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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ギュンドアンの2発でFAカップを制したマンチェスター・シティ、ついにトレブルにリーチ!

1998-99シーズンに唯一のトレブルを達成したクラブが、最強王者の追随を止めるのか。プレミアリーグで3連覇を果たしたクラブが、悲願のビッグイヤー制覇とトレブルに大手をかけるのか。ウェンブリーで開催されるFAカップ決勝は、大会史上初のマンチェスターダービーです。

プレミアリーグの最終盤にテンションを緩め、ブライトン戦とブレントフォード戦でポイントを落としたマンチェスター・シティは、ベストコンディションに戻っているのでしょうか。CLのファイナルにピークを持っていきたい彼らに対して、マンチェスター・ユナイテッドは全力で向かってくるはずです。

ペップ・グアルディオラは、この大会で全試合出場のオルテガにゴールマウスをまかせています。最終ラインはカイル・ウォーカー、ルベン・ディアス、アカンジ、セントラルMFはジョン・ストーンズとロドリ。2列めにベルナルド・シウヴァ、デブライネ、ギュンドアン、グリーリッシュが並び、最前線にハーランドの3-2-4-1です。

対するテン・ハフのチームは、リサンドロ・マルティネス、ザビッツァー、アントニー、マルシアルを欠く苦しい布陣で戦います。GKデ・ヘア、DFワン=ビサカ、ヴァラン、リンデロフ、ルーク・ショー、センターはカゼミーロとフレッジ。2列めにブルーノ・フェルナンデス、エリクセン、サンチョ、ワントップにラシュフォードという並びでしょう。

国内ダブルを賭けた一戦は、15時キックオフ。ベルナルド・シウヴァが後ろに戻したボールをオルテガが前線に蹴ると、ハーランドがヘッドで前に送り、リンデロフのクリアがギュンドアンの足元に落ちました。ここまで13秒、右隅に飛んだダイレクトショットにデ・ヘアは反応できず。いきなり先制されたマンチェスター・ユナイテッドは、王者の猛攻を受けています。

4分に右からFKを蹴ったのはデブライネ。ロドリのヘッドは、右のポストすれすれを抜けていきました。ブルーノが自陣で奪われた6分のショートカウンターは、グリーリッシュのシュートが左にアウト。スタンドで観戦するサー・アレックス・ファーガソンは、苦い表情で首を振っています。

8分にカゼミーロが放ったロングシュートは、ジョン・ストーンズが冷静にブロック。マン・ユナイテッドのプレスは簡単にかわされ、左右のサイドで受けにまわるシーンが続いています。15分にラシュフォードが前線で収め、右のサンチョが絡んだ速攻は縦に抜ければ決定機でしたが、マン・シティの3バックが落ち着いて対応しました。

17分、左でフリーになったギュンドアンが低いアーリークロス。ハーランドのスライディングボレーはうまく当たらず、デ・ヘアが懐に収めています。プレミアリーグ36ゴールのモンスターは、21分に強引なドリブルでヴァランをかわしますが、左足のフィニッシュは浮いてしまいました。

24分、右に出たカゼミーロが中央に浮き球を入れると、ラシュフォードのヘッドは左のポストの外。28分に右サイドのベルナルド・シウヴァからセンターでもらったデブライネは、左足のミドルを右ポストぎりぎりに外しました。ブルーノの浮き球をワン=ビサカと競ったグリーリッシュが手に当てたシーンは、少し遅れてVARが介入。ポール・ティアニーのジャッジはPKです。

ブルーノ・フェルナンデスのキックは、オルテガの逆を突いて左へ。グリーリッシュの縦パスでジョン・ストーンズがボックス左に出た39分のチャンスは、折り返しに反応したフレッジが体を入れ、デブライネに打たせません。エリクセンのCKを、ニアのカゼミーロが後ろに流したのは42分。ヴァランのボレーは左に逸れてしまいました。

前半は1-1、ポゼッションは60%対40%、シュート数は6対5、オンターゲットは2対1。マンチェスター・ユナイテッドの前線はパスコースを切れるようになり、同点になってからはシュートを許していません。後半は静かな立ち上がり。49分にボックス右に出たデブライネのグラウンダーは、味方に合いませんでした。

52分、デブライネが右から蹴ったFKはサインプレー。ボックスの外で左足を振り抜いたギュンドアンのボレーはデ・ヘアが弾き切れず、ネットに吸い込まれました。何とか攻めに転じたいマンチェスター・ユナイテッド。エリクセンはパスの精度を欠き、サンチョは詰められてロストするシーンが目立っています。

61分、ギュンドアンの縦パスを受けたデブライネが、左に流れながらフリーでシュート。動かなかったデ・ヘアが足でブロックし、追加点を許しません。テン・ハフ監督はここでエリクセンを諦め、ガルナチョを投入。マン・ユナイテッドのラインは間延びし始めており、カウンターを喰らったら一気に決定機になりそうです。

69分のラシュフォードの強烈なミドルは、惜しくもクロスバーの上。72分にブルーノとのパス交換で中に入ったガルナチョのシュートも、右のポストの脇を抜けていきました。ペップの1枚めは76分、デブライネをフォーデン。78分にサンチョが下がり、ヴェグホルストとラシュフォードの2トップになったようです。

リンデロフに代わってマクトミネイが入ったのは83分。カゼミーロを抜いてゴール前に出たハーランドは、ヴァランのクリアを足に当てるも、ボールは枠の左に逸れていきました。89分にグリーリッシュが下がり、ナタン・アケ。追加タイムは4分しかありません。

92分、ルーク・ショーのクロスから始まった混戦は、ヴァランのシュートをゴールライン上のジョン・ストーンズが頭でクリア。浮いたボールを叩いたマクトミネイのヘッドも、オルテガが上に弾き出しました。13対15とシュート数で上回ったマンチェスター・ユナイテッドは、オープンプレーから決められないまま、タイムアップの笛を聞きました。

シティズンのみなさん、2冠達成おめでとうございます。ハーランドを抑えただけに、悔いが残る敗戦でした。最初の失点は8番を称えるのみ。2発めは、ニアを切っていたヴァランが出した膝の上をすり抜けた不運な弾道でした。最後のヴァランの一撃など、「たら・れば」をいいたくなるシーンもありましたが、フリーで打たせなかったマン・シティ守備陣をほめるべきでしょう。

10回戦ったら7回は負けるであろう強者と向き合い、勝ち負けに持ち込んだ選手たちを賞賛したいと思います。司令塔の役割を果たしたブルーノ、アグレッシブに仕掛けたガルナチョ、的確な判断で左サイドを落ち着かせたルーク・ショーは素晴らしいパフォーマンスでした。途中出場の18歳は、来季はレギュラーとして左サイドで暴れてもらえればと思います。

テン・ハフの1年めが終わりました。プレミアリーグ3位、カラバオカップ制覇、FAカップのファイナリストという結果は上々といっていいでしょう。オフシーズンに前線とCBを強化し、優勝争いに食い込めるチームになって、開幕を迎えてくれるはずと期待しています。


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