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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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現地メディアは議論白熱…試行錯誤のグレアム・ポッターに時間はあるのか?

「ポジティブな面はたくさんあった。もちろん結果にはがっかりしているけど、プレイにおいては何度かいいチャンスを作り、チームの構造もパフォーマンスレベルも向上していた」

「われわれが望んでいる姿に近づいているチームだった。選手たちは勇気をもって、トップチームを相手にトライしてくれた。GKがマン・オブ・ザ・マッチを獲得したことが、その一端を物語っている。全体としては一歩前進だった」(グレアム・ポッター/マンチェスター・シティ戦後の会見にて)

カラバオカップ3回戦は、マンチェスター・シティにアウェイで2-0。決定機をGKオルテガにつぶされ、立て続けに2発喰らってからの反撃も実らず、クリーンシートで敗れ去りました。10月16日に開催されたプレミアリーグ11節のアストン・ヴィラ戦まで、5連勝と好調だったチームは、その後の7試合を2勝2分3敗と停滞。現地メディアは、指揮官の采配やコメントに関する記事を増やしています。

7試合で6ゴール8失点。課題となっているのは、守備よりも攻撃でしょう。ラヒム・スターリングは、直近の公式戦で618分の長きにわたってノーゴールノーアシスト。ウイング、トップ、2列め、ウイングバックとポジションが定まらず、迷いが生じているように見えます。

トゥヘル監督とともに戦うつもりだったオーバメヤンは、12試合で3ゴール。彼もまた、チームが不振に陥ってからは6戦連続ノーゴールです。マンチェスター・ユナイテッド戦はボールタッチ19回でパス成功4本、アーセナル戦は8回で3本。いずれもオンターゲットゼロに終わっています。前で奪おうとするチームとのゲームでは、消えている時間が長いのが気になります。

2021-22シーズンはチームのトップスコアラーだったメイソン・マウントは、アストン・ヴィラ戦の2ゴールのみ。カイ・ハヴェルツはまずまずですが、プリシッチとツィエクは機能しているとはいえないでしょう。リース・ジェームズの負傷リタイアも、攻撃力を落とす要因のひとつでしょう。

3-4-2-1を軸としていたポッター監督は、3-4-3、4-2-3-1、4-3-3、4-3-1-2など、多様なフォーメーションを選択しています。これらは流動性というより、試行錯誤という言葉のほうがぴったりです。負傷者が続出し、適材適所が難しくなっている状況は理解するものの、役割も持ち場も変わることが多いスターリング、メイソン・マウント、コナー・ギャラガーは、プレーエリアを明確にしたほうがいいのではないでしょうか。

守備に関しては、4-1で敗れたブライトン戦と昨日のマン・シティ戦以外、2失点以上はゼロ。フォファナやクリバリ、リース・ジェームズ、チルウェルを欠きながらよくやっているといえるでしょう。カンテを欠き、コヴァチッチがトップフォームに戻れていない中盤が安定すれば、最終ラインの強度も上がるものと思われます。

ポッター監督は、チームがビッグタイトルを獲得するまでに数年が必要とコメントしています。意訳すると、「時間がほしい」ということでしょう。これに対して、現地メディアの見解は2つに分かれています。

「1年半前に、トゥヘルの下でCLを制覇したことを無視している」と違和感を主張するのは「ミラー」。対して「ガーディアン」は、「グレアム・ポッターは、今でもチェルシーの組織的な問題に対する解決策」といい切っています。

「スカイスポーツ」で評論家を務めるクリントン・モリソンとクリス・ボイドも、意見が分かれています。「彼はTOP4入りを果たさなければならない。あのメンバーなら入れるはずだ。実現できなければ、彼は2回のトランスファーウィンドウを得ることはできない」と厳しい見方を示すモリソンさんに対して、ボイドさんは短期間の方針変更はないと反論しています。

「前任の監督は、チェルシーのヒエラルキーとヴィジョンに同意しなかったからクビになった。彼らは自分たちのヴィジョンに沿う監督を雇った。1年で彼を排除することはできない。ブライトンに支払った金額、コーチングスタッフ全員を引き抜いた金額を見れば、自分たちが必要としたフットボールで負けたからといって、6~7ヵ月で引き返そうとは思わないだろう」

トッド・ベイリーオーナーがどんなジャッジをするのかは、誰にもわかりませんが、グレアム・ポッター監督が求められていることについては、記者や評論家の見解は一致するでしょう。試行錯誤の季節を早期に終え、TOP4をめざせるポジションをキープすること。週末のニューカッスル戦は、惨敗するわけにはいかない大事なゲームです。


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