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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ジョーク、自画自賛、失望…プレミアリーグ最終節を終えたTOP6の指揮官語録!

リヴァプールはブライトンに何もさせずに4発圧勝。トッテナムはレスターとの殴り合いを制し、マンチェスター勢とアーセナルは、ストライカーの1発で有終の美を飾りました。TOP6が順当に勝ったプレミアリーグ最終節で、唯一苦杯を喫したのはチェルシー。チャンピオンズリーグ出場権をリヴァプールと争っていた昨季プレミアリーグ王者は、ニューカッスルに3-0で完敗し、上位を焦らせることすらできずにELにまわることになりました。シーズンを終えた指揮官たちの表情は「6者6様」。現地メディアやクラブの公式サイトから、それぞれが残した言葉を紹介しましょう。

まずは、828試合めとなるプレミアリーグのラストゲームを勝利で終えたアーセン・ヴェンゲル監督。「Wenger OUT」のプラカードがスタンドを占拠していた1年前を思い出しながら、「Merci Arsene」「We Will Miss You」と書かれたバナーにツッコミを入れていました。

They had the wrong banner out today. It’s a real special day and to keep my sense of humour I should have announced it every week that I will retire, because people have been so nice since I said that!(今日の彼らは、掲げるバナーを間違えてしまったようだね。ユーモアのセンスを錆びつかせないように、毎週退任するといっておけばよかった。そういっておけば、みんなよくしてくれるからね!)」

公式戦1235試合707勝280分248敗という空前絶後の数字を残してアーセナルを去る指揮官は、「今季はサポーターを落胆させてばかりだったのに、こうして送り出してもらえるのは感無量だ」と率直に喜びを表現していました。かつて日本を選んだヴェンゲル監督は、プレミアリーグの次のステージも、チャレンジできる環境とするのではないでしょうか。しばしの充電の後、名将がチョイスするクラブに注目しましょう。

セインツ戦の94分、ガブリエウ・ジェズスのループシュートが決まった瞬間、これでプレミアリーグ制覇を果たしたかのように歓喜を爆発させたペップ・グアルディオラ監督。「信じられない。言葉がない。勝ち点100だ!」という言葉を聞いて、3ケタの大台に乗せることが、いかにプライオリティが高かったかを知りました。プレミアリーグ史上最多の32勝、18連勝、106ゴール、得失点差79、2位との勝ち点差19。アウェイでの16勝と勝ち点48もレコードで、パス成功本数942という記録も残しています。

「数字には、常にわれわれ自身のプレイやメンタリティが反映されている。何試合も落としたら、勝ち点100は不可能になる」と語ったスペイン人指揮官は、「今季はすべてがパーフェクトだった。それにふさわしいフィニッシュを飾ることができた」と最終節の劇的勝利を評価しました。シーズン最終日を勝利で終えた直後は、ミッションを達成した喜びにひたすら浸ることを許される短い時間なのでしょう。来季もクオリティの高いフットボールを展開して、プレミアリーグの欧州復権の旗を振り続けていただければと思います。

2位に終わったモウリーニョ監督は、「昨季から改善された数字を尊重すれば、ポジティブな見方になる」と、自らの足跡を振り返っています。「直近5年で最高順位で、いつもなら最後の数週間まで優勝を争える勝ち点をゲットした。多くの試合でクリーンシートを達成し、ゴールデングローブも獲得できた。ゴール数も昨季より増え、リーグで2番めだ。そしてこの後、国内で2番めのメジャータイトル(=FAカップ)をめざして戦う」。おっしゃるとおり、2015-16シーズンのレスターと同じ勝ち点でシーズンを終えたクラブの最大の不運は、順位テーブルのはるか上に、歴代最強クラブが君臨していたことです。

