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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

グディソンパークに別れを告げるエヴァートン。52000人収容の新スタジアムは3億5000万ポンド!

期待感と寂しさとが相半ばするお話です。プレミアリーグで最も長期間となる114シーズンをトップリーグで過ごしたエヴァートンが、125年もの長きにわたって本拠地としてきたグディソンパークに別れを告げることになりそうです。

1892年に、アンフィールドの賃料高騰によりスタンリーパークの向こう側に佇むグディソンパークに移ったエヴァートンは、アンフィールドの後釜クラブとなったリヴァプールと激しいバトルを展開してきました。500メートルほどしか離れていない距離感が、お互いに対するリスペクトと激しい闘志が同居するマージーサイドダービーの雰囲気を作ってきたのだと思います。写真は2012年12月30日のチェルシー戦で私が撮影したものですが、プレミアリーグらしくピッチとスタンドが近いグディソンパークは、一度訪れたらまた足を運びたくなるいいスタジアムです。いやー、これは寂しい。イギリスメディア「デイリー・メール」がトフィーズの本拠地移転計画を報じた「Everton’s new home? Move from Goodison to £350m stadium on banks of Mersey edges closer after 125 years at Goodison Park(エヴァートンが新しい本拠地へ?グディソン・パーク移転から125年、マージーエッジの端にある3億5000万ポンドのスタジアムへ)」という記事も、いつになく抒情的です。

エヴァトニアンであるジョー・アンダーソン市長が「プレミアリーグのTOP6に食い込み、頂点をめざす野望の重要なキー」と表現する新スタジアムは、ブラムリー・ムーア・ドッグに建設されることになるようです。有名なアルバート・ドッグの北に位置するこのエリアは、産業革命以降、貿易で栄えた街の歴史を語り継ぐシンボル。老朽化が進むグディソンパークを使い続けることの是非を問うたのではなく、リヴァプールを象徴する地に52000万人収容のスタジアムを建設し、国際的なクラブに成長するための礎としたいという野心に満ちたプロジェクトです。工期は3年、かかる費用は3億5000万ポンド(約490億円)といわれており、2016年2月に筆頭株主となったファルハド・モシリ氏が資金を調達することになるとのこと。ロバート・エルスCEOは「資金に問題はない」と語っており、アンダーソン市長も「リヴァプールがメインスタンドを増設したときと同様に、できる限り支援する」とバックアップを約束しています。

エヴァートンの2015-16シーズンの売上は1億2150万ポンド(約170億円)。昨季の1億2560万ポンドから下がったのは、2年連続のプレミアリーグ11位でヨーロッパリーグ出場権を失い、テレビ放映権料も上がらなかったからです。ウェストハムやレスターに総売上額で抜かれ、欧州TOP20から陥落したクラブは、今季は復活が至上命題。スタジアム建設を含むエヴァートンの野心的なクラブ運営に惹かれたことも就任の決め手だったロナルド・クーマン監督は、WBAを振り切ってプレミアリーグ7位を死守し、欧州へのチケットを手に入れたいところです。得点王レースでTOPに並んだロメウ・ルカクをクラブに引き留めるためには、来季はヨーロッパリーグ、その先にチャンピオンズリーグ出場が見えているクラブだということを証明しなければなりません。

イングランド初のサッカー専用スタジアムに別れを告げ、新たな第一歩を踏み出そうとしているエヴァートンとアンダーソン市長の野望は実現するのか。まずは今季終盤戦の快進撃に期待しましょう。明日は、ホワイト・ハート・レーンで難敵トッテナムと戦います。

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