2年連続でFIFAの男子年間最優秀監督!あらためて語りたい「クロップのココが凄い!」
「そうだね。期待していなかった」。クラブの公式サイトのインタビューで、「受賞が決まった瞬間、ショックを受けたように見えたけど…」と問われたユルゲン・クロップは、バイエルンの指揮官が受賞するものと思っていたのではないでしょうか。「ザ・ベストFIFAアワード2020」で男子年間最優秀監督にノミネートされていたのは、3冠達成のハンジ・フリック、プレミアリーグ独走優勝のクロップ、リーズを16年ぶりのプレミアリーグ復帰に導いたマルセロ・ビエルサ。多くのサッカーファンが、フリックを本命視していたのではないかと思います。
ニコ・コヴァチ解任の後を受け、11月にドイツの名門クラブを率いることになった55歳の指揮官は、ブンデスリーガを21勝1分2敗で駆け抜け、DFBポカールとチャンピオンズリーグも制覇。CLでは史上初の全勝優勝という偉業を達成しており、公式戦トータルで36勝1分2敗は他の追随を許しません。レッズの指揮官のほうは、32勝3分3敗という秀逸な戦績でプレミアリーグを制したものの、CLはラウンド16で敗退。FIFAクラブワールドカップ優勝、UEFAスーパーカップ勝利を足せばこちらも3冠ではありますが、バルサを8-2で屠った恐怖のチームと比べると見劣りします。
それでもクロップが2年連続で年間最優秀監督に輝いたのは、プレミアリーグで史上最速となる31試合めの優勝決定を評価されたからでしょうか。歓喜の瞬間まで28勝2分1敗、勝率9割という驚異的な走りっぷりが素晴らしかったのは確かです。あるいは、選考した方々は「プレミアリーグ創設以来初めてで、30年ぶりとなるトップリーグ制覇」というドラマに心を動かされたのかもしれません。スポットライトを浴びるのを嫌う指揮官は、「チームに関わった全員の代表として受賞した」というスタンスを貫いています。
「センセーショナルなクラブで働いており、必要なサポートはすべて受けられる。周囲は素晴らしい人ばかりだ。だから困難な時期でも、われわれは毎日笑顔でここに来られる。それはすべてをよりイージーにし、すべてを可能にする」
「コーチに対する個人的な表彰に、大いなる信頼を置いているわけではないと何度もいってきたけれど、みんなのために受け入れるべきと学んだ。われわれが世界を変えられないのは明らかだ。それでも、ひとつの顔が全員のために受賞できたことを、本当に誇りに思っている」(ユルゲン・クロップ)
CLの優勝監督との比較となると悩ましいのですが、ユルゲン・クロップという偉大な指導者は表彰に値するかと問われれば、即答でイエスです。マイケル・エドワーズSDとともに、コンセプトに合った選手を1本釣りし、それぞれの選手の強みを引き出すチーム作りは見事でした。チェルシーではうまくいかなかったサラーは、右サイドでプレミアリーグ屈指のゴールゲッターに進化。フィルミーノは偽9番という新たな魅力を開発され、マネはウインガーとして得点力に磨きがかかりました。
クロップのモチベートなくして、ロバートソンはプレミアリーグNo.1の左SBに成長せず、アーノルドの攻撃力もあれほど開花しなかったのではないでしょうか。ニューカッスルではトップ下だったワイナルドゥムは、ボックス・トゥ・ボックスの選手としてチームの主軸となりました。自分で育てた選手にこだわるかと思いきや、いざ優勝をめざすステップに入ると、ファン・ダイク、アリソン、ファビーニョといったワールドクラスをアサイン。ゲーゲン・プレッシングはタイトなプレミアリーグでは勝ち続けられないという批判に対しては、引いてカウンターというオプションを披露し、38試合を首位で過ごせることを証明しました。
2019-20シーズンのクロップを最大限リスペクトするならば、「1000万ポンドに満たない補強費用で、ぶっちぎりの優勝を遂げた史上最強のコスパキング」といった表現がぴったりなのではないでしょうか。負傷者以外に不振の選手をひとりも出さず、最大のパフォーマンスを発揮させて3つのトロフィーを獲得した名将に、あらためて拍手を送りたいと思います。今季の新たなチャレンジは、「最大11人の負傷者を出しながらレベルを落とさず、プレミアリーグと欧州を制覇した監督」でしょうか。今、首位に立っているのは、とてつもなく凄いことだと思います。昨季までプレミアリーグ出場経験ゼロのCBを2人も引っ張ってこないと、先発の11人が記されたリストを埋めることすらできないのに…!
