アーセナルとアルテタ監督が2030年までの4年契約を締結。新たな旅の始まりか、長い旅の終わりか?
アーセナルとアルテタ監督が、2030年までの4年契約を締結しました。2022年と2024年の契約延長は3年でしたが、今回は4年です。トータルで10年の長期契約は、継続性と安定を重視する経営ボードの姿勢を体現しているといえるでしょう。契約書にサインした指揮官は、「最もワクワクするのは、これもともに成し遂げられることの始まりに過ぎないということ」といっています。
フレンドリーな交渉を主導したのはリチャード・ガーリックCEOで、アンドレア・ベルタSDとボードメンバーがサポートしたと報じられています。2024年はティム・ルイス副会長とエドゥ・ガスパールSDのコンビで、指揮官との重要なコミュニケーションにはスポーツディレクターのみならず、経営のキーマンが関わるのが通例となっています。
指揮官とともにプレミアリーグを制したコーチングスタッフも、契約を延長しました。アルベルト・ストゥイフェンベルクとイニャキ・カナは、2019年の監督就任時からプロジェクトに関わる大事なパートナー。ミゲル・モリーナ、ガブリエル・エインツェ、セットピースコーチのニコラス・ジョバーも、長期的な視座をもってチームの強化を推進していくことになったようです。
最初の18ヵ月は悪戦苦闘だったアルテタ監督とエドゥTDが、攻めのチーム作りに着手したのは2021年の夏でした。2027年までにペップ・グアルディオラとユルゲン・クロップが去り、ケヴィン・デブライネやモハメド・サラーが下り坂に入るというシミュレーションをもとに、23歳以下のタレントを集めて4~5年後にピークを迎えるプランを打ち出しました。
サカ、ウーデゴーア、ベン・ホワイト、ガブリエウ、スミス・ロウ、マルティネッリ、冨安健洋が主力だった2021-22シーズンは、スカッドの平均年齢が24歳308日で、2位のブレントフォードを1歳以上引き離す最も若いチームでした。サリバを呼び戻した2022-23シーズンに、マンチェスター・シティと優勝を争ったのをきっかけに、次なるステップに突入しました。
2023年の夏の新戦力は、デクラン・ライス、カイ・ハヴェルツ、ユリエン・ティンバー、ダヴィド・ラヤ。プレミアリーグの頂点をめざすと宣言するようなビッグディールを敢行した後は、当初のシミュレーションが妥当だったと証明するような3シーズンを過ごしています。新たな契約を交わした今、視界に入っているのはプレミアリーグ連覇と欧州制覇です。
「テレグラフ」のサム・ディーン記者とサム・ウォレス記者は、「新契約は、これまでの1500万ポンドから大幅な昇給となる2000万ポンド」「アトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネと肩を並べる存在になった」と伝えつつ、「これが最後の契約かもしれない」といっています。監督とスタッフの報酬も戦力への投資も、限界に近づいているように見えるからでしょう。
われわれから見えているのは、新たな旅の始まりか、長い旅の終わりか。それを決めるのは、ここからの4年の足跡なのでしょう。今はただ、彼らのフットボールを無心に愉しみたいと思います。週末のプレミアリーグはリーズ、ミッドウイークはリール、その次はノッティンガム・フォレスト。今までと同じような日常が続きます。
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