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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

偽SB、アンカー、インサイド…トレント・アレクサンダー=アーノルドのベストポジションは?

プレシーズンツアーのゲームは、明るい撃ち合いが盛り上がります。国立競技場で開催された横浜F・マリノスVSマンチェスター・シティは、2点リードのJリーグがGKのミスで前半のうちに追いつかれ、後半から登場したハーランドが当たり前のように2発ゲットで3-5。新シーズンもゴールを量産するぞと予告するかのような幕切れでした。

フィラデルフィアのプレミアリーグサマーシリーズ、チェルシーVSブライトンも楽しい一戦でした。FKから三笘がヘッドで折り返し、ウェルベックが決めたのは13分。新生チェルシーは、同点ゴールをお膳立てしたチュクエメカ、巧みなワンタッチで流し込んだエンクンク、左からゴールに斬り込むマートセンのアグレッシブなプレイが目を引きました。

4-3の勝利の立役者は、後半から入ったニコラス・ジャクソン。ワンツー連発でムドリクの移籍後初ゴールをアシストしたストライカーは、72分にカサディのシュートのこぼれ球を収め、完璧なツータッチでゴール前に転がしてコナー・ギャラガーに決めさせました。勝負を決する4点めは、ククレジャの絶妙なフィードで自身が裏に抜け出し、迷わずど真ん中に突き刺しています。

先週の木曜日にドイツで行われたカールスルーエVSリヴァプールも、2-4というエキサイティングな展開でした。GKとの1対1で打たなかった弱気なダルウィン・ヌニェスが、サラーのリターンを押し込んだのは3分。ホームチームに逆転されると、69分のクロスに競り勝ったジョッタの折り返しをコーディー・ガクポが振り向きざまに叩き込み、イーブンに戻しました。

90分までは2-2。92分に左から抜け出して決勝ゴールをゲットしたジョッタは、1分後にマック・アリスターの縦のスルーパスでボックス右に侵入し、ダメ押しの4点めをゲットしました。この試合のトピックスのひとつは、トレント・アレクサンダー=アーノルドがアンカーでプレイしていたことです。

6月に開催されたユーロ予選のマルタ戦で、10番を付けて右のインサイドに入ったアーノルドは、28分にミドルシュートを決めています。昨季プレミアリーグの前半戦は、スタンダードな右SB。守備の脆さを露呈して自信を喪失した24歳は、後半戦で偽SBとして中央に入ると、得意のロングフィードで攻撃をリードしました。

「アーノルドをどこで起用するのか」は、クロップ監督が直面する重要なテーマです。長年プレイしてきた右サイドか、アンカーの脇に入る偽SBか。あるいは中盤の底か、サウスゲイト監督に倣って右のインサイドか。彼を活かすことだけ考えれば、私の推しはインサイドMFですが、そうすると獲得したばかりのマック・アリスターと重なります。

11戦連続無敗でフィニッシュした昨季プレミアリーグの後半戦の流れで、偽SBをメインとするのも悪くはないのですが。気になるのは逆サイドの顔ぶれです。クレバーなロバートソンは、左のCBとして中央に絞る動きをこなしていたものの、彼の強みを活かす布陣ではないでしょう。

「いいCBがいるなら、獲得を否定しない。そのひとことに尽きる。われわれが、ピッチのあらゆるエリアを見ているのは間違いない」。5月のクロップ監督の言葉は、変則的な3-2-4-1を採用するとなると、左のエリアをカバーできるCBがいないという事実を念頭に置いていたのではないでしょうか。

アンカーにラヴィア、偽SBのアーノルドがコンビを組み、2列めにサラー、マック・アリスター、ショボスライ、ルイス・ディアス、ワントップにダルウィン・ヌニェスかコーディー・ガクポ。楽しみなフォーメーションではありますが、右サイドを攻められた際の対応と、CBとSBのタスクを求められるロバートソンが気になります。

であれば、アーノルドを「ヘンダーソンの後継者」と位置づけ、アンカーと右のインサイドをローテーションさせるのもいいのではないかと思います。バイチェティッチを起用するときは右に入り、マック・アリスターとショボスライを併用するときは中盤の底。新戦力を獲るなら、誰も彼も高額なアンカーより、右SBのほうがコストパフォーマンスもよさそうです。

「テレグラフ」のクリス・バスコム記者は、「アーノルドをキャプテンにしてはどうか。ヘンダーソンのような長期的なリーダーを求めるなら一択だろう。ファン・ダイクが引き継ぐのがスムーズと理解しているけど」と提言しています。

「夢はリヴァプールのキャプテンを務めることだ。それまでの道のりのなかで、到達すべきゴールはいろいろあるだろう。しかしリヴァプールのキャプテンを務めるまで、満足できない。その思いはスティーヴン・ジェラードに行き着く。彼こそがアイドルだった。あのようになりたいと思っていたから、腕章をつけることは大きな意味があるんだ」(2017年5月、トレント・アレクサンダー=アーノルド)

中盤で新たなプレースタイルを確立したとき、ジェラードのようなスケールの大きいプレーヤーになっているかもしれません。モデルチェンジを図ろうとしている66番の役割とパフォーマンスも、2023-24シーズンに注目したいポイントのひとつです。


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