2022.10.11 監督トピックス
最下位なのに3年契約!? ノッティンガム・フォレストとクーパー監督の契約延長は美談かコントか?
夏の補強は、コメディを通り越してホラー。そして先週の発表は、美談を通り越してクレイジーです。今回の主役は、ノッティンガム・フォレスト。現地を騒然とさせた最新のニュースが本題なのですが、その前に、彼らが名門と呼ばれる理由から話を始めたいと思います。
歴史上、世界最古のフットボールクラブは、1862年に創立されたノッツ・カウンティ。3年後に生まれたノッティンガム・フォレストは、史上2番めに古いクラブで、1892-93シーズンからディヴィジョン1に加わっています。
フットボールのオールドファンなら、1970年代後半の黄金時代をご存じなのではないでしょうか。1977-78シーズンにイングランドリーグとリーグカップのダブル達成。翌シーズンから、チャンピオンズカップを連覇しました。1981年2月に開催された最初のトヨタカップで、千駄ヶ谷の国立霞ヶ丘競技場に登場した欧州代表は、ノッティンガム・フォレストだったのです。
プレミアリーグが創設された1992-93シーズンは、栄えある初の最下位クラブとなりました。その後は降格・昇格を繰り返し、1998-99シーズンはトップリーグにいたのですが、2000年以降はリーグ1(3部相当)とチャンピオンシップを居場所としていました。ようやく昨シーズン、スティーヴ・クーパー監督によって4位に入り、プレーオフを制して24年ぶりのプレミアリーグ復帰が決まりました。
地元サポーターの期待を集め、意気揚々とマン・シティを頂点とするリーグに乗り込んだクラブは、9節を終えた時点で1勝1分6敗で最下位。1週間前には、残留争いのライバルとなったレスターに4-0で大敗しており、どこからどう見ても指揮官解任のフラグが立ちまくっています。
現地メディアもクーパー解任が検討されていたのですが…何と!10月7日、ノッティンガム・フォレストは、指揮官と2025年までの新契約を締結したと発表しました。
「今は、フットボールだけに集中することが重要です。グループとして全員が集中し、リーグ戦の順位を上げ、再びプレミアリーグに導かれた本来の力を発揮するために全力を尽くします」
フラムのスコット・パーカー、チェルシーのトーマス・トゥヘル、ウルヴスのブルーノ・ラージが続々と解任されるなかで、プレミアリーグ昇格の功労者とクラブの厚い信頼関係は美談という言葉がよく似合います。しかし…。
残留発表だけでよくないですか?
現場のトップ交代が、クラブを浮上させる手段のひとつとして定着しているなかで、最下位での契約延長はあまりにもリスキー。指揮官の背中を見送るのに慣れてしまったファンの目には、美談を通り越してクレイジーに映ります。延長したシーズンに解任となれば、1周まわってキング・オブ・コント。あの発表はオチにつながる伏線だったのか!となります。
そもそもこのクラブは、夏に震撼のホラームービーを上映していたのです。1億4500万ポンドを投じて獲得した新戦力は、プレミアリーグレコードとなる25人。10人なら金満クラブと揶揄されて終わりですが、25人となると、フットボール以外に何かやろうとしていたのかと舞台裏をのぞいてみたくなります。
リストをチェックしてみると、これがまた錚々たる顔ぶれです。エマヌエル・デニス、オレル・マンガラ、タイニイ・アウォニイは即戦力。465万ポンドのウィリー・ボリはお買い得案件で、シェイク・クヤテ、ジェシー・リンガード、セルジュ・オーリエはフリーです。ディーン・ヘンダーソンのレンタルは大ヒットといっていいでしょう。
高いですね…と感じるのは、4250万ポンドのモルガン・ギブス=ホワイトと、1700万ポンドのネコ・ウィリアムスぐらい。むやみにかき集めたのではなく、個々にしっかり交渉して連れてきたのでしょう。それにしても、ガレス・サウスゲート監督の代表チームを上回る25人も必要だったのでしょうか?がんばって獲ってたら、どこかで止まらなくなったのかもしれませんね…。
いきなり2チーム以上の選手が殺到した「人満クラブ」が、なかなかまとまらないのはアタリマエで、未だ新学期最初のホームルーム状態なのではないかと想像します。序盤の不振を指揮官のせいにしないのは、素晴らしい姿勢ですが、3年契約とはずいぶん思い切った手を打ったものです。書いているうちに、応援したくなってきました。本日、ヴィラ戦ですか。おお、スティーヴン・ジェラードは大丈夫!?(スティーヴ・クーパー 写真著作者/AFC Bournemouth)
