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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

現地メディアが一斉報道!「アルネ・スロット監督に対するサポーターの我慢は限界に達している」

「アスレティック」のジェームズ・ピアース記者が「2014-15シーズンと似ている」といっているのを見て、そういえばあのときも36節はチェルシー戦だったと気づきました。指揮官はブレンダン・ロジャース、スティーヴン・ジェラードの最後のシーズン。スタンフォード・ブリッジの一戦を1-1で終えたリヴァプールは、ラスト2試合で連敗し、6位に転落しました。

アンフィールドのクリスタル・パレス戦を1-3で落とした後、最終節はストーク・オン・トレントで6-1の大敗。非難轟々だったサポーターに対して、フェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)は、ブレンダン・ロジャースを継続させると明言しました。スアレス・アンド・スタリッジを擁して、トロフィーにあと1歩まで迫った2013-14シーズンの信頼の貯蓄が残っていたからです。

「夏に戦力を強化すれば巻き返せる」というFSGと指揮官の目論見は、開幕から1ヵ月で崩れ去りました。5試合で3ゴールしか決められず、2勝1分2敗。ベンテケ、フィルミーノ、ダニー・イングス、ミルナー、ジョー・ゴメス、ナサニエル・クラインといった大型補強に、成功の兆しはありませんでした。アンフィールドにネガティブな空気が漂い、FSGは決断を迫られました。

10月のマージーサイドダービーは1-1のドロー。ブレンダン・ロジャースは、ここで解任となりました。シーズンの途中にユルゲン・クロップと契約できたのは、幸運というしかありません。ジェームズ・ピアース記者が警鐘を鳴らしているのは、新たなシーズンが始まると、シャビ・アロンソやアンドニ・イラオラを招聘するチャンスはなくなっている可能性が高いからでしょう。

This felt like the moment Liverpool fans’ patience truly snapped with Arne Slot(リヴァプールファンがアルネ・スロット監督に対して我慢の限界に達した瞬間のように感じられた)」。刺激的なタイトルのレポートを配信した「アスレティック」のみならず、「BBC」のアダム・パテル記者や「テレグラフ」の取材チームも、「スロットに忍び寄る危機」を伝えています。

チェルシー戦を間近で見ていたアンフィールドのサポーターたちは、なぜ激怒したのか。ブーイングのボリュームが最も高まったのは、果敢にチャレンジしていたエングモアをイサクに代えたときですが、記者たちの目線は序盤に集中しています。フラーフェンベルフのゴールで先制したのに追加点を狙おうとせず、ずるずる下がってしまったのが問題だったという見解です。

目が肥えたサポーターたちは、アーセナルやマン・シティとのゲームなら、必死に応援したでしょう。しかし、この日のチェルシーはプレミアリーグで6連敗中で、ウイングにククレジャを起用していました。度重なる監督交代による混乱とモチベーション低下に加えて、負傷者続出でつぎはぎだらけとなっており、リヴァプールなら攻め続けなければならないチームでした。

試合後のプレスルームでのやりとりを聞く限り、スロット監督は事の重大さを認識していないようです。「彼らはウインガーが不在だったため、多くのMFを投入して中盤を支配し始めた。われわれの守備を突破してパスをつなぐ回数が増えていった。決定機はなかったけど、試合を通じて圧倒的に優勢だったのは向こうだった」。自らの劣勢を認めつつ、こんなこともいっています。

「私が選手たちに対して、『深く下がれ』『プレスするな』などと指示していたという話は、アンフェアだ。そんなことをいっている人は、昨シーズンのチームや今季の大半の試合を見ていないのだろう。われわれが深く引いたように見えたかもしれないが、決して意図したものではない。単に相手のMFをコントロールできなかっただけだ」

「前半のうちに変えるのは難しかったが、ハーフタイムの戦術変更はお気づきだろう。すぐに望んだ結果にはつながらなかったけれど、ハイプレスをかけて相手を自陣に押し込むことができるようになった。パーフェクトとはいえない。相手は何回か、われわれの守備陣を突破したからね。でもそれも、前半ほどではなかった」

スロット監督が常に冷静に振り返るのは、キャラクターであり強みともいえます。しかし今、サポーターが求めているのは、ユルゲン・クロップが繰り返していた「フルスロットル」「もっと戦わなければならない」「何をするためにここにいるのかを示すべきだ」といったアイデンティティの発露でしょう。ピッチやベンチとスタンドには、溝が生じているのだと思われます。

エングモアの交代については、足が痙攣していたと説明しています。「リオの背番号が上がった瞬間、ああいうリアクションがあるとわかっていたけど、だからといって、もう続けられないといっている選手を残さない理由にはならない」。こちらも、17歳を下げたことより、ボールタッチが14回しかなかったガクポを残した理由を問われていると気づくべきでしょう。

残り2試合は、アストン・ヴィラとブレントフォード。バーミンガムはヨーロッパリーグ制覇を目前にしてテンションが高まっており、サウスロンドンはクラブ史上初の欧州進出をめざして必死に戦っています。リヴァプールが連敗し、16戦連続無敗と絶好調のボーンマスがマン・シティとノッティンガム・フォレストを連破すれば、ブレンダン・ロジャースと同じ6位となります。

いや、最終着地がどうあれ、FSGは決断を求められています。11年前と同じジャッジを下すのか、クラブを愛する人々の声に耳を傾けるのか。「BBC」の記者は「本質的な問題はアイデンティティ、情熱、個性、インテンシティの欠如」と喝破しています。指揮官がやるべきは、「気持ちはわかる」と語りかけることではなく、肩を並べてめざす未来を指し示すことでしょう。


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