チェルシーを優勝に導けるのか?無冠の名将マウリツィオ・サッリの雑草キャリアを振り返る。
1990年に31歳だったサッリは、最も歴史がある銀行として知られるモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナで働きながら、スティアで指導者としてのキャリアをスタート。二足のわらじを10年続けた後、2000-01シーズンに6部のサンソヴィーノを率いることになり、金融業界に別れを告げています。2006‐07シーズンにアレッツォの監督に就任するも、成績不振で辞任させられ、クラブはセリエC1に降格。翌シーズンに率いたアヴェッリーノは、2年も経たないうちに財政難で破綻しています。2008-09シーズンには、以前に中田英寿が所属していたペルージャをセリエBに復帰させるというミッションを果たせず、ウンブリア州の名門も1年後に経営破綻してしまいました。既に50歳になっていた戦術家は、思うように結果を出せず、下部リーグのワケありクラブを渡り歩く監督となっていました。
2010-11シーズンには、アレッサンドリアを4部に転落させてしまいます。この頃の彼を見て、いずれプレミアリーグから声がかかるとは誰も思わなかったでしょう。2011-12シーズンに率いた3部のソレントは惜しくも4位に終わり、セリエB昇格のチャンスを逃しましたが、2012年から指揮を執ったエンポリで、ようやく彼の戦術が注目されるようになりました。2013-14シーズンのセリエB2位でプロヴィンチアを昇格させ、初めてトップリーグのクラブを率いることになったサッリ監督は、2014-15シーズンのセリエAで8勝18分12敗と粘って15位フィニッシュ。攻撃的な戦術を高く評価された指揮官に声をかけたのは、レアル・マドリードに呼ばれたラファエル・ベニテスの後任を探していたナポリでした。
当時の記事を読むと、トップクラブでの経験のなさを不安視する声が挙がっています。昇格クラブを残留させただけの監督を連れてくるのは、やはりギャンブル。プレミアリーグでいえば、マンチェスター勢がハル・シティの頃のマルコ・シウヴァやボーンマスのエディ・ハウを抜擢するようなものです。チャンピオンズリーグを制覇した経験がある監督の後釜として、56歳の叩き上げに白羽の矢を立てたナポリの慧眼には、頭が下がります。
ユヴェントスでセリエA3連覇、プレミアリーグ初年度優勝と国内リーグで4回勝ったアントニオ・コンテの後を継いだ無冠のマネージャーは、監督に厳しいオーナーの下で成功することができるでしょうか。アブラモヴィッチ氏が連れてきた3人のイタリア人は、プレミアリーグかチャンピオンズリーグを制覇したうえで、FAカップ優勝も果たしています。前季のプレミアリーグで5位に沈んだうえに、トランスファーマーケットで出遅れたピットスタートのクラブで、策士はどんなアクセルを踏むのでしょうか。初めての国外で迎えるサッリ監督の初陣は、3週間後に迫ったコミュニティシールドです。
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plも近づいてきましたね。中盤に誰をチョイスするのか、CFはやってくるのか、そしてクルトワ・アザール・ウィリアン・カンテ、、、
個人的には、レンタルバックを活用した若い構成で試行錯誤してもらい、来季のCLで結果を残せるようなチーム力と、新しいスター誕生を見たいです。
少なくとも1/4は入れ替わりそうなサッリ版新生チェルシーにまずは期待を持って開幕を待ちたいと思います。ちなみにゾラがスタッフに入るとしたら保険ですかね、、
ここまでサッリに関する丁寧懇切な記事を書いてくださったmakotoさんに感謝です。
ピッチ上での主役はもちろん選手ですが、采配者のバックボーンを知った上でフットボールを観戦出来たらなおさら面白いですし!
楽しませてもらいました!