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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

監督交代策は軒並み失敗…プレミアリーグ2017-18シーズンでリスペクトしたい5人の指揮官!

毎年、プレミアリーグの全日程が終了したタイミングで、ベストイレブンや監督、ベストマッチなどのランキングをやらせていただいているのですが、今季の監督をランキングとしてまとめるとすれば「TOP6は順位通り」なのではないかと思います。4位のリヴァプールがCL決勝に進出したので、ユルゲン・クロップをモウリーニョやポチェッティーノの上にしたくなるところではありますが、プレミアリーグに特化すれば、「われわれには一貫性がなかった」というクロップさんの反省の弁を素直に受け取るのが妥当でしょう。1位のペップは文句なし、シーズンを通じて3失点が1度もない安定感を評価してモウリーニョ監督が2位。12月中旬からの4ヵ月を無敗という快進撃を見せたポチェッティーノ監督が3位。スウォンジー、WBA、ストークと、最下位に落ちたときに対戦した3クラブに対して2分1敗とやらかしたクロップ監督には、4位に座っていただくということになります。

チャンピオンズリーグ出場権を獲得できなかったコンテ監督とヴェンゲル監督よりも、14勝12分12敗という大健闘で7位に食い込んだバーンリーのショーン・ダイク監督や、フランク・デブールが壊してしまったクリスタル・パレスを11勝11分12敗と立て直したロイ・ホジソン監督をより高く評価したくなります。満足な補強をできなかったにも関わらず、ニュー・カッスルをTOP10フィニッシュに導いたラファエル・ベニテス監督や、新戦力のべゴヴィッチとナタン・アケを機能させて12位となったボーンマスのエディ・ハウ監督も高評価。必死のやりくりで初年度残留を達成したブライトンのクリス・ヒュートン、ハダースフィールドのデヴィッド・ワグナーも称賛に値します。こうして全体を俯瞰してみると、おもしろい事実に気づきます。

■7位以下のクラブが、すべて得失点がマイナスとなったのは123年ぶり
■「監督を代えなかったクラブ&11月になる前に監督交代を済ませたクラブ」が12位までを独占
■昇格クラブは、すべて監督をチェンジせずに残留

「TOP6+バーンリーと、それ以外」となった中堅不在のシーズン。監督交代策の大半が失敗した一貫性優位のシーズン。ロナルド・クーマンとクレイグ・シェイクスピアを早期に見切ったエヴァートンとレスターは、「パニック解任」だったのかもしれません。両者に共通しているのは、6節までにTOP6との対戦が4つもあり、序盤の沈みは想定内だったにも関わらず、10試合も我慢できずに監督を切ったこと。指揮官交代がカンフル剤となったのか、レスターの後任のクロード・ピュエルは5勝3分2敗、サム・アラダイスは3勝2分と就任直後の戦績はよかったこと。しかし後半戦はクスリが切れたかのように、ピュエルは5勝5分9敗、アラダイスは6勝5分8敗と冴えなかったことです。「たら・れば」ではありますが、クーマンとシェイクスピアが続けていれば、これと同等以上の戦績を挙げたのではないかと思われます。「中堅不在」となった戦犯に指名したいクラブが、新しいシーズンを誰で始めるのかに興味が湧きます。

不振だったウェストハムで8勝9分10敗という数字を残し、18位から13位に引き上げたデヴィッド・モイーズ。最下位だったスウォンジーで、就任直後は5勝2分2敗という快進撃を見せたものの、最後の9戦を3分6敗と崩れて降格の憂き目に遭ったカルロス・カルヴァリャル。今季プレミアリーグで、就任時から順位を上げた後任監督は、彼らとアラダイス、ピュエル、ホジソンの5人だけです。WBAのアラン・パーデューは、1勝5分12敗の大クラッシュで、シーズン終了まで持たず。ストークのポール・ランバートも2勝6分7敗と振るわず、主力選手の追放が話題になっただけでした。ワトフォードのハビ・ガルシアは4勝3分7敗で10位から14位。ストークを追われた後、セインツを救いに来たマーク・ヒューズは2勝2分4敗と何もできず、「絶不調同士の直接対決」でスウォンジーに勝ったのが唯一の手柄でした。

