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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

システムは空回り、交代策は不可解…課題山積のラングニックはチームを変えられるのか?

やはり、アントニオ・コンテは素晴らしいマネージャーです。彼が就任してから、トッテナムはプレミアリーグ8試合で5勝3分。7試合がボトム10との対戦で、これからが勝負ではありますが、リヴァプール戦のドローを含む無敗のチームにケチをつける気にはなれません。

ヌーノ監督の下で沈黙を続けていたハリー・ケインは、直近のプレミアリーグで4戦3発と復活の気配を見せていますが、コンテ監督の新チームは攻撃において未だ課題を抱えています。ソン・フンミンとルーカス・モウラは好調をキープしているものの、デル・アリに往時の輝きはなく、エンドンベレ、ベルフワイン、ブライアン・ヒルも機能しているとはいえません。

それでも着実に勝ち点を積み上げているのは、3-4-3のコンセプトが明確で、3バックと2センターを軸とした守備が機能しているからでしょう。8試合で4失点、リヴァプール戦を除けば7試合で2失点のみ。ヌーノ解任時は9位で、得失点差がマイナス7だったチームは、14ゴールを挙げて借金を返し、TOP4争奪戦を制することができるポジションに上がってきています。

一方、スールシャール解任の後を受けたラルフ・ラングニック監督は、プレミアリーグ5試合で3勝1分1敗。一見まずまずですが、最下位ノリッジに1-0辛勝、19位ニューカッスルにドローで、ウルヴスにはホームで完敗しました。4-2-2-2が空回りしたゲームのスタッツで最も衝撃的だったのは、クリスティアーノ・ロナウドとカバーニのパスの質とプレーエリアです。

CR7は成功した28本のうち、15本が自陣でのパス。カバーニも23本中13本が、ハーフラインの手前でした。前半のカバーニの平均ポジションは、センターサークルのど真ん中。後半も、サンチョ、グリーンウッド、ワン=ビサカより低く、マクトミネイとさほど変わりません。前でもらえない2トップは下がって触ろうとするばかりで、明らかに機能していなかったのに、ラングニック監督は頑として代えようとしませんでした。

前半だけで13本のシュートを喰らっており、テコ入れは必須だったにもかかわらず、ブルーノ・フェルナンデスの投入は遅すぎる60分。グリーンウッドは持ちすぎでカットインを読まれており、サイドで孤立したサンチョはシュートゼロに終わっています。両者ともクロスは1本のみ。30分しかピッチにいなかったブルーノが5本を記録しているのをみれば、アウトサイドにも問題があったのは明白です。

コンセプトなき90分。ワン=ビサカを下げたとき、なぜエランガだったのか。ファン・デ・ベークを投入してブルーノを前で機能させるか、序盤戦で結果を出していたリンガードに前線をフォローしてもらったほうが、ゴールに近づけたのではないかと思います。

試合後、ラングニック監督は「私が就任する前の3~4週間前と同じ問題が露呈してしまった」とコメント。6ヵ月しか時間がないと決まっている監督が、5試合を戦ったうえで何も変えられなければ、選手たちからの信頼を得られなくなってしまいます。

マンチェスター・ユナイテッドの苦境を報じた「ミラー」の見出しは、「Inside new Man Utd crisis as Ralf Rangnick faces broken dressing room and angry stars(マンチェスター・ユナイテッドに内在する新たな危機。ラングニックは壊れたロッカールームと怒れるスターに直面している)」。スールシャール時代と扱いが変わらないサブの選手たちが、モチベーションを下げているというお話です。

あまりにもショッキングだった完敗。マンチェスター・ユナイテッドは、変化が求められています。4-2-2-2は、やめませんか?キャリックやスコールズがいるならいいのですが、マクトミネイやフレッジに得意ではないことを求めるシステムは、前の4人を殺してしまいます。


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