ニコ・コヴァチ解任の後を受け、11月にドイツの名門クラブを率いることになった55歳の指揮官は、ブンデスリーガを21勝1分2敗で駆け抜け、DFBポカールとチャンピオンズリーグも制覇。CLでは史上初の全勝優勝という偉業を達成しており、公式戦トータルで36勝1分2敗は他の追随を許しません。レッズの指揮官のほうは、32勝3分3敗という秀逸な戦績でプレミアリーグを制したものの、CLはラウンド16で敗退。FIFAクラブワールドカップ優勝、UEFAスーパーカップ勝利を足せばこちらも3冠ではありますが、バルサを8-2で屠った恐怖のチームと比べると見劣りします。
それでもクロップが2年連続で年間最優秀監督に輝いたのは、プレミアリーグで史上最速となる31試合めの優勝決定を評価されたからでしょうか。歓喜の瞬間まで28勝2分1敗、勝率9割という驚異的な走りっぷりが素晴らしかったのは確かです。あるいは、選考した方々は「プレミアリーグ創設以来初めてで、30年ぶりとなるトップリーグ制覇」というドラマに心を動かされたのかもしれません。スポットライトを浴びるのを嫌う指揮官は、「チームに関わった全員の代表として受賞した」というスタンスを貫いています。
「センセーショナルなクラブで働いており、必要なサポートはすべて受けられる。周囲は素晴らしい人ばかりだ。だから困難な時期でも、われわれは毎日笑顔でここに来られる。それはすべてをよりイージーにし、すべてを可能にする」
「コーチに対する個人的な表彰に、大いなる信頼を置いているわけではないと何度もいってきたけれど、みんなのために受け入れるべきと学んだ。われわれが世界を変えられないのは明らかだ。それでも、ひとつの顔が全員のために受賞できたことを、本当に誇りに思っている」(ユルゲン・クロップ)
CLの優勝監督との比較となると悩ましいのですが、ユルゲン・クロップという偉大な指導者は表彰に値するかと問われれば、即答でイエスです。マイケル・エドワーズSDとともに、コンセプトに合った選手を1本釣りし、それぞれの選手の強みを引き出すチーム作りは見事でした。チェルシーではうまくいかなかったサラーは、右サイドでプレミアリーグ屈指のゴールゲッターに進化。フィルミーノは偽9番という新たな魅力を開発され、マネはウインガーとして得点力に磨きがかかりました。
クロップのモチベートなくして、ロバートソンはプレミアリーグNo.1の左SBに成長せず、アーノルドの攻撃力もあれほど開花しなかったのではないでしょうか。ニューカッスルではトップ下だったワイナルドゥムは、ボックス・トゥ・ボックスの選手としてチームの主軸となりました。自分で育てた選手にこだわるかと思いきや、いざ優勝をめざすステップに入ると、ファン・ダイク、アリソン、ファビーニョといったワールドクラスをアサイン。ゲーゲン・プレッシングはタイトなプレミアリーグでは勝ち続けられないという批判に対しては、引いてカウンターというオプションを披露し、38試合を首位で過ごせることを証明しました。
2019-20シーズンのクロップを最大限リスペクトするならば、「1000万ポンドに満たない補強費用で、ぶっちぎりの優勝を遂げた史上最強のコスパキング」といった表現がぴったりなのではないでしょうか。負傷者以外に不振の選手をひとりも出さず、最大のパフォーマンスを発揮させて3つのトロフィーを獲得した名将に、あらためて拍手を送りたいと思います。今季の新たなチャレンジは、「最大11人の負傷者を出しながらレベルを落とさず、プレミアリーグと欧州を制覇した監督」でしょうか。今、首位に立っているのは、とてつもなく凄いことだと思います。昨季までプレミアリーグ出場経験ゼロのCBを2人も引っ張ってこないと、先発の11人が記されたリストを埋めることすらできないのに…!
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偉大な足跡の振り返りありがとうございます!
世界最高レベルのチームマネジメントだと思っています。2年連続受賞、ファンとして嬉しいです。