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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

即戦力補強はあるのか?欧州王者リヴァプールのテストマッチと指揮官の言葉をチェック!

1985年5月11日、ブラッドフォードVSリンカーンの試合中に56人が亡くなるという痛ましい火災が発生し、改修を余儀なくされたヴァレー・パレード。1986年12月のリニューアルオープンから32年が経ちましたが、14日に開催されたリヴァプール戦に集まった24343人は、再開以来のレコードだそうです。プレミアリーグのトップクラブが街にやってくる…それがフレンドリーマッチでも、スター選手が不在だったとしても、熱狂的なフットボールファンにとってはエキサイティングなイベントなのであります。

クロップ監督率いるレッズは、12日のトランメア戦を0-6で大勝し、ブラッドフォード戦は新シーズンの2戦めとなるテストマッチでした。ネーションズリーグ、コパアメリカ、アフリカネーションズカップに出場した3トップとアリソン、ファン・ダイク、ワイナルドゥムらは帯同せず。前線はライアン・ケント、リアン・ブリュースター、ハリー・ウィルソンという若いユニットで、昨季はプレミアリーグの先発ゼロに終わったチェンバレンが右のインサイド、アンカーにララナという新機軸です。

感染症でリタイアしているロバートソンの代役は、18歳のヤセル・ラロウチ。この試合をチェックした私のテーマは、「クロップ監督は即戦力補強に打って出るのか、若手や既存戦力の活用で強化を図るのか」を見極めること。7月に行われる7試合を追えば、マイケル・エドワーズSDと指揮官の戦略が徐々に見えてくるはずと考えていました。

3ゴールを決めた前半で輝いていたのは、期待のブリュースターと中盤の3人でした。13分に鋭いミドルをDFにぶつけながら決めたミルナーは、2分後にライアン・ケントが倒されて得たPKを冷静に右隅にゲット。中盤をコントロールするチェンバレンの仕上がりが素晴らしく、次のプレミアリーグではインサイドMFのアグレッシブな仕掛けによる中央突破が増えるのではないかと思いました。

「彼は”ジョルジーニョ・ロール(役割)”を楽しんでいただろう?マウリツィオ・サッリがゲームを観てなければいいね。あるいは彼からオファーがあるのもいい」とクロップ監督が語った「アンカー・ララナ」は、攻撃的に戦いたいときの選択肢になりえるかもしれません。左SBのラロウチは帰陣の遅れが目立ち、プレミアリーグで最高の左SBの代役をこなすためには状況判断のスピードを高める必要があるでしょう。

オリギ、ファビーニョ、マティプといった主力とフーフェル、ウッドバーンなど次世代のタレントが登場した後半は、左サイドにいた若手トリオがキレキレでした。ラインの裏を狙い続けたリアム・ミラー、奪われた直後のプレスや逆サイドへの浮き球が素晴らしかったカーティス・ジョーンズ、スペースを埋めつつ攻撃参加も見せたアダム・ルイス。ラロウチと代わって左SBに入ったアダム・ルイスは、終盤に喰らったカウンターの際に戻りが遅れ、PKを献上してしまいましたが、タイミングのいい縦パスとポジショニングにセンスのよさが感じられました。

「獲得するともしないともいえない。われわれは、あらゆることを考えなければならないからね。結局、何もしないかもしれない。左SBをひとり失ったけど、今日は2人のプリティ・ヤング・ワンズを目撃しただろう。ジェームズ(・ミルナー)もやれるしね。もうしばらく見ないと」。左SBの補強について問われたクロップ監督は、言葉を濁しています。現在のチーム状態と監督のコメント、メディアの記事などから察するに、レッズのスタンスは「チームにぴったりフィットする選手を、お買い得な値段で獲れるときだけ動く」ということなのでしょう。

噂のニコラ・ペペもコウチーニョも、相当な好条件でなければ涼しい顔でスルーするのではないでしょうか。最大でもアタッカーひとりと左SB。チェンバレン、ナビ・ケイタ、ララナ、シャキリに前年よりパフォーマンスが上がるという手応えがあれば、フルバックを押さえて終わりかもしれません。それでもプレミアリーグ制覇が狙えるとクロップ監督が判断したとき、完成度の高いチームにどんな変化がもたらされるのでしょうか。「静かなレッズ」がどういうプロセスで開幕を迎えるのか、しっかり追い続けたいと思います。

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