プレミアリーグに革命を起こした稀代の名将…アントニオ・コンテがチェルシー監督退任決定。
クルトワ、アスピリクエタ、ダヴィド・ルイス、ケーヒル、ヴィクター・モーゼス、マルコス・アロンソ、カンテ、マティッチ、アザール、ジエゴ・コスタ、ペドロ。2016-17シーズンのプレミアリーグを席巻したコンテの3-4-3を初めて見たのは、3-0で負けていたエミレーツのアーセナル戦でした。イタリア人指揮官にインスピレーションを与えたのは、前節のリヴァプール戦で初めて起用したダヴィド・ルイスと、半ば開き直って投入したように見えた55分からのマルコス・アロンソでしょう。4-2-3-1でレッズとガナーズに連敗したコンテ監督のチェルシーは、次のハル・シティ戦から別なチームに生まれ変わりました。右サイドに抜擢されたのは、それまでベンチスタートだったヴィクター・モーゼス。2015-16シーズンは戦力外と見做され、ウェストハムに貸し出されていたサイドアタッカーは、激しい上下動を要求する新システムではアンタッチャブルな存在となりました。
年末のストーク戦まで13連勝、失点はわずか4。コンテ監督が、最も輝いた季節でした。終わりの始まりは、1月。前半戦だけで14ゴールをゲットしていた絶対的エース、ジエゴ・コスタが中国のクラブからのオファーで揺れ、指揮官との関係は修復不可能となりました。エースのゴール数は半減したものの、14勝2分3敗で2017年を駆け抜けたチェルシーは独走でプレミアリーグを制覇。コンテ監督は、シーズンが終わるとジエゴ・コスタに三下り半を突き付け、新たなストライカーを探し始めました。しかし…。
ロメウ・ルカクがチェルシー、アルバロ・モラタがマンチェスター・ユナイテッド。2人のストライカーの争奪戦が、現実とは逆の着地になった可能性は充分にありました。プレミアリーグの水に慣れ、代表の同僚であるアザールとタッグを組めるルカクがいれば、チャンピオンズリーグ出場権を獲得したクラブの顔ぶれは変わっていたかもしれません。2017-18シーズンのチェルシーは、後半戦で崩れました。最初の19試合で13失点だった堅守の最終ラインは25失点。モラタは1ゴール、ペドロは完全に沈黙、フィットしていなかったバチュアイの代役として呼び寄せたジルーも3ゴールしか決められませんでした。不振の理由をスペイン人ストライカーだけの責に帰すのは乱暴でしょう。チーム全体の問題であるのは重々承知ながら、前半戦だけで決勝ゴール6発、クラブを敗戦から救うゴールを2発決めていた前年のストライカーが、懐かしく感じられたシーズンではありました。
バカヨコ、ドリンクウォーター、ロス・バークリー、エメルソン、ザッパコスタ、そしてモラタとジルー。ジエゴ・コスタとマティッチがチームを去り、ダヴィド・ルイスが指揮官との確執で最終ラインを統率する役割から外されるなか、多くの新戦力がチーム強化につながったとはいえない数字しか残せませんでした。まずまずだったのは、リュディガーとボルシアMGから復帰したクリステンセンぐらいではないでしょうか。おそらく、指揮官が獲得を望まなかった選手も、何人かいたのでしょう。前の年なら大げさなアクションで選手たちを鼓舞していたようなシーンで、心ここにあらずといった表情を見せるようになったコンテ監督が、今も瞼の裏に蘇ってきます。
ジョゼ・モウリーニョは7ヵ月、クラウディオ・ラニエリは9ヵ月。前年のプレミアリーグ優勝監督が、1年ももたずに途中解任の憂き目に遭うシーズンが続いていたなかで、コンテ監督は苦しかった2年めを最後まで走り切りました。激動の2年、しかし素晴らしい2年でもあったと思います。イングランドのサッカーに革命をもたらしたあの強いチームを、決して忘れることはないでしょう。将来、プレミアリーグの歴史を語るメディアには、こう記されるはずです。イタリアの名将は、その手腕の確かさを証明した、と。おつかれさまでした。いずれまた、プレミアリーグに戻ってきてください。そのときは、納得いくスカッドを従えて。
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こういうクラブなのは分かっています。選手だけが悪いのでなく、コンテももう少しやりようもあったのも分かっています。
…ですが…。やはり悲しいですね、こういう形での別れは。公式はあまりによそよそしい別れのコメントでしたが、そして何人かの選手とも明らかに確執はあったと思いますが、サポーターはコンテに多大な感謝の気持ちを持っていることだけは間違いありません。本当に、次のステージでの活躍を祈っています。ありがとう。
実力のある素晴らしい監督でした。次のキャリアも明るい道が開けているでしょう。
コンテが就任したとき選手に慕われていてモウリーニョを超える長期政権になるかも的な話には前から懐疑的で、やはりそうはなりませんでしが次のクラブなり代表なりでどんな仕事をするのか楽しみです。
同一クラブで中長期の監督業はこのリーグでは無理なのではないでしょうか!
監督は選手と経営者間の中間管理職ですが、上と下との軋轢はどの社会でもありノルマさえクリアすればその地位を継続できるでしょう。
しかし遅かれ早かれ疲弊してしまい、そのサイクルが異常に短いのがプレミアだと思います。
もはや監督交代などゴシップも観る側はゲームのひとつとして愉しんでいるのかも知れませんね。
できればクロップやグラウディオラなどの優秀な人材や、ホジソンのような地元愛の強い人には長く勤めて欲しいですが。
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プレミアリーグに3バックブームを起こさせ、戦術の幅・バラエティ・フレキシビリティを浸透させるきっかけを作った黒船、稀代のモチベーターだと思います。
プレミアリーグ、そしてFAはコンテに感謝しなくてはいけませんね。
選手補強に自分の希望が通せないとなるとちょっと厳しいですね。同じ金満クラブでもシティはペップの要望が通っているようですし。でも、彼の能力は折り紙つき!成功を祈ります。
アーセナルファンですが、コンテのサッカーは好きでした。
人の縁に恵まれなかった知将ですかね。
気の毒な終わり方ですが、チェルシーの経営陣らしい対応で、一昨年の事など査定には入らないんでしょうね。
優秀な指導者であるのは間違いないので、次はプレミアリーグ以外でお願いします。