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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「彼らはまたやってくる」…後継者を獲得できる1月、リヴァプールはサラーを手離すのか?

アンジェ・ポステコグルー率いる新生スパーズに期待感を抱きながらも、ハリー・ケインがいない前線を見ていると、ときどき寂しさが募ります。ポチェッティーノの下でブレイクしたのは2014-15シーズン。以来9年、絶対的エースとしてゴールを量産し続けたストライカーは、アラン・シアラーのプレミアリーグ最多ゴール記録まで47に迫っていました。

イングランド代表のキャプテンがロンドンに別れを告げた3週間後、モハメド・サラーに移籍の噂が流れました。トランスファーマーケットで猛威を振るうサウジアラビアのアル・イテハドは、1億5000万ポンド(約275億円)を用意していると伝えられていました。31歳の選手に対する破格のオファーを見て、クラブは断れないと覚悟したサポーターもいたでしょう。

湾岸のデッドラインデーは9月7日。プレミアリーグのマーケットは既に終わっており、合意となれば、代役を獲得することはできません。緊張の1週間。リヴァプールもサラーも、動く気配はありません。最終日の22時、レジェンドは残留と報じられました。クロップ監督をはじめ、複数の指揮官が、あちらの締め切りが7日後であることを批判しました。

ローマからリヴァプールに移籍したのは2017年。昨季までの6シーズンで、プレミアリーグ218試合137ゴール39アシストのレフティは、黄金時代の主役でした。最初のシーズンの32発は、プレミアリーグが38試合になってからの最多ゴール。CL決勝のレアル・マドリード戦で負傷リタイアとなったエースは、翌シーズンのスパーズ戦でPKを決めてビッグイヤーを獲得しました。

2019-20シーズンは、UEFAスーパーカップとFIFAクラブワールドカップを制した後、悲願のプレミアリーグ初制覇。2021-22シーズンにカラバオカップとFAカップを勝ち切り、イングランドで得られるトロフィーを網羅しました。熱きサポーターならずとも、アンフィールドでスパイクを脱いでほしいと願う存在です。

リヴァプールが垂涎のオファーを拒否し続けたのは、後継者を獲得できない状況だったからか、絶対に売りたくなかったのか。土壇場で聞こえてきた「サウジのクラブがワールドレコードとなる2億1500万ポンド(約394億円)を提示」という話は事実なのか。巨額のオファーを1月に再度、突き付けられたら断れないでしょう。経営者目線では、受けないのは不適切です。

サラーにとっても、故郷と同じ言葉を話す国をキャリアの最後とするのは、悪くないアイデアでしょう。われわれプレミアリーグファンは無力で、ひとつの時代を築いたスターのプレイを脳裏に焼き付ける以外に、できることはありません。

「テレグラフ」のマイク・マグラス記者は、「彼らはまたやってくる」といっています。そのときも、レッズのリアクションを息を呑んで見守るしかありません。ダルウィン・ヌニェス、ルイス・ディアス、コーディー・ガクポ、ドミニク・ショボスライ、カーティス・ジョーンズ、ハーヴェイ・アリオット、マック・アリスター…次世代にスイッチする準備はできています。


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