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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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モウリーニョVSクロップ!決戦前の会見は好対照、勝つのはどっち?

片やはジョークありのポジティブな発信。もう一方は、「にべもない」という言葉がぴったりの重いコメントに終始しました。プレミアリーグ11節、チェルシーVSリヴァプール。モウリーニョ監督とクロップ監督の対決は、ドルトムントからやってきた明るい指揮官の就任以来、楽しみにしていたカードだったのですが、想像していたよりもチェルシーが大変な状況に陥ってしまい、試合結果だけでなく監督の去就までが注目されるゲームとなりました。

9月16日のチャンピオンズリーグ、ホームのテルアビブ戦を4-0で勝ったチェルシーは、直後のプレミアリーグでぶつかったアーセナルを2-0で完封。さらに4日後にはキャピタルワンカップでウォルソールに順当勝ちしており、当時は、3連勝&得点10という結果は不調の終わりを意味しているのだと確信していたのです。しかしその後は、監督が解任されるぐらいの絶不調アストン・ヴィラにしか勝てず、1勝3分け3敗と再度、停滞。チームがうまくいっていないだけでなく、自身のプライベートな時間に起こった事件への報道に不信感を表明していたモウリーニョ監督が、口が重くなるのも致し方なしです。

「ドイツにいた頃に、彼(モウリーニョ監督)とはいくつかメッセージを交わした。彼の仕事を尊敬している。いい人だと思うよ。もし、あなたがレフェリーや記者でなければね」と、ジョークを交えながら、「相手のことはあまり考えず、勝つことに集中したい」と語ったクロップ監督。公式サイトでは、「ここ数週間のチェルシーのクオリティは、結果ほど悪くない。過少評価してはいけない」と警戒しており、負傷者の多さに泣かされながらも戦う準備は万全のようです。対するモウリーニョ監督は、勝たなければならない一戦ではと問われ、「毎日新聞に書かれているのだから、読めばわかるだろう」と返し、「チャンピオンズリーグ出場権獲得は、約束できない」と、今までの姿勢とは打って変わって熱のない発言に終始しています。

これは、モウリーニョさんが少し気の毒ですね。試合前日会見の常とはいえ、「勝たないといけないのでは?」「上位に浮上できる?」と、答えづらい質問ばかりです。記者の何割かは、指揮官の見解を聞きたいのではなく、「彼が自分でいった」と言質を取りたいだけだったりもするので、調子を落としているときのこの場は針のむしろ。徹底的に引いて守る戦術を取りたくなる気持ちもわからなくはありません。ネガティブなネタがないクロップ監督のほうが、優しい質問に恵まれているのは間違いありません。

さて、この一戦、勝つのはどちらでしょう。ミッドウィークのキャピタルワンカップは、アウェイながらチェルシーが火曜日、アンフィールドでクロップ監督就任後の初勝利を挙げたリヴァプールは水曜日。単純なスケジュール比較では、チェルシーに分があるようにみえるものの、ストークを警戒したモウリーニョ監督は主力を揃え、しかも延長戦まで戦ってアザールのPK失敗という痛い形で敗れています。ランドール、ティシェイラ、ブラナガンと思い切った若手起用を断行し、出場機会が少ない選手、負傷明けの選手も試したリヴァプールは、何人かの選手に目処が立ち、勝った勢いを持ってスタンフォード・ブリッジに乗り込めます。チームのムードや、メンタルも含めた疲労度から推測すると、クロップ監督のプレミアリーグ初勝利に賭けたくなります。

