イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

三笘のアシストでFAカップ8強進出!主力を売り続けるブライトンがクラブレコードをめざせる理由。

決勝ゴールは30分。ルイス・ダンクの素晴らしいスルーパスでGKボナムの前に躍り出たのは、直近のプレミアリーグ2試合でゴールを生み出せなかった三笘薫です。ファーを見ていた日本代表FWは、GKを引き付けて完璧なラストパスをフィード。無人のゴールにプッシュしたのは、18歳のエヴァン・ファーガソンでした。

FAカップ5回戦で、ストークの本拠地ブリタニアに乗り込んだブライトンは、第2GKのスティールの好守もあって0-1で逃げ切りました。ロベルト・デ・ゼルビ監督が苛立つ姿が印象的だった厳しい一戦。アシストに加えてチャンスメイク3回、ドリブル成功1回を記録した三笘のハイライトは74分でした。

後方からのクロスをウンダフがヘッドで右に送ると、フリーだった三笘のボレーは、足を出したボナムのビッグセーブに阻まれました。ソリー・マーチやアダム・ララナが不在の布陣で、いつもよりプレーエリアを広げたウインガーは、後ろからのボールが微妙に合わず、シュートは2本に留まっています。

2016-17シーズンのチャンピオンシップで2位に食い込み、プレミアリーグに昇格したチームは、5シーズン連続で残留というミッションを果たし、昨季はクラブ史上最高の9位でフィニッシュしています。今季プレミアリーグは、22試合を終えて10勝5分7敗の8位。初めてのEL出場権獲得をめざしつつ、FAカップでも8強に進出しました。

「BBC」のサイモン・ストーン記者は、「How Brighton keep ‘crashing through the ceiling’(ブライトンが天井を突き破る方法」と題した記事のなかで、躍進の要因について「オーナーのトニー・ブルーム氏のヴィジョン」「計画的な補強と売却」と指摘しています。過去2年を振り返ると、多くの主力を手離しながら、クラブレコードをめざせる位置にいることに驚かされます。

2021年の夏に、ベン・ホワイトをアーセナルに売却し、冬はダン・バーンがニューカッスルへ。昨夏のマーケットでは、イヴ・ビスマ、マルク・ククレジャ、ニール・モペイらを手離し、1億4000万ポンドをゲットしています。1月には、レアンドロ・トロサールがアーセナルに移籍。これほど一気にキーマンを失えば、残留争いに巻き込まれてもおかしくありません。

彼らの強みは、「トップリーグで最も妥協しない交渉相手」と評されるビジネスセンスと、伸びしろがある選手を見極める力です。ベン・ホワイトと入れ替わりで加わったのは、三笘薫、ククレジャ、ウンダフなど。1500万ポンドで獲ったククレジャは、1年後にチェルシーに売る際に値引き要求に屈せず、6000万ポンドに膨らませました。

キーマンを複数抜かれた昨年も、空いたポジションに後継者を据えています。ククレジャのポジションにはエストゥピニャン、イヴ・ビスマの後釜はビリー・ギルモア。トロサールが抜けても得点力が落ちなかったのは、最前線に抜擢されたエヴァン・ファーガソンが公式戦12試合5ゴールと結果を残したからです。

ブライトンが引き抜かれたのは、選手だけではありません。9月には、グレアム・ポッター監督と、リクルーティングの責任者だったポール・ウィンスタンリーさんがチェルシーへ。ダン・アシュワースTDも、ニューカッスルに居場所を移しています。

新戦力が移籍したキーマンの穴を埋めたように、アシュワースTDの後任のデイヴィッド・ウィアーさんも、ブライトンのポリシーを受け継いでいます。アーセナルに行きたがっていたカイセドの流出を阻止したディレクターは、人材発掘についてこう語っています。

「プレミアリーグで通用する選手を買うことはほとんどない。プレミアリーグの選手になれるような人材を買い、育てようと思っている。いうのは簡単だけど、実践するのはとても難しい」

ブライトンがクラブ史上初のEL出場権獲得を実現したとしても、カイセド、マック・アリスター、三笘薫、エストゥピニャンは出ていく可能性があります。若手が活躍するたびに手離してきたクラブは、新たな逸材を見つけ、育て、そしてまた売るのでしょう。サイモン・ストーン記者は、記事の結びとしてポール・バーバーCEOの言葉を紹介しています。

「どんな状況にも対応する答えを用意していると考えるのは、傲慢なのかもしれない。正直にいえば、『うわ、これは今までになかった』と思うような状況にも出くわした。われわれはすべてを正しく理解できるわけではない。人間だからね。今のようないい状態のときも謙虚でいなければならない。フットボールの世界はすぐに激変するから」

「でも今は、できる限り前に進みたい。120年の歴史がありながら、メジャーなトロフィーを獲得したことがなく、ヨーロッパへの出場権もなく、プレミアリーグで8位以上になったこともない。このクラブができることは、まだまだたくさんあるということだ」


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す