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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ソン・フンミンを止められず完敗!ミケル・アルテタは、なぜ冨安健洋を左で起用したのか…?

トッテナム3-0アーセナル。プレミアリーグ22節の延期試合、ノースロンドンダービーでコンテ監督のチームが勝ったため、TOP4を巡るバトルの結末はわからなくなりました。ライバルとのシックスポインターを取れば、CL出場権をゲットできたガナーズは、キーマン3人を失ったスカッドで難敵との連戦。1ポイント差に迫ったスパーズも、DFだけで4人リタイアという苦しい状況ですが、ラスト2試合は17位以下のチームです。

3-0という予想外の大差を招いたのは、ミケル・アルテタの戦術でしょう。リーズ戦で冨安健洋をハフィーニャにぶつけて3ポイントを得た指揮官は、最も怖い存在が逆サイドにいるチームに対して、同じ布陣をチョイスしました。相手によって戦い方を変えるより、一貫性、コンディション、流れを重視する監督は、勝ったチームをいじりたくなかったのかもしれません。

直近のプレミアリーグで11戦11発のソン・フンミンに対応したのは、ポジショニングのミスが目立つセドリクと、スピード勝負を避けたいホールディング。6節のエミレーツでソン・フンミンを完封した日本代表を戻していれば、後半が始まった瞬間に勝負がつくような展開にはならなかったでしょう。

ちょうど1年前の2021年5月12日、敵地スタンフォード・ブリッジのビッグロンドンダービーで、アルテタ監督は3バックを採用しています。アウトサイドにブカヨ・サカとティアニー、最終ラインはホールディング、パブロ・マリ、ガブリエウ。破壊力がある3バックを完成させたコンテ監督に対して、0-1で勝ったチェルシー戦と同じ展開に誘うというアイデアもあったはずです。

3バックは冨安健洋、ホールディング、ガブリエウ、WBにサカとヌーノ・タヴァレス。アンカーのエルネニーの脇にジャカとウーデゴーア、前線にエンケティアとマルティネッリを並べる3-5-2、いや5-3-2です。ソンとクルゼフスキが縦にいくぶんには問題なし。カットインしてきた際に、SBと1対1にさせず、WB、CB、インサイドMFで囲い込んでつぶす戦術です。

いや、もしかすると、アルテタ監督が冨安健洋を左に置いたのは、「エメルソンのサイドからゴールを決めるため」だったのかもしれません。ファイナルサードでのパス40本をすべて成功させたSBのサポートで、マルティネッリが前で勝負するシーンを増やすという考え方です。リーズ戦を成功とするなら選択肢のひとつですが、アイリング退場後は0-1だったという事実をふまえれば、スパーズ戦もいけるという過大評価は危険という結論になります。

かくして、完敗。せめてドローなら、1勝1敗でOKだったのですが、CL出場権獲得の条件は連勝となりそうです。今となっては、3-0という負け方以上にホールディングの退場とガブリエウの負傷が激痛です。セント・ジェームズ・パークの情熱的なサポーターに煽られ続けるニューカッスル戦は、不慣れな布陣で戦わなくてはなりません。アルテタ監督が選ぶ11人とシステムを予想してみましょう。

GKラムズデール、DFセドリク、ベン・ホワイト、冨安健洋、ヌーノ・タヴァレス。中盤センターにエルネニー&ジャカ、2列めはサカ、ウーデゴーア、マルティネッリ、前線にエンケティアの4-2-3-1です。攻撃的に戦うなら、左SBにサカを配してスミス・ロウが先発。サン=マクシマンのドリブルを警戒するなら、冨安健洋、ベン・ホワイト、ジャカの3バックもありでしょう。

プレミアリーグをよく知る多くの評論家が、スパーズ優勢に傾いています。厳しい戦いとなったアルテタ監督と選手たちは、1ポイントのアドバンテージを活かすことができるでしょうか。激戦必至のマンデーナイトに注目しましょう。いや、その前に、降格を回避すべく死に物狂いで戦うバーンリーが、スパーズを叩くかどうかですね。難しそうですが…。


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