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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ユルゲン・クロップは、自らの去り際を考え始めているのかもしれない。

No, thank God. I wouldn’t be manager of Liverpool if I had a couple of these seasons.(いや、神に感謝している。こんなシーズンが何度かあったら、リヴァプールの監督ではいられないだろう)」

スコアレスドローに終わったチェルシー戦の後、「これまでのキャリアで、こういうキャンペーンを経験したことがあるか?」と問われたユルゲン・クロップ監督の言葉です。好調といえる時期が1ヵ月も続かない、あまりにも厳しいシーズン。このまま8位で終われば、ブレンダン・ロジャースの後を継いだ最初のシーズンと同じ景色を見ることになります。

プレミアリーグ28試合で12勝7分9敗。48ゴールは、1試合あたりに直すと1.71で、30試合55ゴールだった初年度の1.83を下回ります。9-0のボーンマス戦と、7-0圧勝のマンチェスター・ユナイテッド戦を除くと、26戦32発で1.23。昨季のCLファイナリストは、シーズンの大半を13位リーズや降格ゾーンのレスターより低い得点力で過ごしているのです。

7人で69ゴールだったフロントスリーから、サディオ・マネ、デイヴォック・オリギ、南野拓実が離脱しました。チーム最高額のサラリーを手にしたモー・サラーは、28試合12ゴール。2017年の入団以来、5年で118発を叩き込んだワールドクラスの数字ではありません。

負傷に泣かされたジョッタはノーゴール、ルイス・ディアスは4ゴール。ダルウィン・ヌニェスとコーディー・ガクポは、クロップのスタイルにフィットするまで時間がかかりそうです。輝きを取り戻したフィルミーノは、ボスに退団の意向を伝えたと報じられています。

世代交代の難しさを感じさせているのは、前線だけではありません。ナビ・ケイタは退団濃厚。37歳になったミルナーは、スパイクを脱ぐタイミングを意識し始めているはずです。プレミアリーグNo.1のCBと称えられたファン・ダイクは、ピークを過ぎてしまったのでしょうか。ヘンダーソンとチアゴは、シーズンを通じて高いパフォーマンスをキープできずに苦しんでいます。

チェルシー戦の試合後会見のやりとりを伝えた「テレグラフ」のトム・ギブス記者は、「ユルゲン・クロップは、どこまで耐えられるのか?」と問うています。在りし日に立っていた山の麓で、もう一度高みを見上げたとき、彼に登ろうとする気力は残っているのか、と。

一緒に頂上をめざしたマイケル・エドワーズがいないクラブで。プレミアリーグとチャンピオンズリーグを制した歴戦の勇士たちが、下り坂を迎えたチームで。サポーターの怒声が聞こえるバスのなかで。解任の噂まで流れた7年めの指揮官は、自らの去就を考え始めているのではないか…。

冒頭のコメントに続く言葉は、「われわれ乗り越えなければならない」。前を向いているように見える指揮官について、「テレグラフ」の記者は、チェルシー戦における彼らしくない振舞いが気になったと述懐しています。

「スタンフォード・ブリッジでは、彼がどこまで耐えられるか疑問に思った。前半は、チームにミスがあると、彼はつま先立ちになって両腕を振り上げ、空に向かって叫んで苛立ちを爆発させていた」

「後半は落ち着いていたように見えた。混乱したチームに対して賢明だった。あれほどパスをミスするチームには、昔の彼のような怒鳴り声は害にしかならないからか。いや、もしかすると、別の見方があるのかもしれない。これは彼の『静かな辞め方』なのだろうか?」


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