順位を上げた監督から、後半戦は微妙だったアラダイス&ピュエルと、20位から18位で結局降格のカルヴァリャルを引くと、残るのはホジソンとモイーズのみです。素晴らしいのはホジソンで、8節のチェルシー戦で初勝利を挙げてからは、TOP6以外に敗れたのは2試合のみ。最後の6試合で14ゴールを決めたチームは4勝2分で駆け抜け、ノーゴールの7連敗という周回遅れのスタートから11位フィニッシュというめざましい変貌を遂げました。シーズン途中から指揮を執った監督のなかでは、インテルやレッズを率いてきたベテラン監督が文句なしのNo.1でしょう。

ボーンマス、ニューカッスル、ハダースフィールド、ホジソンに代わってからのクリスタル・パレスは、12月以降に降格ゾーンの18位に陥落したタイミングがあったのですが、クラブは指揮官を信頼し、その後の巻き返しで残留を果たしています。残留請負人が大活躍したシーズンもあったことを考えれば、単年で「監督を代えないほうがうまくいく」とまではいえませんが、「カンフル剤だけでは長いシーズンを乗り切れない」とはいえるのではないでしょうか。

以上、まとめましょう。「今季プレミアリーグの指揮官ランキング、TOP4はペップ・グアルディオラ、ジョゼ・モウリーニョ、ショーン・ダイク、ロイ・ホジソン。特別賞はCL決勝進出のユルゲン・クロップ」。前季からは順位をひとつ下げたポチェッティーノ監督は、来季の巻き返しとタイトル獲得を期待して、今は泣いていただきましょう。インターナショナルクラスを揃えたストークとWBAがクラッシュする壮絶なシーズン。来季のプレミアリーグがどうなるかは、全く見当がつきません。

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“監督交代策は軒並み失敗…プレミアリーグ2017-18シーズンでリスペクトしたい5人の指揮官!” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    プレミアリーグが終わりましたね。これからCL決勝、ワールドカップと続くので気の抜けない日が続きますが、PLは別格のお楽しみです。
    今季を振り返ればマンシティが圧倒してたのは確かですが、下位チームがシティを苦しめたゲームが印象に残っています。(特にクリスタルパレス)あれらの試合を落としていたら、もう少し混戦モードに陥ったかもしれません。
    また、プレミアのチームがCLで躍進したのも嬉しく、今季はPL・CL両コンペで愉しむことができました。
    私のMVPはモハメド・サラー、監督賞にペップ・グラディオラ、そして特別功労賞にアーセン・ヴェンゲルです。
    これからもmakotoさんのリポートを楽しみに更新を待っています!お疲れ様でした。

    —–
    ブレイディやドフール、ヒートンなどの主力が離脱しても大きく失速しなかったバーンリーのダイクが私は印象的でした。他にもウッドやミー、ロートンがポジションに穴を開けることもあった中での7位なので見事だなと思いました。
    監督も含めタルコフスキくらいしか移籍のゴシップがあまりでないのも、ある意味ダイクの監督としての能力の高さを感じます。笑

  2. アイク より:

    今年も毎日の更新ありがとうございました。おかげ様で、見逃した試合は追いつき、観戦した試合はより深く味わえる、喜びに満ちたシーズンでした。
    これからも応援しております!

    今季は、監督のパフォーマンスがそのまま出たような上位の順位です。ペップ就任当初を思えばシティは恐ろしい変貌をとげましたね。監督次第でここまで変わるものなのかと驚いています。

  3. レヴィ会長 より:

    個人的にはベニテスが1番印象に残りました。あのスカッドかつあの酷いオーナーに振り回されながらもチームを闘える組織に変え、10位フィニッシュは流石の手腕です。あと、チェルシー、アーセナル、ユナイテッドとあの時代の彼のライバルチームを破っているところに少し胸が熱くなりました…笑

    資金さえ注入出来ればEL権は狙えると思うんですけどねぇ…。アシュリーには勇気ある決断をしてもらいたいものです。そうじゃないとベニテスを失い、再び降格なんてシナリオも目に浮かんでしまいます…

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