歴史上、世界最古のフットボールクラブは、1862年に創立されたノッツ・カウンティ。3年後に生まれたノッティンガム・フォレストは、史上2番めに古いクラブで、1892-93シーズンからディヴィジョン1に加わっています。
フットボールのオールドファンなら、1970年代後半の黄金時代をご存じなのではないでしょうか。1977-78シーズンにイングランドリーグとリーグカップのダブル達成。翌シーズンから、チャンピオンズカップを連覇しました。1981年2月に開催された最初のトヨタカップで、千駄ヶ谷の国立霞ヶ丘競技場に登場した欧州代表は、ノッティンガム・フォレストだったのです。
プレミアリーグが創設された1992-93シーズンは、栄えある初の最下位クラブとなりました。その後は降格・昇格を繰り返し、1998-99シーズンはトップリーグにいたのですが、2000年以降はリーグ1(3部相当)とチャンピオンシップを居場所としていました。ようやく昨シーズン、スティーヴ・クーパー監督によって4位に入り、プレーオフを制して24年ぶりのプレミアリーグ復帰が決まりました。
地元サポーターの期待を集め、意気揚々とマン・シティを頂点とするリーグに乗り込んだクラブは、9節を終えた時点で1勝1分6敗で最下位。1週間前には、残留争いのライバルとなったレスターに4-0で大敗しており、どこからどう見ても指揮官解任のフラグが立ちまくっています。
現地メディアもクーパー解任が検討されていたのですが…何と!10月7日、ノッティンガム・フォレストは、指揮官と2025年までの新契約を締結したと発表しました。
「今は、フットボールだけに集中することが重要です。グループとして全員が集中し、リーグ戦の順位を上げ、再びプレミアリーグに導かれた本来の力を発揮するために全力を尽くします」
フラムのスコット・パーカー、チェルシーのトーマス・トゥヘル、ウルヴスのブルーノ・ラージが続々と解任されるなかで、プレミアリーグ昇格の功労者とクラブの厚い信頼関係は美談という言葉がよく似合います。しかし…。
残留発表だけでよくないですか?
現場のトップ交代が、クラブを浮上させる手段のひとつとして定着しているなかで、最下位での契約延長はあまりにもリスキー。指揮官の背中を見送るのに慣れてしまったファンの目には、美談を通り越してクレイジーに映ります。延長したシーズンに解任となれば、1周まわってキング・オブ・コント。あの発表はオチにつながる伏線だったのか!となります。
そもそもこのクラブは、夏に震撼のホラームービーを上映していたのです。1億4500万ポンドを投じて獲得した新戦力は、プレミアリーグレコードとなる25人。10人なら金満クラブと揶揄されて終わりですが、25人となると、フットボール以外に何かやろうとしていたのかと舞台裏をのぞいてみたくなります。
リストをチェックしてみると、これがまた錚々たる顔ぶれです。エマヌエル・デニス、オレル・マンガラ、タイニイ・アウォニイは即戦力。465万ポンドのウィリー・ボリはお買い得案件で、シェイク・クヤテ、ジェシー・リンガード、セルジュ・オーリエはフリーです。ディーン・ヘンダーソンのレンタルは大ヒットといっていいでしょう。
高いですね…と感じるのは、4250万ポンドのモルガン・ギブス=ホワイトと、1700万ポンドのネコ・ウィリアムスぐらい。むやみにかき集めたのではなく、個々にしっかり交渉して連れてきたのでしょう。それにしても、ガレス・サウスゲート監督の代表チームを上回る25人も必要だったのでしょうか?がんばって獲ってたら、どこかで止まらなくなったのかもしれませんね…。
いきなり2チーム以上の選手が殺到した「人満クラブ」が、なかなかまとまらないのはアタリマエで、未だ新学期最初のホームルーム状態なのではないかと想像します。序盤の不振を指揮官のせいにしないのは、素晴らしい姿勢ですが、3年契約とはずいぶん思い切った手を打ったものです。書いているうちに、応援したくなってきました。本日、ヴィラ戦ですか。おお、スティーヴン・ジェラードは大丈夫!?(スティーヴ・クーパー 写真著作者/AFC Bournemouth)
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す