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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

今季4度めの対決は、またも同点!PK戦を制したリヴァプールが16年ぶりのFAカップ制覇!

FAカップ2021-22シーズンのファイナルは、プレミアリーグ2位と3位の対決です。4冠チャレンジのリヴァプールと、オーナーの資産凍結という厳しい状況に耐えてきたチェルシー。プレミアリーグの2試合はドロー決着で、カラバオカップ決勝はレッズがPK戦を制しています。クロップ監督はCL仕様のメンバー、トゥヘル監督の11人にも、これといった懸念はありません。

レッズの最終ラインにはコナテがおり、ファビーニョは欠場です。GKアリソン、DFアーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ロバートソン、MFヘンダーソン、チアゴ・アルカンタラ、ナビ・ケイタ。サラー、マネ、ルイス・ディアスのフロントスリーは、キックオフから積極的にプレスをかけています。

GKメンディ、3バックはチャロバー、チアゴ・シウヴァ、リュディガー。WBにリース・ジェームズとマルコス・アロンソ、センターはジョルジーニョとコヴァチッチ。メイソン・マウントとプリシッチの前にルカクという布陣です。最初のチャンスは、4分のリヴァプール。マネのパスをボックス左で受けたルイス・ディアスがファーに浮かすと、飛び込んだチアゴは触れず、アーノルドの折り返しからのサラーのヘッドはバーを越えていきました。

ルイス・ディアスの左からの仕掛けが続き、チェルシーは防戦一方です。8分には、アーノルドが右足アウトにかけたスルーパスを左ウイングに通し、一気にメンディと1対1。右足のシュートをGKが足に当てると、クリアに反応したナビ・ケイタの一撃は右に逸れていきます。15分を過ぎて、ようやくレッズの猛攻がストップ。18分に右サイドから蹴ったマルコス・アロンソのFKは、アリソンの正面です。

21分、マネのサイドチェンジからロバートソンがドリブルを始め、ボックス手前にカットイン。左足のミドルは、バーの上に浮いてしまいました。チェルシーがチャンスをつかんだのは22分。ロバートソンの裏が空き、リース・ジェームズからメイソン・マウントにパスが通ると、グラウンダーをニアでもらったプリシッチのダイレクトショットは左に切れていきました。

27分、チェルシーの速攻の起点はメイソン・マウント。プリシッチが中央から上がり、左からオーバーラップしたマルコス・アロンソにスルーパスを流すと、アリソンの目の前に出たレフティのシュートは、プレミアリーグ屈指の守護神がブロックしました。33分、足を痛めたサラーがリタイア。急遽呼ばれたジョッタは、右サイドに入っています。

ルイス・ディアスのポジションが低くなったレッズは、サイドを崩せなくなっています。ファン・ダイクのパスミスを咎められた40分のショートカウンターは、ルカクの苦し紛れのラストパスが味方に届かず。45分にロバートソンがニアに浮き球を落としますが、フリーで走り込んだジョッタは枠に収められません。

前半は0-0、後半頭からチェルシーがラッシュ。プリシッチのクロスをファーでトラップしたマルコス・アロンソのシュートは、右のポストの外を抜け、ルカクのポストプレーからフリーで右足を振り抜いたプリシッチは、アリソンのビッグセーブに阻まれました。48分には、右サイドからカーブをかけたマルコス・アロンソのFKがバーを直撃。前で奪いたいレッズのフロントスリーは、明らかに運動量が落ちています。

51分にアーノルドが高速クロスを入れると、ファーから飛び出したロバートソンはトラップミス。1分後、2人をかわしたルイス・ディアスのミドルは、左のポストすれすれを抜けていきました。60分にマネのパスを右で受けたジョッタも、クロスに打ったシュートがファーポストの外。両者ともに、バーやポストをかすめるような遠めからのシュートの応酬となっています。

トゥヘル監督が66分にコヴァチッチをカンテに代えると、クロップ監督は74分にナビ・ケイタをミルナー。マネ、ジョッタ、マネ、ルイス・ディアスと右につながった83分のアタックは、ニアを狙ったルイス・ディアスのフィニッシュがポストにヒット。直後、ミルナーのクロスを左足で合わせたロバートソンも、左足のボレーをニアポストにぶつけてしまいました。

1本しか打てなかったルカクは、85分にツィエクにチェンジ。90分のレッズのカウンターは、チアゴ・シウヴァとの駆けっことなったルイス・ディアスが、抜くのを諦めて放ったコントロールショットが右に外れました。プレミアリーグもカラバオカップも、90分で終わらなかった赤と青の激闘は、FAカップも延長戦に突入。クロップ監督はファン・ダイクを下げ、マティプをピッチに送り出しています。

終盤の決定機を活かせなかったレッズにとっては、嫌な30分です。94分のチェルシーのカウンターは、瞬間的に3対1になっていたのですが、プリシッチが持ちすぎてマティプがクロスをカット。98分にルイス・ディアスがフィルミーノに後を譲り、延長後半の頭にプリシッチとチャロバーに代わってロフタス=チークとアスピリクエタが入っています。

オープンな展開となった最後の15分は、1発で決めてしまいたいという叫びが聞こえるようなアバウトなボールが増えました。111分、ロバートソンが下がってツィミカス。カラバオカップでPK要員として入りながら、セーブゼロ&キック失敗と散々な結果に終わったケパは、ベンチで結末を見守るようです。タイムアップ直前に、途中出場のロフタス=チークをロス・バークリーに代えたのは、負傷リタイアだったのでしょうか。

マルコス・アロンソの完璧なキックで始まったPK戦。2人めのアスピリクエタが右のポストに当て、4対4でラストキッカーのマネが登場すると、セネガル代表対決は左に飛んだメンディがストップします。ツィエクとジョッタが成功した後、メイソン・マウントが右に蹴ったボールをアリソンがセーブ!14人めのツィミカスが冷静に左隅に収め、リヴァプールが16年ぶりのトロフィーを手に入れました。

クロップ監督、選手、スタッフ、サポーターのみなさん、2冠達成おめでとうございます!120分×2の激闘と、チェルシーの2人のGKに対してPK18本中17本成功という勝負強さを称えましょう。縦への突破もカットインも脅威だったルイス・ディアスは、文句なしのマン・オブ・ザ・マッチ。チャンスクリエイト4回、クロスとロングフィードを16人も成功させたアーノルドも、最初にトロフィーに触れてほしいタレントのひとりでした。

3年連続FAカップ準優勝に終わったブルーズは、カラバオカップに続いてPK戦でジ・エンド。レッズのフロントスリーを240分も封じたチームは、最強の敗者でした。シーズンの国内カップが同一カードとなり、いずれも準優勝に終わったのはアーセナルに敗れたシェフィールド・ウェンズデー以来、29年ぶり。国内カップ決勝でシーズン2度の敗戦は、1996-97シーズンのミドルズブラ以来、25年ぶりです。

ジョーダン・ヘンダーソンがトロフィーを高々と掲げた後、シャンパンファイトがスタート。今夜だけ喜びに浸ったチームは、プレミアリーグとチャンピオンズリーグも制するべく、戦いの場に戻っていきます。シーズン終了まで残り2週間、4冠チャレンジは続行となりました。次のゲームはミッドウィークのプレミアリーグ37節、セント・メアリーズでサウサンプトン。もちろん、必勝です。


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