズを抱きしめ、強い口調で健闘を称えていたダヴィド・ルイスの姿が印象的でした。散々な出来だったプレミアリーグ28節のエティハドが嘘のような素晴らしいパフォーマンスで、リベンジに成功しましたね。ファイナル進出、おめでとうございます!


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