イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

サンダーランドの監督は?ロジャース監督の新天地は?今季もあるのか「新監督で大逆転」⁉

何しろマンチェスター・ユナイテッドサポーターですので、ひとりの監督を20年以上も観続けてきたわけで、好みは「クラブと監督が長期的な強化プランを握り、腰を据えて戦う」ほうなのです。モイーズ監督の期中の解任には大いに心を痛め、ファン・ハール監督がプレミアリーグにやってくるというニュースで、いちばん気になったのは年齢でした。ヴェンゲル監督のアーセナルにはいつもエールを送っており、モウリーニョ監督の長期政権も見てみたいと思っております。リヴァプールが招聘を進めていると報じられたクロップ監督は、マインツとドルトムントでそれぞれ7年やっているところが好感度大です。昔のチェルシーのようなエキセントリックな監督解任を見ると、「降格してしまえ!」と、ひとり深夜の風呂場でつぶやいたりしています。プレミアリーグでは、監督は「トレーナー」「コーチ」ではなく「マネージャー」です。しっかり権限を持たせて長期的にまかせるクラブが多いのが、プレミアリーグの魅力のひとつだと、ずっと思っていたのです。

ところが、最近はかなり激しく監督が動くようになりました。2014-15シーズンのプレミアリーグは、クリスマスまで解任ゼロだったのですが、そこから嵐が吹き荒れ、しかも監督を代えたチームはことごとく残留に成功しました。直前のシーズンでトッテナムとクリスタル・パレスを復活させたシャーウッドさんとピューリスさんが浪人していたわけですから、不振クラブの経営陣の目は、まずはそこに向きます。記録的なゴール数の少なさで降格候補だったアストン・ヴィラは、シャーウッド監督でFAカップのセミファイナルまで進み、ピューリス監督のWBAは13位まで上昇。最大の事件は、年末年始でニューカッスルからクリスタル・パレスにアクロバティックな「移籍」を敢行したパーデュー監督でした。

10月から12月までの3ヵ月で1勝しかできなかったチームは、新監督就任であっさり連勝。プレミアリーグ降格の大本命は、何とTOP10でシーズンを終えました。インパクトの強い成功事例が、これだけごっそり多発すれば、風は否応がなくそちらに吹きます。今季に入り、開幕2ヵ月も経たないうちに、サンダーランドとリヴァプールが監督交代となりました。解任か辞任かはさておき、おそらくあと3人は、ロジャース監督やアドフォカート監督と同じ道を辿るでしょう。私の好みなど勝手な願望でしかなく、成功したクラブと同じ数だけ失敗したクラブがあるのが道理で、何も手を打たずにシーズンを終えることなどできないわけですから。監督を代えるというのは、手っ取り早いカンフル剤なのです。

さて、指揮官の座が空席となったサンダーランドは、誰を連れてくるのでしょうか。一夜にして浪人となったロジャース監督は、どうされるのでしょうか。夏まで休むのか、新しいオファーがあれば受けるのか。それぞれ、今後の対応が気になるところではあります。サンダーランドの新監督として噂になっているのは、セインツ、トッテナム、QPRの監督を歴任した御年68歳のハリー・レドナップさんや、昨季までウェストハムの指揮を執っていたサム・アラダイスさんです。しかし、これらの話はうまくいかないようです。百戦錬磨の指導者は、クラブの熱意のなさをしっかり見ています。レドナップさんは、即答で「ノーチャンス」といっています。

「ありえないと思っていたから、少々びっくりしている。サム(・アラダイス)も疑わしいね。彼は自信家だが、サンダーランドを残留させられるかと自問自答したらどうだろう。できないと思ったら、引き受けないはずだ。サンダーランドはいい補強をしなかった。金は使ったけど、いい選手を獲っていない。ボーンマス戦を観たが、悲惨だったよ。いいクラブで、会長も素晴らしい人だけど、引き受ける人にはしんどい仕事が待っている」(ハリー・レドナップ)

いや、厳しいですね。厳しいといえば、タインウェアのライバル、目下のところプレミアリーグ最下位のニューカッスルも大苦戦です。マクラーレン新監督にはまだ勝利がなく、先日のプレミアリーグ第8節のマンチェスター・シティ戦では、アグエロに5発も喰らって大敗しました。当然のように、こちらも監督解任が噂されているのですが、さすがはイギリスのブックメーカー。さっそく、「ブレンダン・ロジャース監督の行き先」が賭けの対象となっており、本命は何とニューカッスルだそうです。

ロジャース監督がニューカッスル⁉ありですね。いいじゃありませんか。レッズを追われた指揮官に合っているのは、「守備はまずまずだけど攻撃に課題があるチーム」ではないでしょうか。ニューカッスルの失点17は、チェルシーと並んで多い順に2番めなのですが、うち6点はマン・シティ戦で、アーセナルに0-1、マンチェスター・ユナイテッドにスコアレスドローと、しっかり後ろで構えれば悪くありません。問題は、プレミアリーグ最少の6ゴールのほうです。念願だった純正ストライカータイプのミトロヴィッチを獲得し、シセ、ワイナルドゥム、トヴァン、シソコ、アヨゼ・ペレスといいメンバーが揃っているのに、1試合あたり1点以下はないでしょう。ロジャース監督が、スウォンジー時代のスタイルに立ち戻って中盤をうまく作れれば、ニューカッスルは復活できるのではないでしょうか。いや、復活はいい過ぎでも、残留なら充分可能でしょう。

盛り上がるタインウェアダービーがプレミアリーグから消えてしまうのは寂しいので、両者には何とか踏ん張ってもらいたいのですが、現状を見ると、サンダーランドに上がり目はないかもしれません。監督人事については、続報が届けばお伝えいたします。

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