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「スカイスポーツ」がレポート!「プレミアリーグからの降格回避をめざす監督解任の成功率は?」

10日ほど前に、「プレミアリーグの監督は、なぜ解任されないのか(Why have no Premier League managers been sacked this season?)」と題した「アスレティック」の記事を紹介しました。昨日、「スカイスポーツ」のリアル・トーマス記者が配信した記事のタイトルは「No Premier League managers sacked? 」。テーマは全く同じです。

ただしこちらは、前段でルートン、シェフィールド・ユナイテッド、バーンリー、ボーンマスが動かない理由について考察した後、降格回避のために指揮官を代える効果について分析しています。プレミアリーグ創設からの事例を読み込んだレポートは迫力があり、結論からいうと、「代えるならお早めに」。これがなかなか興味深いので、以下にポイントを紹介しましょう。

1992-93シーズンからの30年で、降格ゾーンにいたクラブの監督解任は77回(初回の交代のみ)。このうち残留したのは33クラブで、降格回避率は43%という微妙な数字です。おもしろいのは、解任時の順位によって成功率が大きく変わること。18位は54.2%、19位は57.1%が成功しているのですが、最下位で解任となると15.4%まで落ちてしまいます。

ポジション以上に重要なのは、代える時期です。年内のチェンジは56.6%がセーフで、年明け以降となると成功率12.5%。1月以降に動いて生き残ったのは、1993-94シーズンに21位でアラン・ボールを頼ったサウサンプトン、2014-15シーズンにポール・ランバートをティム・シャーウッドに代えたアストン・ヴィラ、ショーン・ダイクを連れてきた昨季のエヴァートンだけです。

このなかで、2月になってからの解任で残留したのは、ヴィラのみ。火中の栗を拾ったシャーウッドは、FAカップでファイナル進出という快挙を成し遂げています。4-0で完敗したアーセナル戦で勝っていれば、「残り11試合で19位から、ヨーロッパリーグ出場権獲得」というスーパーイリュージョンを達成するところでした。3月以降の決断で助かったクラブはひとつもありません。

最下位からの解任は、時期の条件がさらに厳しくなり、11月以降となると降格率100%だそうです。どん底に落ちたチームの最大の成功は、2008-09シーズンのトッテナム。開幕からの8試合を2分6敗で最下位となり、ファンデ・ラモスをハリー・レドナップに代えたら、14勝7分9敗で8位フィニッシュです。

ダレン・ベント、モドリッチ、アーロン・レノン、ジェナスがいるのにどん底に落ちるなんてどうかしてるぜ!と叫びたくなる巻き返し事例ではありますが…。これ以外で10位以上のジャンプアップを実現したのは、クーマンが2勝2分5敗で18位、サム・アラダイスが拾って8位となった2017-18シーズンのエヴァートンしかありません。

ちなみにトッテナムは過去3回、エヴァートンは4回も降格ゾーンからの解任を断行しており、すべて残留を果たしています。逆に複数回のチャレンジがすべて失敗(2戦2敗)しているのは、ノッティンガム・フォレスト、ハル・シティ、ダービー・カウンティ―。現在15位のノッティンガム・フォレストが年明け以降に落ちても、人気者のクーパーは続投させたほうがよさそうです。

リアル・トーマス記者は、レポートをこう結んでいます。「年明け以降の監督交代で降格を免れる確率は、ポジションを問わずわずか13%となっている。早めの行動が肝心。どん底に突き落とされる前に交代するべきだ」。これに倣えば、ルートン、シェフィールド・ユナイテッド、バーンリーに残された執行猶予期間は1ヵ月です。


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