「ネガティブなことをいおうと思えば、いくらでもいえるが」。皮肉を交えながらも、自軍の成果を前向きに語った指揮官には、ペップの背中が見えているのか、すぐには追いつけないと踏んでいるのか。次のプレミアリーグ制覇をめざすなら、昨夏のペップのような改革が必要でしょう。直近の3シーズンで3位、2位、3位と安定的な戦績を残しながら、タイトルに手が届いていないトッテナムのポチェッティーノ監督は、「大きなトロフィーの候補になりたければ、クラブはリスクを取る必要がある」と主張しています。

「私はダニエル(レヴィ会長)と話さなければならない。私たちがどうしたいのかを、はっきりさせないとね。クラブがリスクを冒すべきタイミングだと思う。前のシーズンよりハードワークして、競争力を高めるんだ。信じられないほどのファンを持つクラブなら、このような状況では勇気を最も必要とするものだ」

チームの完成度という意味では、マンチェスター・ユナイテッドやトッテナムよりも、CLファイナリストのほうが上かもしれません。とにかく明るいクロップ監督は、いつもながら大げさな表現で選手たちをリスペクトしていました。「今季の選手たちは、信じられないぐらいよかった。パーフェクトに近いシーズンを過ごした彼らを誇りに思う。マンチェスター・シティにチャレンジするチャンスはなく、ターゲットはCL出場権だけだったけど、大きなことを成し遂げることができた」。ビッグイヤーにリーチをかけているリヴァプールのマネージャーは、選手層を厚くしてプレミアリーグを勝ちにいくと明言しています。

「負傷者に悩まされなければ、もう少しマンチェスター・シティに近づけただろう。われわれには、さらなる一貫性が必要だ。今シーズンは、多くの経験を積むことができた。成熟に向かっているチームに何人かの戦力を加えて、次もいいシーズンにしたい」

CL出場権争いでレッズに敗れたチェルシーのコンテ監督は、シーズンを通じてささやかれていた今季限りという噂を一蹴しました。「FAカップが最後とは思っていない。私はクラブのために全力を尽くしてきた。憶測は知らない。大事なのは君たちの思惑ではなく、クラブの判断だ。私には契約が残っており、クラブもそれを心得ている」。TOP4を逃してしまった指揮官は、最終的な結果に落胆しながら、FAカップ決勝に挑む選手たちに奮起を促しています。

「タイトルを獲得できなかったのは初めてで、失望している。ユヴェントスで3回、チェルシーでも1回と、常にタイトルを勝ち取ってきたからね」「ニューカッスルは、勝利への強い意欲を示して戦っていた。今日は悪かった。FAカップ決勝でもこんなプレイをしたら、勝てないだろう。これからの6日間で、試合へのアプローチ、意欲、戦い方を変えなければならない」

ヴェンゲル監督を除く5人は、来季もプレミアリーグで戦うことになるのでしょうか。これだけの名将が揃い、必ずひとりはチャンピオンズリーグ出場権を逃すという激烈な環境に、思わずため息が漏れてしまいます。FAカップでぶつかるモウリーニョ監督とコンテ監督、レアル・マドリードと戦うクロップ監督にとっては、本当の振り返りは全日程を終えてからですね。今シーズンも、残すところ2試合。土曜日ごとに行われる2つのファイナルで、それぞれ彼ららしさを出し切っていただければと期待しています。

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“ジョーク、自画自賛、失望…プレミアリーグ最終節を終えたTOP6の指揮官語録!” への1件のコメント

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    改めてみると監督の面々が物凄く豪華ですね…笑

    今シーズン限りでの辞任を否定しているコンテ監督本人とは裏腹に、チェルシーがポチェッティーノを狙っているという情報がスカイスポーツから飛び込んで来ました。そして記事にある通り、ポチェ自身も、レヴィ会長と話さなければならないと発言している…
    絶対無いと思っていたので想像すらしていなかったのですが、欧州屈指のユースを擁するチェルシーと、ポテンシャルを見抜く力に長けているポチェッティーノが合わされば、正に鬼に金棒なのではないでしょうか。来季のチェルシーはELという若手抜擢の場が設けられていますし…

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