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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ぐるぐるまわるベテラン監督…サウサンプトンがストークを解任されたマーク・ヒューズを招聘!

まわってます、まわってます。あっちの監督がこっちへ、こっちはそっちへ。今季のプレミアリーグ20クラブの監督をすらすらいえる人は、意外と少ないのではないでしょうか。パーデュー、アラダイス、モイーズ、ホジソンと、おなじみの面々が残留を争うチームに続々と招聘されるなか、背に腹は代えられなくなったサウサンプトンも、ルービックキューブのような複雑なパズルのパーツに組み込まれました。直近のプレミアリーグ17試合を1勝9分7敗と勝てなかったペジェグリーノ監督が解任となり、後釜に指名されたのはマーク・ヒューズ!ウェールズ代表を皮切りに、ブラックバーン、マンチェスター・シティ、フラム、QPRで指揮を執った54歳のマネージャーは、4年半を過ごしたストークから1月に解任を通告されたばかりです。

「このチャレンジに興奮している。よく知っているクラブ。親近感がある。絶好のチャンスだと思った」「このリーグで勝つために必要なことはわかっているつもりだ。しかし、まずは異なる声を聞かなければならない。選手たちを認識し、何ができるのかにフォーカスすることが大事だ」。現役時代、1998年からの2シーズンをセインツで過ごしたことが、「親近感」「戻ってきた」という感覚につながっているのでしょう。来季もプレミアリーグで戦うことが最大の目標と語る指揮官は、どんな巻き返し策を頭に描いているのでしょうか。ともすると、「マンチェスター・シティを1年ちょっとで解任された」という印象で語られがちな監督ですが、2013-14シーズンから3季連続でストークを9位フィニッシュさせたのはお手柄です。

エンゾンジやウィーランを中盤の真ん中に置き、アルナウトヴィッチ、チャーリー・アダム、ウォルターズ、オデムウィンギーらがサイドを攻略してクラウチで仕留める2013-14シーズンのスタイルは「手堅い」のひとこと。ボージャン・クルキッチやシャキリ、ディウフが加わってからは、攻撃の戦術にバリエーションがないのが露呈した感はありましたが、プレミアリーグ残留をめざすクラブなら、シンプルな戦術をとにかく徹底させるトニー・ピューリスのような戦い方も時に効果的です。

さて、マーク・ヒューズはセインツを救うことができるでしょうか。今季のストークにおける最大の失敗は、最終ラインを安定させられなかったことですが、ファン・ダイクがいなくなってからは守備の綻びが目立つセインツでも前チームと同じ課題に取り組まなければなりません。さらにセインツには、前線の得点力不足という難問もあります。1月にモナコから獲得したギド・カリージョは未だノーゴール。昨季プレミアリーグで最もクロスが多かったチームは、ガッビアディーニの裏に抜け出すプレイのうまさを活かし切れておらず、今季1ゴールと不振のシェーン・ロングに多くは望めません。トップの下に突破力のあるアタッカーを置くなど、何らかの工夫を施さなければ明快な結果は得られないでしょう。

戦力的にはプレミアリーグ17位などというポジションのチームではなく、守備を再整備するだけでも残留できそうではあるのですが、「今季終了まで」と報じられている指揮官が未来をまかせられるかといわれると甚だ怪しいというのが目下の観測であります。昨季を8位で終えた監督を解任したセインツは、相当めざましい結果を出さなければ、新シーズンの人事をゼロベースで考えようとするのではないかと思われます。いや、まずは見てみましょう。マーク・ヒューズの最初の試合は18日に行われるFAカップ準々決勝のウィガン戦、プレミアリーグは月末のウェストハム戦となります。(マーク・ヒューズ 写真著作者/Chensiyuan)

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