とはいえ、強い相手をホームに迎えたときのチェルシーの底力には、侮れないものがあります。2-0で勝ったアーセナル戦は、相手に退場者が出たからと思われがちですが、45分まではチェルシーが優勢。クロップ監督がいうとおり、直近の試合でもいい時間帯のクオリティは決して低くはなく、先にリードを奪われれば追いつくのは難しい相手です。両チームからキーマンを挙げるとすれば、オスカルとフィルミーノのブラジル勢を指名したいと思います。最初のポイントは、指揮官が彼らを起用するかどうか。キャピタルワンカップで素晴らしい出来だったフィルミーノは、先を読む力とパスコースを切る守備が光っており、彼がいれば「前線でのボール奪取からのショートカウンター」というゴールの可能性が極めて高い形が創れるのではないかと思います。一方、ジエゴ・コスタがサイドに流れたとき、中央が薄くなりがちなチェルシーの攻撃に厚みを加えるとすれば、オスカルでしょう。ストーク戦の前半のように、彼がペナルティエリアに入る頻度が高ければ、アザールが自由になる形も増えるのではないかと思います。

両者とも守備は堅牢とはいえず、チェルシーはサイドを破られたとき、リヴァプールはビルドアップ時のミスを自陣で突かれるのが不安です。その意味では、エムレ・ジャン、ミルナーらが動く中盤でチェルシーがどれだけプレッシャーをかけられるか、リヴァプールがアスピリクエタのいないほうのサイドをどれだけ突破できるかも見どころです。モウリーニョ監督は、右にズマ、左にアスピリクエタを置くのが妥当ではないでしょうか。レッズのほうは、ズマではなくラーマン・ババが出てくるようであれば、中への志向が強いララナよりも、ジョーダン・アイブを縦にいかせたほうが効果的だと思います。スタメン、戦術次第で試合の流れが大きく変わりそうな一戦です。

昨季プレミアリーグ王者だったために、チェルシーの不振ばかりが取り沙汰されがちですが、彼らがこの試合に勝てばリヴァプールと並ぶ勝ち点14。クリスタル・パレスという不気味な相手とアウェイで戦うマンチェスター・ユナイテッドが負ければ、勝ち点19のレスターが勝って4位に上がったとしてもその差は8まで詰まり、チャンピオンズリーグ出場権は、さほど遠くないところに見えてきます。「負けたら監督解任か」と報道されているチェルシーにとっては、「勝てば上位が視界に入るかもしれない一戦」でもあるわけです。

クロップ監督のプレミアリーグ初勝利を観たい気分もあり、モウリーニョ監督に踏ん張ってほしいという思いもあり、いつもながらの八方美人で恐縮ですが、ブックメーカーに張れといわれればリヴァプールの1-2、ゴールはコウチーニョとミルナーでしょうか。…チェルシーサポーターのみなさん、すみません。フィルミーノとコウチーニョのコンビに前のめりに期待しているのは確かですが、何しろギャンブルは穴党でして、「ウィリアムヒル」でリヴァプール勝利が3.75倍というのがいかにもおいしく見えたのです。どちらが勝ってもおかしくない試合だと思います。今から熱戦が楽しみです。

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“モウリーニョVSクロップ!決戦前の会見は好対照、勝つのはどっち?” への3件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    なんとも楽しみにしていたゲームが監督問題も加わってしまい妙な感じを覚えてしまいます。
    カップ戦90分で決着しかも、若手登用で主力は休養十分なのでレッズ有利と思いましたいですが、冷静にみて場所スタンフォード・ブリッジです。勝つのは容易では無いと思います。私は1-1のドローと見ております。ウィリアム・ヒルのオッズは3.2倍でしたね(笑)クロップに早くリーグ戦勝利を!と思いたいとことですが、ここは冷静にかつ控えめにいきたいところです。

  2. 実はグーナー より:

    リバプール有利だと思いますね
    前線の選手がリバプールのプレスを剥がせずにCBまでバックパスするシーンが恐らく結構あると思いますが、全速力で追ってきた相手と対峙したチェルシーのCBにはクリアかGKへのバックパスしか引き出しは無いでしょうしね
    当然実際はどうなるかわかりませんがとにかく楽しみです

  3. makoto より:

    Mackiさん>
    3.2まで下がっていたんですね。スコアまで当たるかと思って、ドキドキしながら見てました。

    実はグーナーさん>
    いいヨミでしたね。チェルシーは、時間が経つにつれて前に出せなくなってましたね。レッズが気持ちで勝ったゲームでした。

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