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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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売上は過去最高の3億ポンド超え!リヴァプールが2015-16シーズンの決算を報告

売上はクラブ初の3億ポンド超えを記録した一方で、税引前利益はマイナス1980万ポンド。リヴァプールが2016年5月31日までのファイナンシャルリザルトを公表しました。フェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)が2010年10月にリヴァプールを買収してから6年めとなる今回の決算について、アンディ・ヒューズCOOは「メインスタンド建設と選手への投資が継続され、財政強化は堅実に進められている」とコメント。売上は前期の2億7900万ポンドから3億100万ポンドに伸びており、コマーシャル収入、マッチデイ収入ともに順調に推移しています。2016-17シーズンよりプレミアリーグの放映権料が50%上がると決まっており、今季の終わりにはさらなる売上UPが報告されるものと思われます。

6200万ポンドとなったマッチデイ収入において大きかったのは、アンフィールドのメインスタンド増設と2つのカップ戦におけるファイナル進出、そしてアジア・オーストラリアをまわったプレシーズンツアーです。期中にクレイモアワイン、スカイプなど10の新しいパートナーシップが結ばれており、中国第2位のインターネットによるマーケットプレイスである「JD.com」に、欧州のフットボールクラブ初となるオンラインストアを開設しています。テレビ放映権料は1億2360万ポンド、コマーシャル収入は1億1570万ポンド。ベットビクター、マレーシア航空、コナミ、アルカテルと4つのスポンサーを獲得しており、継続的にパートナー拡大に取り組んでいくとしています。

「財務においては前期より堅調に伸長している。メインスタンド増設と新しい取引先の開拓に成功した。商業活動では、新しいパートナーシップ拡大とグローバルなストア展開、オーストラリアで最近オープンしたアカデミーなど国際的なサッカースクール開設を継続している。また、世界じゅうのサポーターとダイレクトにつながることは、重要なデジタル戦略だ。われわれのチャンネルに加わるサポーターはどんどん増えており、ツイッターアカウントのフォロワーは700万人に近づいている」(アンディ・ヒューズ)

売上を伸ばしながらも赤字を出したのは、選手への投資を惜しまなかったからです。ロベルト・フィルミーノ、ナサニエル・クライン、ジェームズ・ミルナー、マルコ・グルイッチ、ダニー・イングス、ジョー・ゴメス。こうして顔ぶれを並べてみると、2年連続長期離脱と不運なダニー・イングス以外は概ね選手が定着しているのがわかります。昨夏のレッズがベンテケ、ジョー・アレン、ジョーダン・アイブら10人以上の選手を一気に放出したのは、2016-17シーズンの黒字計上を目論んでいたからだと思われます。一昨日の「デイリー・ミラー」が、「チャンピオンズリーグ出場権を獲得したらラカゼットを狙う」とぶち上げておりましたが、欧州でプラスアルファの収益が見込める状況になれば、次の夏は大物獲得に走る可能性は高そうです。プレミアリーグ4位か5位で、レッズの補強戦略は大きく変わるのではないでしょうか。

会計法人デロイトが毎年発表している「デロイト・フットボール・マネーリーグ」では、リヴァプールの売上は欧州9位、プレミアリーグ勢では5位。TOP10でチャンピオンズリーグに出場していない唯一のクラブにもかかわらず、セリエA5連覇のユヴェントスよりも高い売上を記録しているのは、高額なテレビ放映権料に加えてパートナー開拓が順調に進んでいるからです。財務は問題なし、次にほしいのはタイトル。ソーシャルメディアプラットフォームに顔を出している5000万人以上のレッズサポーターが望むのは、プレミアリーグかチャンピオンズリーグで頂点に立つことでしょう。今季は上位直接対決で無敗、好調時は無類の強さを発揮する名門クラブの復活への道筋は、今まで以上に明確に見えています。

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